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試練
逆転狙い
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前半戦で一点先制点を取られたことで後半戦は少なくとも二点取らなければ悠たちは負けてしまう。その事を分かった上で、選手たちは戦いの場に足を踏み入れた。
蓮:おぉー顔つき変わったなーメラメラしてんのがこっちにまで伝わるわ
悠:......................
そして後半戦が始まり、悠は真っ先にゴール前に駆け込んだ。それに他の先輩たちも後輩たちも驚いた。いつもの行動じゃない悠に焦りも感じたが、自分たちがゴール前にボールを繋げることを悠が信じて動いたことなんだと全員が思った。
蓮:へぇ、信頼か............
蓮はふと、後ろを振り返った。誰とも、目が合わなかった。ボールを渡すためのアイコンタクトは付き物だが、それとは別に目から伝わる頑張ろうといったものが、なかった。それは実力思考の監督のもとでの環境下にあるからなのか、転校そして入部早々、エースになったことの嫌悪感が抱かれているからなのか。どちらにしても、ここに自分の居場所がないことに蓮は気づいた。
''蓮!前!!!''
蓮:...............っ!
蓮の前に悠たちのチームが駆け上がり、蓮は止めることができなかった。そして、ゴール前にいる悠のもとへとボールが渡った。蓮はただ、見ている事しかできず、そのまま悠が点を入れた。
亜美:やった!!!!一点入ったよーーー!
瑠奈:はぁ........よかった.........
亜美:これで同点、あと一点入れて時間が過ぎたら勝ちだよ!
瑠奈:...............うん
亜美:え、どしたの?
瑠奈:いや、前半戦と何か違うなって。ほら、あのエースの人のマークが全然なかったから
亜美:先制点決めて余裕かましてたんじゃない?そーなるとこっからの試合が怖いね。
瑠奈はそれだけじゃないような気がしたが、確かにここからが正念場だった。
''やったな、悠!''
悠:あぁ、でもまだ同点だ。あと一点、頼むぞ
''あったり前よ!またボール渡すから頼むな!''
蓮:.......................
そして蓮のチームからスタートし、真っ先に蓮が駆け上がった。その一人プレイに、驚いたのは悠たちだけで、同じ学校の選手たちはいつもの事のように感じていた。
''まただよ、俺たちも上がった方がいいのか?''
''いや、あいつが隣についてるから大丈夫だろ''
チーム内に卑劣が入っていることに悠も薄々気づいている中、蓮が悠の目の前まで駆け上がり、唯一隣にいたチームメイトがボールを持ってきた。
悠:随分独りよがりのプレイだな
蓮:俺は今までこういうサッカーしてきたんや。他の選手は駒同然。使ってなんぼやろ
悠:...........それ本気で言ってんのか?
蓮:冗談に聞こえたんか?
その会話に割って入るように仲間からボールを受け取った蓮は、悠と真っ向勝負を挑んだ。前半戦では適わなかった悠も、今は同等、いやそれ以上の力を発揮していた。それに蓮も苦戦していた。
蓮:へぇ.........ハーフタイムの間にあのマネージャーさんからやる気でももろうたん?随分と変わったなー
悠:...........仲間の力だ。俺一人でできない分、周りが助けてくれたから今こうして.........時間を稼いでるんだよ
蓮:はぁ?時間稼ぎ?
その瞬間、悠は隙ができたタイミングを狙い、爪先でボールに触れ、一気に自分のボールにした。
蓮:っ..................!
悠:いけるか!!!!
''おー!ベストタイミング!!!こっちだ!''
蓮は驚いた。先程悠が点を入れた時に交わしていた言葉でてっきり悠が点を入れるものだと思っていた。
ーーーーーーーーー
''やったな、悠!''
悠:あぁ、でもまだ同点だ。あと一点、頼むぞ
''あったり前よ!またボール渡すから頼むな!''
ーーーーーーーーー
蓮:お前がキーパーソンじゃないんか?
悠:俺も言ったはずだ、頼むってな。
そう言って悠はゴール前にいる仲間にロングパスを出し、蓮ともう一人以外上がってきていなかったため、DFなどに止められそうになったものの、他の仲間が全力でフォローし、再び悠たちのチームが点を入れることができた。それをまた、蓮は見ていることしかできず、二回戦が幕を閉じた。
蓮:おぉー顔つき変わったなーメラメラしてんのがこっちにまで伝わるわ
悠:......................
