フェアリーゲート

護國鬼

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第8章 久し振りの日本

コボルト討伐 2

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 ガ一ディアンのメンバーの松浦と井上との合流地点を

木口町役場の駐車場に変更すると、柊はフルプレ一トメ

イルのまま、農家のお年寄り達の運転する軽トラの荷台

に乗せてもらい町役場へと向かった。

 いつの間にか軽トラは10台近くに増えており、この

問題の深刻さと、お年寄り達のフットワ一クの軽さに驚

いた。

 町役場の駐車場に着くと駐車場には更に数台の軽トラ

が駐車しており、一部の農家さんは既に中に入っている

ようであった。

 柊達の軽トラが駐車場に駐車されると他の農家のお年

寄りも一緒に入って来ようとしたが、流石に人数が多く

て迷惑になると諭して、最初の田中さんと田辺さんが一

緒に来ることになり、外に居る人達には井上と松浦が到

着した時の案内をお願いした。

 町役場に入ると既に話が伝わっていたのか、鳥獣対策

課の課長を名乗る男性が表れて応接室へと通された。

 そこで、被害の模様、犬人間恐らくコボルトの出現場

所等の説明を受けていると、井上と田辺が到着した。

 後は松浦による討伐に関する依頼書類の作成である。

 町役場側もそもそも依頼を出していないのだからと言

って交渉の材料にしようとしたが、窓の外に横断幕まで

急遽作って押し掛けた農家、町民を見て早期に解決を計

ることにしたようであった。

 基本料金は50万円

 コボルト1体討伐毎にプラス5万円

 討伐終了宣言をガ一ディアンが出して1週間コボルト

の目撃情報が無ければ依頼達成とする。

 大まかに言えばこのような内容になったが、町議会の

承認がいるということになったが、あまりにも多くの町

民が集まり過ぎて、町議会の議員達もかなり集まってい

たことから、異例で急遽明日町議会を開いて決を取るこ

とになった。


 次の日の正午から緊急で開かれた町議会で、コボルト

討伐の予算案は全会一致で可決された。この予算は、裏

話があり、異世界法が制定された際にモンスタ一が確認

された自治体はその討伐毎に関する費用を後に国に請求

することが出来た。

 しかし、予算に限りが有ることから、申請した自治体

の所属する都道府県は来年の予算が減らされるのを恐れ

て、民間のモンスタ一討伐の会社に依頼するのを躊躇っ

ていたのだ。

 しかし、町民の怒りは爆発寸前になり、偶然とはいえ

討伐の専門家まで来てしまったからには、問題の先送り

は自分達の首を絞めるだけだと考えた町議会は依頼へと

舵を切ったのだ。

 話は戻り、柊達は拠点とする場所の選定に入ったが、

最初に話し掛けて来た、農家の田中さんが離れの提供を

申し出して来た。

 夏や正月休みに息子夫婦が帰省する際に使うだけだと

いうことで、自由に使って欲しいとのことだった。

 ありがたく、使わせて貰うことにして田中さん宅に向

かった。田辺さんや他の農家の人達も集まり、コボルト

討伐の前祝いのようなものになっていった。

 酒が入り、今までの鬱憤の溜まっていた農家の人達は

今までの被害等をつらつらと語り出した。その話を集計

すると、今は住む人の居なくなった集落跡がコボルト達

の住みかになっているだろうということが分かり、農家

の人達も反対する人は居なかった。

 最初の夜は、何事も無く、農家の人達の歓迎会で終わ

った。

 次の日の昼過ぎ。町議会で許可が下りたことから、ガ

一ディアンは本格的に動き出した。
 
 怪しいと目星を付けた集落の廃屋群を離れた場所から

監視していると数匹のコボルトの出入りを確認した。

 行動時間帯は昼過ぎから、夕方遅くまでで、その間に

畑等を荒らして来ているようだった。

 因み、農家の人達には危険防止の為に、普通の畑仕事

はともかく、見回りや、見付けた際も追いかける事等を

中止して貰っていた。

 2日間の調査でコボルトは10匹前後で武装らしき物

も持たないことが判明した。

 後は行動に移すのみである。



 少し早めですが、今年最後の投稿となります。
拙作ながら、読んで頂いた皆さまありがとうございました
 皆さまの来年が良い年であることを祈らせて頂きながら
今年の最後を迎えさせて頂きます。
 本当にありがとうございました。
 来年も投稿は続きますので応援の程宜しくお願いします
 良いお年を。
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