フェアリーゲート

第８章 久し振りの日本

コボルト討伐

　ミラ達に見送られ、柊はゲ一トを通って日本へと帰還

した。何時も通りに衛星電話でガ一ディアンの事務所に

電話すると、井上が出た。これまた何時も通りに会話を

してるうちに、GPSから柊の居る位置を松浦が検索し、

改造トラックで４時間程の場所と判明し、早速迎えに来

ることとなった。

　市道か県道か分からないアスファルト舗装された道路

の道ばたで腰を下ろして、休暇しながら迎えを待ってい

ると、少し離れた所に２台の軽トラが止まり農家の人と

思われるお年寄りが数人こちらを見ていた。

　今の格好はフルプレ一トメイルにハルバ一トを肩に担

いでいる状態だった。もしかして、不審者と思われてい

る？

　そう思い、ヘルムを脱ぎ、人影に近づいて行くと向こ

うからも近づいて来た。

　「お兄ちゃん、もしかしてガ一ディアンって会社の

人？オ一クとかいう化物倒して娘さん達助けたちゅう」

　どうやら、ニュ一スで以前の事件の事を知っていた人

達らしい。

　「はい、そうです。代表の柊誠と言います。始めまし

て。」

　「こらぁ、挨拶もせんで、すんません。田中と言いま

す。で、こっちが・・・。」

　「田辺と言います。」

　そして、２人で目配せすると、田辺と名乗った老人が

　「それで、こちらの方にはお仕事で？」

　っと切り出して来た。

　「いえ、こちらへは偶然立ち寄りました。仕事と言い

ますと何か出ましたか？」

　「はぁ、やはり知らんのですかね？町役場の対応にし

ては早すぎるちゅうて皆で噂しとったんですわ。」

　「すると、やはり特定危険未確認生物が？」

　「ええ、儂らは犬人間ちゅうとりますが、頭が犬で体

つきが人みたいな化物ですわ。」

　田中という老人が、

　「精根込めて作った野菜やら、何やらを抱えて盗んで

行きよります。木村家は鶏をだいぶヤラれたみたいで」

　っと割り込む。田辺という老人が、

　「農協やら、町役場に相談しても専門家を呼ぶには予

算がいる言うてなら、皆で募金でもするか、言う話にま

でなっとたんですわ。」

　「こうして、会ったんも何かの縁何とかして貰えんじ

ゃあろうか？」

　いつの間にか、他の農家のお年寄り達も集まって来て

いた。中には拝んでいる人もいた。流石にここまで、さ

れると良心が痛む。しかも、困っている人達が目の前に

居るのだ。

　「事情はよく分かりました。町役場との交渉次第です

が、この依頼受けようと思います。」

　「ありがとうございます。ありがとうございます。」

　始めに話し掛けて来た田辺さんと田中さんがぶんぶん

と腕を振って握手してきた。

　すぐに衛星電話で松浦に連絡し、町役場にアポイント

メントを取ることにした。そこでここが木口町というこ

とを知った。



　少し期間が相手申し訳ありません。少し体調不良が長引いております。インフルエンザも流行の兆しに有ると言います。皆さんも体調にお気をつけ下さい。