そして後半戦が始まり、悠は真っ先にゴール前に駆け込んだ。それに他の先輩たちも後輩たちも驚いた。いつもの行動じゃない悠に焦りも感じたが、自分たちがゴール前にボールを繋げることを悠が信じて動いたことなんだと全員が思った。
蓮:へぇ、信頼か............
蓮はふと、後ろを振り返った。誰とも、目が合わなかった。ボールを渡すためのアイコンタクトは付き物だが、それとは別に目から伝わる頑張ろうといったものが、なかった。それは実力思考の監督のもとでの環境下にあるからなのか、転校そして入部早々、エースになったことの嫌悪感が抱かれているからなのか。どちらにしても、ここに自分の居場所がないことに蓮は気づいた。
''蓮!前!!!''
蓮:...............っ!
蓮の前に悠たちのチームが駆け上がり、蓮は止めることができなかった。そして、ゴール前にいる悠のもとへとボールが渡った。蓮はただ、見ている事しかできず、そのまま悠が点を入れた。
亜美:やった!!!!一点入ったよーーー!
瑠奈:はぁ........よかった.........
亜美:これで同点、あと一点入れて時間が過ぎたら勝ちだよ!
瑠奈:...............うん
亜美:え、どしたの?
瑠奈:いや、前半戦と何か違うなって。ほら、あのエースの人のマークが全然なかったから
亜美:先制点決めて余裕かましてたんじゃない?そーなるとこっからの試合が怖いね。
瑠奈はそれだけじゃないような気がしたが、確かにここからが正念場だった。
''やったな、悠!''
悠:あぁ、でもまだ同点だ。あと一点、頼むぞ
''あったり前よ!またボール渡すから頼むな!''
蓮:.......................
そして蓮のチームからスタートし、真っ先に蓮が駆け上がった。その一人プレイに、驚いたのは悠たちだけで、同じ学校の選手たちはいつもの事のように感じていた。
''まただよ、俺たちも上がった方がいいのか?''
''いや、あいつが隣についてるから大丈夫だろ''
チーム内に卑劣が入っていることに悠も薄々気づいている中、蓮が悠の目の前まで駆け上がり、唯一隣にいたチームメイトがボールを持ってきた。
悠:随分独りよがりのプレイだな
蓮:俺は今までこういうサッカーしてきたんや。他の選手は駒同然。使ってなんぼやろ
悠:...........それ本気で言ってんのか?
蓮:冗談に聞こえたんか?
その会話に割って入るように仲間からボールを受け取った蓮は、悠と真っ向勝負を挑んだ。前半戦では適わなかった悠も、今は同等、いやそれ以上の力を発揮していた。それに蓮も苦戦していた。
蓮:へぇ.........ハーフタイムの間にあのマネージャーさんからやる気でももろうたん?随分と変わったなー
悠:...........仲間の力だ。俺一人でできない分、周りが助けてくれたから今こうして.........時間を稼いでるんだよ
蓮:はぁ?時間稼ぎ?
その瞬間、悠は隙ができたタイミングを狙い、爪先でボールに触れ、一気に自分のボールにした。
蓮:っ..................!
悠:いけるか!!!!
''おー!ベストタイミング!!!こっちだ!''
蓮は驚いた。先程悠が点を入れた時に交わしていた言葉でてっきり悠が点を入れるものだと思っていた。
ーーーーーーーーー
''やったな、悠!''
悠:あぁ、でもまだ同点だ。あと一点、頼むぞ
''あったり前よ!またボール渡すから頼むな!''
ーーーーーーーーー
蓮:お前がキーパーソンじゃないんか?
悠:俺も言ったはずだ、頼むってな。
そう言って悠はゴール前にいる仲間にロングパスを出し、蓮ともう一人以外上がってきていなかったため、DFなどに止められそうになったものの、他の仲間が全力でフォローし、再び悠たちのチームが点を入れることができた。それをまた、蓮は見ていることしかできず、二回戦が幕を閉じた。
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