転生した私は人間不信の勇者と村を出る

スノウ

文字の大きさ
8 / 37
旅立つふたり

今日だったんですね



「アンセル!?」


 ちょっ………ここ、私の自室で間違いないよね!?──うん、見慣れた私の部屋で間違いない。

 それなら、どうして私の部屋の中にアンセルが入ってきているんでしょうか!?


「アンセル、どうしてここにいるの?」

「ユーニス。あまり時間がないから手短に話す。この村のやつらは北の洞窟に棲んでいるモンスターに君を差し出すつもりなんだ。ここにいると危ない。僕と一緒に逃げよう」

「………ああー………」


 そっか、今日が私の出荷日だったんだね。
 思わず、乾いた笑いが口から漏れる。

 アンセルの話からすると、どうやら一番当たってほしくないと思っていた、『村ぐるみで私をいけにえに差し出そうとしている』という予想が当たってしまったようだ。

 アンセルの様子から、彼自身はこの事についてこれまでまったく知らされていなかったことは間違いないだろう。

 もしかすると、私を北の洞窟のモンスターに差し出す話は村の大人達だけの秘密で、村の若者にまではこの話は伝わっていないのかもしれない。



 それはともかく、私は今すぐこの村から逃げなければならない。

 なぜ今日なのかはまったくわからないけれど、私だって大人しく殺されるのはごめんだ。

 窓の外はうっすらと明るくなり始めている。今は早朝の時間帯だろう。完全に日が昇ってしまう前にここを離れよう。


 それにしても、先程から何か焦げ臭い匂いがどこからともなく漂ってくる。こんな早朝に村人が焚き火でもしているのだろうか?


「わかった。今すぐここから逃げるよ。アンセル、この事を伝えにきてくれてありがとう。もう会うことはないと思うけれど、元気でね」

「何を言っているんだい、ユーニス。僕も一緒に村を出ていくに決まっているだろう。大丈夫、今なら村の奴らも僕達に構っている余裕はないはずだから」

「…………どういうこと?」

「村の家々に火を点けて回った。今頃は燃え広がって、火事になっているはずだ」

「な………!?」


 ──なんてことを。

 確かにストーリーの筋書き通りに進めば、この村は焼き払われる。

 しかし、それをするのは力を取り戻した後の魔王である。勇者が自分の村に放火するだなんて、どうしてそんなことをしてしまったの、アンセル。


「そんな…それでは村人達が焼け死んでしまう」


 私を殺そうとしていた人達ではあるが、この手で殺してやりたいとまでは思っていない。
 ただ、私が村を出た後は、二度とかかわり合いになりたくないと思っているだけだ。

 本音を言えば、彼らがどうなろうと自業自得だと思う気持ちもある。

 だが、アンセルの手を汚させてまで村人を罰したいわけではない。あの村人達には私やアンセルが犯罪者の汚名を被ってまで手を下す価値などない。


「そんな顔をして…まさかユーニスは村人達を心配しているのかい?相変わらず君は優しい子だ。でもね、あのクズ共に君の優しさを受け取る資格なんてないよ。……まあ、君が村人達を助けるなんてことを言い出さないように、村の警鐘は鳴らしておいたよ」


 警鐘とは、モンスターが攻めてきたり、今回のように火事が起きた時など、有事の際に鳴らすことが決められている鐘のことである。

 物見やぐらに似たものが村の中央付近に建てられていて、警鐘もそこに設置されている。これを鳴らせば村人達も緊急事態に気づくだろう。

 ……私は警鐘に気づかずに寝ていたんだよね。本当に大丈夫?

 そんなことを考えているうちに、カーン、カーンという警鐘の音がこの部屋まで響いてくる。村人の誰かが避難を呼び掛けるためにもう一度鐘を鳴らしているのだろう。村はずれのこの家にまで音がとどくということは、聞き逃す者はいないと思っていいだろう。



 うん、今はアンセルの言葉を信じよう。

 私はこの混乱に乗じて村を脱出することを最優先にしなければ。でも───


「アンセル、本当にあなたも一緒に村を出るの?ここにはあなたの両親が」

「あんなクソ共、僕の両親なんかじゃない。さあ行こう」

「う、うん……」


 彼に続いて部屋の窓から外へ出て、そのまま村の入り口ヘと走りながら考える。

 アンセルは両親からいったい何を聞いたというのだろう。「クソ」なんて言葉、彼の授業で『悪い言葉』として一度教わったのが最後である。(教育モードの彼は完璧主義者で、良くない言葉も「絶対に使ってはいけないよ」と前置きしつつも包み隠さず教えてくれた)


