3 / 3
曰く君は泣いていた(3)
しおりを挟む
たぶん6月8日だったと思う。あの日は僕の好きな作家が新作の小説を出すということで、近くの書店に行った。何日か前に梅雨入りしていて、最近は放課後にどこかへ寄るといったことがなかったが、今日ばかりは仕方がなかった。
様々なコーナーのある書店。その中から僕は真っ直ぐに小説の置いてある方へと向かう。この時間、普段は二、三十くらいの数客がいるのだが、雨ということもあってか半数ほどしか見えなかった。
棚と棚の間を進む。何冊も並べられた左右の本は色とりどりで、タイトルも様々で、手触りが良くて、文字が並んでいた(当たり前のことだがそれが僕の好みだった)。
そこで僕の目当ての小説を君が読んでいた。もっとも、この時は同じ学年だなんて思いもしなかったけれど。
君は熱心に、それを読んでいた。目の動きは僕の何倍も早く、ページをめくる指の動きもまた、何倍も早い。
僕達の初めての出会いはこれで、何故か僕は運命だなんて思った。
様々なコーナーのある書店。その中から僕は真っ直ぐに小説の置いてある方へと向かう。この時間、普段は二、三十くらいの数客がいるのだが、雨ということもあってか半数ほどしか見えなかった。
棚と棚の間を進む。何冊も並べられた左右の本は色とりどりで、タイトルも様々で、手触りが良くて、文字が並んでいた(当たり前のことだがそれが僕の好みだった)。
そこで僕の目当ての小説を君が読んでいた。もっとも、この時は同じ学年だなんて思いもしなかったけれど。
君は熱心に、それを読んでいた。目の動きは僕の何倍も早く、ページをめくる指の動きもまた、何倍も早い。
僕達の初めての出会いはこれで、何故か僕は運命だなんて思った。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
えっとねーあれだね!
いいよ、いいんだ
とても素敵だしいいんだ
読みやすいしね
私こんな感じ(*´ー`*人*´ー`*)スキスキ♪