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聖女と魔王、その真実
【最終話】ずっと一緒に
「何ていうか、広いだけのお城だね」
「内装がまったくの手付かずって感じだな」
「この城が魔王の力で生み出されたものなら、そこまで手を入れるだけの力がまだないのかもしれないな」
私達は最上階を目指してひたすら歩き続けているのだが、魔王城の中はがらんとしていて何もない。
城の外観が荘厳で立派だっただけに、私達は肩透かしを食らった気分だ。
モンスターも申し訳程度にしか出現しないし、新しい魔王は何を考えているのだろうか。
アンセルの言うとおり、そこまでの力がまだ無いのだろうか。
生まれてから一年も経っていないことを考えると、その可能性は高い。
他の可能性としては、ここが仮の住み処である可能性が考えられる。
ゲームでは力を取り戻した魔王は空中に浮かぶ城を生み出し、そこを拠点としていた。
新しい魔王もいずれはそうするつもりでいて、この城はそれまでの仮住まいという可能性もある。
魔王には悪いが、空中に浮かぶ城を作る夢は諦めてほしい。あなたは今日私達に討伐されるのだから。
それからも、ただただ長いだけの通路をひたすら歩かされ、いい加減うんざりした頃、やっと最上階と思われる場所に辿り着いた。
天井まで続く巨大な扉を前にして、私達はこの先に魔王がいることを確信する。
「開けるぞ。準備はいいな?」
「いつでもいいぜ!」
「私も」
私とデリックの返事を確認すると、アンセルはゆっくりと扉を開いた。
ギイィィ……
扉の先にはレッドカーペットが敷かれ、その奥の玉座には魔王が座っている。
「あ……!」
魔王を見た瞬間、私の頭に魔法の情報が入ってくる。
これは、《魔封陣》の情報だ。
魔王を目視することが、《魔封陣》を習得するためのトリガーになっていたらしい。
《魔封陣》の効果は以前に賢者様から教えてもらったものとほぼ変わらない。
この魔法を受けた者は力を封じられ、陣を展開している間弱体化するというもの。
意外だったのは、この魔法が魔王以外を対象にしても使えるということだ。
対魔王専用技ってわけではなかったんだね。
命をかけてこの技を使うと効果が永続するはずだが、私に流れ込んできた知識にはその情報は含まれていなかった。
300年前の聖女が特別だったのか、あの使い方が禁術扱いなのかはわからないが、私はここで命を落とすつもりはない。
「ユーニス、どうした?」
「……アンセル、たった今、《魔封陣》を習得したみたいなんだけど、使う?」
「!!……そうか。使わずに済むかもしれないから、少し様子を見よう」
「わかった」
賢者様の仮説では、《魔封陣》を使って魔王を倒すより、《魔封陣》無しで戦った方が次代の魔王の誕生を遅らせることができるはずだ。
魔王に全力を出させ、すべての力を使わせたあとに倒せればベストだが、魔王と戦ってから判断することになりそうだ。
『我の居城に何用だ。矮小な人間共よ。我は』
「あ、そーゆーのはいいから。さっさと戦おうぜ」
『何!?』
デリックが魔王の口上をキャンセルした。
これが、魔王を挑発し、どんどん力を使わせるための作戦であれば見事と言うしかないが、デリックのこれは何も考えずに素で言ってると思う。
案の定魔王は激昂し、デリック目掛けて攻撃を仕掛けてきた。
『貴様……身の程を知るがいい。【ダークランス】!』
「うおっ!!」
何十本もの槍がデリック目掛けて降り注ぐ。
あらゆる方向から放たれているため、デリックは逃げ場を絶たれて攻撃をまともに受けてしまった。
「ぐぅ……っ」
「デリック!!」
「デリック、大丈夫!?」
やがて攻撃が終わり、槍だったものがおぼろげになってかき消える。
逃げきれず受け身を取っていたデリックは、防御体勢を解いて立ち上がる。
『なっ、死んでないだと!?』
「──うん。これなら受けきれるな。アンセル、俺達なら真っ向勝負でも問題なくやれるぞ」
「そうか」
「デリック、怪我は?」
「ああ、平気平気。見た目は派手だったが、あの攻撃は大したことなかったぞ」
「そ、そうなの!?」
「そうそう。そりゃあ、前の魔王よりは断然強いけどさ、産まれたばかりの魔王なんてこんなもんだろ」
「……」
『き、貴様……言うに事欠いて我の攻撃が大したことない、だと!?許さん!』
もう魔王はデリックの姿しか目に入っていない。私とアンセルのことは完全無視だ。
感情に任せ、デリック目掛けて集中攻撃を浴びせかけている。
デリックは生まれたばかりの魔王だから弱いのだと言うが、これはおそらく私達が強くなりすぎたんじゃないかな。
ゲームの魔王戦は、推奨レベルが60だったと記憶している。
それ以下のレベルだと厳しい戦いになるが、60まで上げるとほぼほぼ倒せる。
今の私達はレベル60をはるかに越えてしまっているため、もはやイージーモードと言っていい力量差になっているのだろう。
新しい魔王が生まれた時点で私達のレベルが既に高かったのだから仕方がないね。
「……デリック、回復しようか?」
「うーん。まだいけそう」
『っ、貴様ぁあああ!!』
次から次へとデリックに攻撃を浴びせかけ、魔王はこの短時間にかなりの力を消耗したように思う。そろそろいいかな。
「アンセル、そろそろいいんじゃない?」
「……せっかくだから、もう少し力を使わせてからにしようか」
