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第3章 新たなる日常
廃工場地帯とオ一ク討伐
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到着した廃墟群は思ったよりも市街地に近い海沿いの埋め立て地にあった。
トラックを建物の陰に隠すように駐車すると、作戦を練る。
「ここ最近でオ一クが得た餌は7人。女性4人には暴行すると仮定して残るは3人。6匹以上は居るだろう奴らには明らかに不足だ。だから、囮でいく。」
柊は作戦の要所を進めていく。
「奴らは雑食性だと思われることから肉類と野菜くずを混ぜた袋を用意した。これを仕掛けて奴らの寝床を探しだす。」
「その後はどうするんですか?」
井上が質問する。
「ゴブリンの時と同じく夜襲をかけるが井上、君にも手伝って貰う。オ一クが生き残った人を人質に取ろうとしたら特製ボウガンで狙撃して欲しい。出来るな?」
柊は井上の瞳を見つめる。井上は覚悟していたかのように、力強く頷いた。
「私はどうします?」
松浦が問いかける。柊は生き残った人がいた場合に、救出したあとは専門家に任せた方が良いと救急車の手配と誘導を松浦に任せた。
あとは作戦の実行である。突然の遭遇に備えて武装した柊が見張る中、井上と松浦で囮の袋を見通しの良い2ヶ所に設置した。その2ヶ所が見渡せる廃墟に井上と柊は野戦装備と武器、携行しやすい軽食等を持って張り込む。
松浦はトラックに乗り無線機で2人と交信し、待機する。時間は午前10時であった。
張り込み開始から4時間、動きがあった。ブタを大きくして二足歩行にしたような生き物、オ一クが姿を現した。どこから入手したのか動物の革製のボロボロの鎧を着込んだ体長2mほどの巨駆を揺らし2匹のオ一クが鼻を空中に突き上げ、何かの匂いを嗅ぐ動作をしながら囮で置かれた袋に1匹ずつ近寄って行く。
見張りの番をしていた井上が柊の肩を叩く。
「来ました。オ一クが2匹、それぞれの囮にかかっています。」
しかし、1匹はなかなか囮を見つけられないようだ。
もう1匹は見付けた囮の袋を担いで歩き出した。ここで、柊は、
「残った1匹を殺る。」
と言い出した。
「動き出した奴に気付かれる危険があります。それに追跡はどうするんですか?」
井上は反対した。
「奴らの戦力評価だ。もう1匹は井上が追ってくれ。」
柊は命令した。どうなっても知りませんよっと言いながら井上は無線機を掴み、動き出したオ一クの追跡を始めた。
柊は置いてあった囮の袋を掴み、オ一クの後ろから近付いた。
「オイ!ブタ野郎。」
オ一クは声に反応したのか、袋の匂いに気付いたのか振り向いた。
その瞬間、柊は背中に担いでいたハルバ一トの斧の部位でオ一クの首を切り飛ばした。
「こんなモノか。」
今までならあり得なかった腕力を鎧を着込むことで発揮することに驚きながらもオ一クの鈍重さに呆れた。
その時、井上から無線が入る、
「オ一クの巣を発見。囮から500mほど離れた廃墟です。中の様子は分かりません。」
「作戦変更だ。奴らは弱っているのか、本来は夜行性なのか動きが悪い。今から殺るぞ。」
「またですか?」
「急ですね。」
仲間2人からは否定的な意見がでるが、柊は今がチャンスだと考えていた。奴らは持ち帰った囮の餌に夢中のはずだ。餌に薬でも仕込んでおけば良かったと今更ながら反省した。
井上から連絡のあった廃墟に入ると端の方には靴や衣類の切れ端が転がり、情報通り5匹のオ一クが居たが、1匹のオ一クは一回り大きかった。
5匹は囮の袋に群がっていたので先程のオ一クのように後ろから近付いて2匹の首を切り飛ばした。1匹には槍の部位をオ一クの喉に向けて力の限り投げ付けた。ハルバ一トを喉に受けたオ一クは吹き飛び壁に釘付けになった。態勢を立て直した2匹のオ一クは剣を手に襲いかかってきた。
普通のオ一クは大振りに横殴りに剣を振るって来たが手首を切り裂き武器を取り落とさせて出来た隙をつき喉を切り裂くと血が吹き上がり、残った片手で喉を押さえるがゴボゴボと血の泡を吐くとそのまま倒れ込んだ。
最後に残った一回り大きかったオ一クは柊と間合いを取り、仲間を全滅させられたせいか血走った目で柊を睨み付けていた。
「オ一クジェネラルってところか?」流石にその迫力に柊も慎重になる。
緊張から膠着状態に陥ったところに、オ一クジェネラル(仮)の左目にボウガンのボルトが突き刺さった!
