2 / 9
序章
0-2 夢を見続ける少年
しおりを挟む
俺は夢を見ていた。チームと共にハンドボールというスポーツをすることを、思っている。
形だけじゃない、自分が持つ本物のハンドボールで皆と戦って行きたい。そう思っていた…。
東丘中学ハンドボール部は、男子21人、女子10人、顧問が2人の小さな学校のチームだ。
3年生が男子5人、女子4人、2年が男子7人、女子が2人、1年は男子9人、女子4人だ。
去年、夏に引退した先輩達(高校一年生)は、男子3人、女子2人で、ここまで人数が増えたのは嬉しかった。
去年の夏、男子のその先輩達は、引退のかかる夏の試合で、初戦敗退の結果を残し、中学校ハンドボールを終えた。
試合中の彼らは輝いていた。その時の今の3年生たちも、俺達も、皆が勝ち一心でプレーしていた。
今と比べ物にならないくらいの差があった。どうしてここまで変わったのかは、誰が知っているわけでもなかった。
その時から俺も努力をするように心がけた。試合後の、引退した先輩たちが抜けた練習は、最初は慣れなかったが、段々と慣れていった。
今でもそうだが、練習試合などで、なにかに挑戦使用としても、できないままで、失敗ばかりしてしまう。
練習して、何度も同じことを繰り返して体に覚えさせようとしても、なかなかうまくいかなかった。
スランプの時期に入ってしまい、心が折れかけた時に、忘れていたものを思い出させてくれたのは、引退した先輩で、エースナンバーを背負っていた人だった。
暇な時に顔を出しに来る人で、その日たまたま調子が良くて、なかなかのプレーをしたと自分でも思う。
部室に帰ろうとした時に、先輩が手を洗っていて、その時に声をかけてきた。
その時の先輩の話に、俺は嬉しく思った。
「やっぱ凄いな、お前。入部した時は、ただ球が早いやつだと思ってたけど、キーパーになってから成長のスピードが異常だったよな。…その力を、今の代の馬鹿達に使ってやってくれ。今後、お前はきっとチームを作り上げる。そんな気がするよ。」
その事を聞きた時に、忘れていたものを思い出した。
褒められること。
最初の方は、良いプレーが出来て、褒められることが多かった。
だけど、成長が早すぎて、自分の体が追いついていなかった。だから失敗ばかりしていたんだと思う。
良いプレーが出来なくなって、怒られることばかり、逃げてたんだろうな。って、その時にすっと出てきた。
気持ちが切り替わった瞬間だった。今でもあの人を尊敬し続けている。どれだけ弱いと言われていても、俺の中では強いと思っていた。
2年になり、俺は、先輩となった。慣れない環境に戸惑いながらも、精一杯を尽くして頑張っていた。
5月にある春の試合、地区の大会だが、その中には全国レベルの中学もいる。地区だからといって、舐めてかかるのは絶対にしないと決めていた。
1年を含めた練習の中、本気でやろうというチームメイトは、一人もいなかった。
あと一ヶ月程度である試合に俺は、チームを変えることに全力を注ぐつもりでいる…。
形だけじゃない、自分が持つ本物のハンドボールで皆と戦って行きたい。そう思っていた…。
東丘中学ハンドボール部は、男子21人、女子10人、顧問が2人の小さな学校のチームだ。
3年生が男子5人、女子4人、2年が男子7人、女子が2人、1年は男子9人、女子4人だ。
去年、夏に引退した先輩達(高校一年生)は、男子3人、女子2人で、ここまで人数が増えたのは嬉しかった。
去年の夏、男子のその先輩達は、引退のかかる夏の試合で、初戦敗退の結果を残し、中学校ハンドボールを終えた。
試合中の彼らは輝いていた。その時の今の3年生たちも、俺達も、皆が勝ち一心でプレーしていた。
今と比べ物にならないくらいの差があった。どうしてここまで変わったのかは、誰が知っているわけでもなかった。
その時から俺も努力をするように心がけた。試合後の、引退した先輩たちが抜けた練習は、最初は慣れなかったが、段々と慣れていった。
今でもそうだが、練習試合などで、なにかに挑戦使用としても、できないままで、失敗ばかりしてしまう。
練習して、何度も同じことを繰り返して体に覚えさせようとしても、なかなかうまくいかなかった。
スランプの時期に入ってしまい、心が折れかけた時に、忘れていたものを思い出させてくれたのは、引退した先輩で、エースナンバーを背負っていた人だった。
暇な時に顔を出しに来る人で、その日たまたま調子が良くて、なかなかのプレーをしたと自分でも思う。
部室に帰ろうとした時に、先輩が手を洗っていて、その時に声をかけてきた。
その時の先輩の話に、俺は嬉しく思った。
「やっぱ凄いな、お前。入部した時は、ただ球が早いやつだと思ってたけど、キーパーになってから成長のスピードが異常だったよな。…その力を、今の代の馬鹿達に使ってやってくれ。今後、お前はきっとチームを作り上げる。そんな気がするよ。」
その事を聞きた時に、忘れていたものを思い出した。
褒められること。
最初の方は、良いプレーが出来て、褒められることが多かった。
だけど、成長が早すぎて、自分の体が追いついていなかった。だから失敗ばかりしていたんだと思う。
良いプレーが出来なくなって、怒られることばかり、逃げてたんだろうな。って、その時にすっと出てきた。
気持ちが切り替わった瞬間だった。今でもあの人を尊敬し続けている。どれだけ弱いと言われていても、俺の中では強いと思っていた。
2年になり、俺は、先輩となった。慣れない環境に戸惑いながらも、精一杯を尽くして頑張っていた。
5月にある春の試合、地区の大会だが、その中には全国レベルの中学もいる。地区だからといって、舐めてかかるのは絶対にしないと決めていた。
1年を含めた練習の中、本気でやろうというチームメイトは、一人もいなかった。
あと一ヶ月程度である試合に俺は、チームを変えることに全力を注ぐつもりでいる…。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる