フェアリーゲート

護國鬼

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第3章 新たなる日常

人質救出ミッション?

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 人質と聞いて柊は焦る。

 「既に被害者が出ているのか?」

オ一クといえば、ゴブリンとファンタジ一ではお馴染みのモンスタ一であるが、その怪力もながら、厄介なのは繁殖と飢えを満たすために人を襲う点にある。

 「今回は一般人の受理者問わずの公開依頼ですね。」

 松浦が淡々と報告する。

 「状況は廃墟群となった工場地帯に男女の若者数名が肝試しで侵入。オ一クの群と出くわしバラバラに逃走。車まで戻るも20代男性3名、10代と20代の女性4名と連絡が着かないそうで、警察には通報したものの現場が広範囲ということもあり、捜索は行ったが発見に至らず素行の悪いグループであったことから、家出人扱いされています。」

 「情報源と依頼主は?」

 柊が続けて問いかける。

 「未成年の少女の親で、情報源は逃げ帰った者からということでメ一ルで軽く接触しましたが、被害者の生還を希望しています。因みに発生は2日前です。」

 「ふ~む。」

 柊は顎に手を当て考え込む、上手く考えがまとまらない時の癖だ。

 「依頼は受けずに討伐して、生きてたら謝礼金を貰うのが一番じゃないですか?」

 今まで、黙っていた井上が発言する。

 「イヤな、自分もそれで行こうと思ったが、例え、生きていても暴行は受けているだろう。反対に賠償を請求してくるような依頼主だと面倒だなっと思ってなぁ。」

 柊は心底嫌そうに答える。自分側に非があるのに責任転嫁しようとする輩は警察時代イヤというほど見てきた。また同じような思いをするのもな。っと考えていた。

 「それでしたら、ご心配無く、契約の段階で生死を問わずを必ず強調して明文化させておきます。因みに代表、オ一クの相手は大丈夫でしょうか?」

 と珍しく、松浦が柊に確認してくる。

 「剣だけだと複数はキツかったかもしれないがハルバ一トがあれば、10匹以上で無ければ何とかなるだろう。面倒なのは人質を取られた時だが、夜襲で一気に方を付ければ何とかなるだろう。」

 「それを聞いて安心しました。確認されているオ一クは6匹、ゴブリンより数は少ないですが、知恵も体格も比較ならないと聞いていましたので。」

 松浦は自分が取ってきた仕事だけに柊に対して過剰な心配をしているようだった。

 「あれ?松浦ッチ柊代表の心配してます?」

 井上が松浦をからかうと、

 「だ、代表にもしものことがあったら、会社が大変だからよ!勘違いしないでくれる!!」

 「「ツンデレキタ一!!」」と柊と井上が思ったのかは定かではないが、少なくとも松浦は自分で気付いたのか顔を真っ赤にしてぷるぷる震えていた。

 「ま、まぁ依頼主との契約は松浦に任せるが、本契約の前に自分にも見せてくれ。自分は適合者の協会を通して装備品の発注を急ぐ!井上は今、あるボウガンで実戦でも使えるレベルまでに仕上げておいてくれ。この依頼時間が命だ。」

 「「了解!!」」松浦と井上は声をハモらせて返事をした。


 次の日協会から装備品が速攻で届いた。実戦での意見を聞きたいという気持ちから急ぐのは分かるが、まさかア○ゾンで届くとは。

 「ネットオ一クションかよ。機密性はどうした?」

 色々と愚痴は言いたかったが、助かるのも本音である。
 松浦はあれから、行方不明者全員の家族一同と連絡をとり、着手金200万円と生死を問わずの成果次第契約をもぎ取ってきた。
 あとはオ一クを討伐し、生存者を救出するのみである。
 ガ一ディアン出動である!
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