「あ…村が燃えている」


 村の入り口ヘと全速力で走りながら横目で見た村は、燃え盛る炎に包まれているように見えた。

 それはまるで、ゲームのオープニングで魔王に村を焼き払われるシーンと同じような光景に思えた。

 ゲームのあの場面と決定的に違うのは、村人達が村の中央広場に避難しており、何とか火を消そうと知恵を出しあっている様子がここからでも視認できることである。

 作中ではアンセル以外は全滅だった。
 生き延びた彼らの生活は厳しいものになるだろうが、ゲームの展開に比べれば、命が助かっただけマシと言えるのかもしれない。

 前世のゲーム知識がそのまま通用するならば、ここから西にはテラネという名の町があるはずだから、救援を要請するなり村を放棄して町に受け入れてもらうなり、やりようはいくらでもあると思う。


 村人達が中央広場に集まっているため、村の入り口に人の姿はなかった。
 私達は誰に見咎められることもなく村から脱出することができたのだった。






「ねえアンセル、これからどうするの?やっぱり、ここから一番近い町を目指す?」


 ゲームのストーリーでは、村を魔王に焼き払われたアンセルは、ここから西ヘ向かった先にあるテラネという町を目指す。

 テラネに向かう道中、アンセルが夜営をしていると、淡い光を纏った小さな生き物がふわふわ空中を漂いながらこちらへ近づいてくる。

 その生き物は精霊で、実は聖剣の化身でもある。聖剣の姿のままでは身動きがとれないため、光の精霊の姿を借りて聖剣を使うに相応しい人間を探すために世界を彷徨っているという設定だ。

 聖剣はこことは別の次元に存在しており、聖剣に選ばれた勇者だけが聖剣が眠る地ヘと続くゲートをくぐることを許されるのだ。

 作中のアンセルは見事精霊に選ばれ、聖剣が眠る地で剣を手に入れる。そこで初めて、彼は自分が勇者であることを自覚するのだ。


 辿り着いたテラネの町でアンセルは、国王が魔王討伐のために勇者を探しているという話を耳にする。

 自分が魔王討伐の力になれるならと、アンセルは王城のある王都を目指すのだった。



 ──とまぁ、ストーリーはこんな感じだった。

 どうでもいいが、私の記憶力凄すぎない?転生してから何年経っていると思ってるの?

 もしかして、これは転生特典とかいうやつなのだろうか。このゲーム知識を活かしてハードな人生を生き残れ、ってこと?

 …うん。素直にありがたいと思う。

 本音を言えば私をいけにえに差し出したりしない優しい両親から生まれたかったが、それではアンセルと出逢えなかっただろうし、どちらが良かったかははっきりと言い切れるものではない。

 私が頭の中でゲームのストーリーを思い出していると、アンセルは小さくかぶりを振って私の問いかけに答えた。


「いや、人間は信用できない。あいつらは皆腹の中が真っ黒だ。あいつらに関わったりしたら、ユーニスがまた危険な目に遭うかもしれない。今日のところは村から離れられるだけ離れて、適当なところで夜営しよう」

「ア、アンセル……」


 これは、村人達が自分の知らないところで私をいけにえに捧げようと目論んでいたことが、彼にとって相当なショックだったのだろう。

 一時的なものかもしれないが、ひどい人間不信に陥っているようだ。

 アンセルが村の者達から何を聞いたのか、一度きちんと彼自身の口から話してもらった方がいいかもしれない。


「アンセル、一度どこか落ち着ける場所を探しましょう。あなたが村の人達から何を聞いたのか、私はまだ詳しく話してもらってない」

「…ユーニスには辛い話になるからあまり言いたくないけれど…そうだね。君自身に関することなのにほとんど何も知らされないままでは納得できないよね」

「…………」


 私はそういった理由で訊いているのではない。だが今はそういうことにしておく。

 村人達が北の洞窟のモンスターに私を差し出そうとしていたことの他にも、そのモンスターの正体が魔王だということや、アンセルが未来の勇者だということまでゲーム知識で私は知っている。本当はこれ以上彼に話してもらわなくてもいいのだ。

 私は、アンセルが村人から聞いた話を私にすべて打ち明けることで、彼の心の負担が少しでも軽減されることを望んでいる。

 今のアンセルは人間すべてが敵に見えているかのようだ。彼は町に行きたくないようだが、物資を調達するためにも行かないという選択肢は選べない。

 町に着くまでにせめてアンセルの心の負担を軽くしておきたい。




 私達は相談したわけでもないのに2人揃って西へ向かって歩きだした。アンセルも内心では町を目指すしかないことをわかっているのだろう。

 西へ向かって歩きながら、アンセルは自分が村人から聞いた話をポツポツと話し出した。




 昨日私と別れた後、アンセルは真っ直ぐに自宅ヘと戻った。

 家には村長と、なぜか私の父親までがアンセルの両親を訪ねてきており、アンセルは気を利かせて茶を用意して彼らがいる部屋まで持っていこうとした。

 アンセルが扉をノックしようとしたちょうどその時、部屋の中の会話が扉の外まで聞こえてきたという。

 彼らの話はアンセルの耳を疑うようなものだった。

 私の父親である男(ロルコルという名前らしい)が言う。

『私の子を北の洞窟のモンスターに差し出す日が明日に決まった』

 今日ロルコルが北の洞窟へ行った時にモンスターから直接指示されたらしい。

 ロルコルはさらに続ける。

『明日はあの子が逃げようとすることがあるかもしれないので、薬で眠らせておこうと思う。眠り薬を用意してほしい』

 アンセルの両親のところへ来たのはその薬を用意してもらうためだったようだ。

 両親は二つ返事で了承し、薬を受け取ったロルコルは礼を言って帰っていった。

 残された3人はというと、ユーニスを北のモンスターに引き渡した後にもらえる報酬をどの割合で山分けするかについて熱く語り合っていた。

 今回の自分の働きは大きいからもっと分け前を寄越せだの、村長の自分が一番多くもらえるのが当たり前だの、終いにはロルコル達夫婦を亡きものにすれば取り分が増える、なんて言葉まで飛び出したという。

