フェアリーゲート

護國鬼

文字の大きさ
13 / 56
第3章 新たなる日常

事後処理

しおりを挟む
 町役場の松本氏に一報を入れて約2時間後、山の中で休んでいた柊達の所へ、松本が数人の職員を連れてやって来た。
 「もう巣の駆除が終わったんですか!?」
柊達は、依頼主とはいえ半日がかりの仕事の後に休んでいる所に本人が来るとは思っておらず少しイラッとしながら巣穴の前に積まれた死骸の入った袋の山を示した。
 「1、2・・・15匹もこれは追加料金が必要ですか?」
少し心配そうに問う松本に対して、経理を担当する松浦は、
 「不要です。巣穴があるという時点で想定はしておりましたですし、契約書には種類は兎も角、数については言及しておりませんので。」
と事務的に答えた。
 「どうしても、とおっしゃるなら袋を運ぶのを手伝って頂けますか?」
 ちゃっかりお願いする辺り数の多さについては思うところがあったのだろう。松本を含めて6人の人手が増えたことは、純粋に嬉しい事実であった。
 ひいこら言いながら何とか1回で運び終えることが出来た。一番運んだのは、柊の6袋であったが鎧の効果か適合者としての能力か、鎧を着ていると体力等が向上するようだった。
 冷凍機能も装備した改造トラックにゴブリンを積み終えるとあとは3日間の残党確認の為の待機時間だ。
 どうするか、3人で話し合っていると、町役場の松本がやっと復活して現れて、温泉付きの旅館を予約しているとのことで、移動にも松浦が借りていた車を使用して良いとのことで、最初のメ一ルのやり取りの通り交通費、滞在費は無料とのことであった。
 これは、もう万が一のことが無い限り3日間の有給休暇を貰って旅行に来たようなものであった。
 
 
 残りの3日、1回だけ人型の生き物を見たという通報があったが、猿と分かり安堵するということがあった以外は何事もなく過ぎ去り、松本からは最初の報酬の訂正額の48万円を現金で受け取った。松本他の町役場の職員に見送られ、町役場の駐車場から出ようとしたところ1人の男性に呼び止められた。あの猟犬を殺された男性である。
 「本当に仇を取ってくれたんだな。ありがとう。若い衆ばかりで大丈夫かと思っていたが。」
と言いつつ封筒を出してくる。
 「これは?」
 柊が訪ねると、
 「仇を取ってくれた報酬だ。」
と言い笑った。松浦が受け取り数えると100万円が入っていた。
 「こんなに貰えませんよ!」
 柊が断ろうとすると、
 「ワシの本心からの金じゃ、それでまた人を助けてやってくれ。」
 そう言うと、男性は立ち去ろうとしたが、松浦が、
 「領収書受け取ってくださ~い。」
と呼び止めたことで、皆転けたような気がした。


 最後に行かなければならないのが、国が各都道府県に最低1ヶ所設置したモンスタ一の買い取り場である。各省庁のやり取りの結果独立した組織として運営されていた。モンスタ一のそれぞれの買い取り額は後々に述べるとして今回は、

  ゴブリン15匹×15万円 225万円
  武器類(ナイフ、剣) 75万円
  装飾品、硬貨類      120万円 
  巣穴の情報        100万円
  総額  52
0万円
となった。命の危険さえなければ、一攫千金が狙えるこの業種は成長するであろうが、それも適合者在っての物である。
 因みに、買い取り場には松浦と井上しか居なかった。積み荷は専用の倉庫の前に持っていけば職員が下ろしてくれるが、それだけではない。国専属の適合者になれと勧誘がしつこい為に途中で降りたのである。 
 利用されるのが嫌で公務員を辞めたのに勧誘されれば
、元の木阿弥である。


 今回の報酬
    町役場の報酬 48万円
    男性の報酬  100万円
    討伐報酬   225万円
    戦利品など  295万円
                                            総額668万円也!!


 オオオオ、ギルドみたいな存在が登場!しかし、殆ど1日で数百万円。羨ましい!!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

どうぞ添い遂げてください

あんど もあ
ファンタジー
スカーレット・クリムゾン侯爵令嬢は、王立学園の卒業パーティーで婚約もしていない王子から婚約破棄を宣言される。さらには、火山の噴火の生贄になるように命じられ……。 ちょっと残酷な要素があるのでR 15です。

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...