「プギィィィ~!!」
「今よ!」
井上の声が廃墟の2階部分から聞こえてきた。
剣を取り落とし、目からボルトを引き抜こうとするオ一クの左胸の心臓目指してブロ一ドソ一ドを突きたてる。
「ガァァァァァッ!!」
必死に剣をどうにかしようとするオ一クは柊のヘルムを掴み、頭を割り殺そうとする。そうはさせまいと、柊更に剣を突き立て捻り込む。
膠着状態は5分も続いただろうか?ついに最後のオ一クは力尽き、その両腕をダランと垂らした。
しかし、オ一クの群れを討伐してもまだ、生存者の確認という難題が柊達を待っていた。
トラックを建物の陰に隠すように駐車すると、作戦を練る。
「ここ最近でオ一クが得た餌は7人。女性4人には暴行すると仮定して残るは3人。6匹以上は居るだろう奴らには明らかに不足だ。だから、囮でいく。」
柊は作戦の要所を進めていく。
「奴らは雑食性だと思われることから肉類と野菜くずを混ぜた袋を用意した。これを仕掛けて奴らの寝床を探しだす。」
「その後はどうするんですか?」
井上が質問する。
「ゴブリンの時と同じく夜襲をかけるが井上、君にも手伝って貰う。オ一クが生き残った人を人質に取ろうとしたら特製ボウガンで狙撃して欲しい。出来るな?」
柊は井上の瞳を見つめる。井上は覚悟していたかのように、力強く頷いた。
「私はどうします?」
松浦が問いかける。柊は生き残った人がいた場合に、救出したあとは専門家に任せた方が良いと救急車の手配と誘導を松浦に任せた。
あとは作戦の実行である。突然の遭遇に備えて武装した柊が見張る中、井上と松浦で囮の袋を見通しの良い2ヶ所に設置した。その2ヶ所が見渡せる廃墟に井上と柊は野戦装備と武器、携行しやすい軽食等を持って張り込む。
松浦はトラックに乗り無線機で2人と交信し、待機する。時間は午前10時であった。
張り込み開始から4時間、動きがあった。ブタを大きくして二足歩行にしたような生き物、オ一クが姿を現した。どこから入手したのか動物の革製のボロボロの鎧を着込んだ体長2mほどの巨駆を揺らし2匹のオ一クが鼻を空中に突き上げ、何かの匂いを嗅ぐ動作をしながら囮で置かれた袋に1匹ずつ近寄って行く。
見張りの番をしていた井上が柊の肩を叩く。
「来ました。オ一クが2匹、それぞれの囮にかかっています。」
しかし、1匹はなかなか囮を見つけられないようだ。
もう1匹は見付けた囮の袋を担いで歩き出した。ここで、柊は、
「残った1匹を殺る。」
と言い出した。
「動き出した奴に気付かれる危険があります。それに追跡はどうするんですか?」
井上は反対した。
「奴らの戦力評価だ。もう1匹は井上が追ってくれ。」
柊は命令した。どうなっても知りませんよっと言いながら井上は無線機を掴み、動き出したオ一クの追跡を始めた。
柊は置いてあった囮の袋を掴み、オ一クの後ろから近付いた。
「オイ!ブタ野郎。」
オ一クは声に反応したのか、袋の匂いに気付いたのか振り向いた。
その瞬間、柊は背中に担いでいたハルバ一トの斧の部位でオ一クの首を切り飛ばした。
「こんなモノか。」
今までならあり得なかった腕力を鎧を着込むことで発揮することに驚きながらもオ一クの鈍重さに呆れた。
その時、井上から無線が入る、
「オ一クの巣を発見。囮から500mほど離れた廃墟です。中の様子は分かりません。」
「作戦変更だ。奴らは弱っているのか、本来は夜行性なのか動きが悪い。今から殺るぞ。」
「またですか?」
「急ですね。」
仲間2人からは否定的な意見がでるが、柊は今がチャンスだと考えていた。奴らは持ち帰った囮の餌に夢中のはずだ。餌に薬でも仕込んでおけば良かったと今更ながら反省した。
井上から連絡のあった廃墟に入ると端の方には靴や衣類の切れ端が転がり、情報通り5匹のオ一クが居たが、1匹のオ一クは一回り大きかった。
5匹は囮の袋に群がっていたので先程のオ一クのように後ろから近付いて2匹の首を切り飛ばした。1匹には槍の部位をオ一クの喉に向けて力の限り投げ付けた。ハルバ一トを喉に受けたオ一クは吹き飛び壁に釘付けになった。態勢を立て直した2匹のオ一クは剣を手に襲いかかってきた。
普通のオ一クは大振りに横殴りに剣を振るって来たが手首を切り裂き武器を取り落とさせて出来た隙をつき喉を切り裂くと血が吹き上がり、残った片手で喉を押さえるがゴボゴボと血の泡を吐くとそのまま倒れ込んだ。
最後に残った一回り大きかったオ一クは柊と間合いを取り、仲間を全滅させられたせいか血走った目で柊を睨み付けていた。
「オ一クジェネラルってところか?」流石にその迫力に柊も慎重になる。
緊張から膠着状態に陥ったところに、オ一クジェネラル(仮)の左目にボウガンのボルトが突き刺さった!
「プギィィィ~!!」
「今よ!」
井上の声が廃墟の2階部分から聞こえてきた。
剣を取り落とし、目からボルトを引き抜こうとするオ一クの左胸の心臓目指してブロ一ドソ一ドを突きたてる。
「ガァァァァァッ!!」
必死に剣をどうにかしようとするオ一クは柊のヘルムを掴み、頭を割り殺そうとする。そうはさせまいと、柊更に剣を突き立て捻り込む。
膠着状態は5分も続いただろうか?ついに最後のオ一クは力尽き、その両腕をダランと垂らした。
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