 彼らの会話によると、村人達は十何年も前からいつか私の身を北のモンスターに差し出すことを条件に、定期的に宝石などの高価な報酬を受け取っていたのだという。

 働かなくてもその報酬だけで生きていけるようになった者達は、その宝石などを売ったお金で思い思いに遊び暮らした。


「ユーニス。間接的にではあるけど、僕も両親達がモンスターから受け取ったという報酬の恩恵に与っていたんだ。僕はそれを知らずに今までのうのうと暮らしていた」
 最低だよね。アンセルはそう言って昏い顔で笑った。

 彼の両親は森で薬草を採取し、自分達で作った薬を売って暮らしていたが、何年も前から彼らも調薬をすることをしなくなり、遊び暮らしていたという。

 アンセルがあの山小屋に毎日のように通っていても何も言われなかったのは、家業を手伝う必要がなかったからである。

 他にも、私の授業で使う紙を湯水のように使用できたのも、その資金源はもちろんモンスターからの報酬を売って得たお金だった。


 アンセルのこの話を聞いて、もしかしたら彼が一番許せないと思っている相手は彼自身なのではないか、と思った。

 私を売り渡す約束のもとに得たお金で今まで自由に暮らせていたことを知り、アンセルは自己嫌悪に陥っているのかもしれない。


 人間すべてが醜いもののように映り、衝動的に村に火を放ったのだろうか。

 もちろん、彼の言葉通り私を助けるためでもあったのだろうけれど。


 私は自分の左手でアンセルの右手を握った。彼の視線を感じるが、私は進行方向を向いたままで口を開く。


「アンセル、私はあなたに出逢ってから今日まで、本当に幸せだったんだ。毎日山小屋であなたと会うことは、私の生きる支えだった。文字をたくさん紙に書いて練習したのも、私には必要なことだった。あなたは今、過去の自分を許せないと思っているのかもしれない。でも、少なくとも私にとってはその過去は必要なものだったんだ。だから」


 だから、どうか自分を責めないで


 その言葉の代わりにアンセルの手をぎゅっと握った。

 
「……僕が過去にとった行動は君のためになっていたんだね。そうか…ちゃんと意味はあったんだ」


 アンセルが肩を震わせて泣いているのが繋いだ手から伝わってきたが、私はあえて前を向いたまま歩き続けた。




 やがて彼の涙は収まり、繋いだままになっていた私の手がぎゅっと握り返された。




 

あなたにおすすめの小説

聖女の孫だけど冒険者になるよ!

春野こもも
ファンタジー
森の奥で元聖女の祖母と暮らすセシルは幼い頃から剣と魔法を教え込まれる。それに加えて彼女は精霊の力を使いこなすことができた。 12才にった彼女は生き別れた祖父を探すために旅立つ。そして冒険者となりその能力を生かしてギルドの依頼を難なくこなしていく。 ある依頼でセシルの前に現れた黒髪の青年は非常に高い戦闘力を持っていた。なんと彼は勇者とともに召喚された異世界人だった。そして2人はチームを組むことになる。 基本冒険ファンタジーですが終盤恋愛要素が入ってきます。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。

imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。 今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。 あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。 「—っ⁉︎」 私の体は、眩い光に包まれた。 次に目覚めた時、そこは、 「どこ…、ここ……。」 何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。

悪役令嬢エリザベート物語

kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ 公爵令嬢である。 前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。 ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。 父はアフレイド・ノイズ公爵。 ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。 魔法騎士団の総団長でもある。 母はマーガレット。 隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。 兄の名前はリアム。  前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。 そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。 王太子と婚約なんてするものか。 国外追放になどなるものか。 乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。 私は人生をあきらめない。 エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。 ⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

悪役女王アウラの休日 ~処刑した女王が名君だったかもなんて、もう遅い~

オレンジ方解石
ファンタジー
 恋人に裏切られ、嘘の噂を立てられ、契約も打ち切られた二十七歳の派遣社員、雨井桜子。  世界に絶望した彼女は、むかし読んだ少女漫画『聖なる乙女の祈りの伝説』の悪役女王アウラと魂が入れ替わる。  アウラは二年後に処刑されるキャラ。  桜子は処刑を回避して、今度こそ幸せになろうと奮闘するが、その時は迫りーーーー