「いいけど、そろそろデリックが」
「俺ならまだやれるぜ」
「……一応回復魔法だけは掛けさせて」
「おう、サンキューな!!」
『クソッ!クソッ!』
デリックが回復してからは、負ける要素が皆無と言っていい状況になってしまった。
半ばヤケクソになった魔王が魔法を乱発するものの、デリックには大したダメージを与えられない。
賢者様……あんな条件を達成してまで私とアンセルに魔王討伐を依頼していたけれど、実際に戦ってみれば、一番活躍したのはデリックだったよ…。
力が底をつきかけた魔王はようやく冷静になり、攻撃対象を回復役である私に変更した。
これが魔王の最期を決定づけることになった。
私を攻撃しようとしたことがアンセルの逆鱗に触れ、アンセルは魔王に向かって聖剣を振り下ろす。
「【ダークネスブラスト】!!」
『……バカめ。魔王の我に闇属性は──ギャァァァアアア』
「……誰が闇属性だと言った。これは光属性の技だ」
「「え!?」」
『なん……だと……』
魔王と一緒に私とデリックまで驚きの声を上げる。
あの技、闇属性じゃなかったんだ……。
いや、聖剣専用技なんだから考えればわかることではあるのだが、見た目は完全に闇属性の技にしか見えないし、技の名称も名前詐欺と言われても文句は言えないと思う。
『ぐ……無念……』
魔王は跡形もなく消えていった。
最期の表情は納得いかないような顔をしていたが、もともと力量差がありすぎたので、魔王が勝てる見込みはなかったのだ。
「終わったな」
「2人ともお疲れ様」
「ユーニスも回復サンキュー」
今回の魔王はほとんどの力を使い果たしてから討伐された。
賢者の仮説通りなら、これで当分の間は魔王が誕生することはないだろう。
「ヨシ!帰るか」
「ええ」
「そうだな」
私達が来た道を引き返そうとしたその時、魔王城が地震でも起きたかのように激しく揺れはじめた。
───まさか。
「2人とも、魔王城が崩れるかも!」
「何だって!?」
「……そうか、魔王が死んだから」
そう。この城は魔王の力で生み出されていたため、魔王がいなくなると形を保っていられずに崩れ落ちるのだ。
ゲームでも魔王を討伐すると空中に浮かぶ魔王城が跡形もなく崩れ落ちる演出があったはず。
ゲームでは賢者の転移魔法で脱出していたが、今私達の近くに賢者様はいない。
「お、おい。どうするよ」
「逃げたくても揺れがひどすぎて」
「くっ……」
ゲームとは違い、ここは地上だ。運が良ければ生き延びられるかもしれない。でも……
どうすることもできずに揺れに耐えていると、視界の端に賢者様の姿が映った。
「賢者様!?」
「賢者、お前……」
「爺さん、外で待ってたんじゃ……」
「話は後じゃ。わしに近寄れ!!」
私達がなんとか賢者様の指示通りにすると、彼は転移魔法で城を脱出した。
転移先はミズガニア大陸の広場だった。
「はーー。死ぬかと思った」
「僕も」
「賢者様。助けに来てくださりありがとうございます」
私達は助かったことを喜び、賢者様にお礼を言った。
「でもよ、爺さんはどうしてあそこにいたんだ?城が崩れはじめてから助けに入ったんじゃ間に合わねぇはずだろ」
「そういえば」
デリックの指摘に私も思わず頷く。
「魔王が倒された後に魔王城が崩れ落ちることは、歴代の賢者の記憶で知っておったのじゃ。しかし、着いて来るなと言われた以上、堂々と後ろを歩くわけにもいかんかった」
「それで、仕方なくこっそりあとをつけていたわけか」
「……アンセル殿は気づいておったのか?」
「ああ。確信はなかったが」
「まあおかげで俺達が助かったわけだしな。爺さん、ひどいこと言って悪かったな」
「私もです。すみませんでした」
「……すまなかった」
私達は3人揃って賢者様に頭を下げる。
賢者様は笑って水に流してくれた。
ああ、人を判断するのって難しいな。
単に悪人か善人かだけではなく、人は様々な思惑によって動いているため、表面を見ただけでは判断できない場合も多々あるようだ。
私が賢者様くらいの年齢になるまで歳を重ねれば、相手の内面を正しく判断できるようになるのだろうか。
……先は長いなぁ……。
しばらく会話のやりとりがあった後、賢者様は転移魔法で帰っていった。
賢者様には新王がよからぬ動きをしないか目を光らせておいてもらわなければならないので、長時間引き留めることはできないのだ。
聖剣は再度封印され、私はロンちゃんとの再会を喜んだ。
魔王が倒されたことはミズガニア大陸に避難していた人達にも知らされた。
ヌーア様は帰還希望者にはもとの待遇を約束すると言ったが、意外にもあの大陸に戻りたいと言い出す者は少なかった。
戻りたいと希望した者の多くは家族や知人が心配だからという理由からだった。
大半の避難民たちはミズガニア大陸で生きていくことを選び、前向きに人生を歩みだした。
エルフとの揉め事も今のところは起きていない。
デリックのお父さんはミズガニア大陸に残ることを選んだ。
せっかく開店した店を早々に畳みたくなかったというのもあるだろうが、一人息子であるデリックにいつでも会えるからというのも大きな理由だと思う。正直には絶対言わないだろうけれど。
それからひと月が経ったが、新王が私達に何かしてくる気配はない。
新王がまともな人物というよりは、賢者様が目を光らせてくれているおかげなのだと思う。
賢者様のおかげで私達は平穏な毎日を送ることができている。
今度会う時には何かお返しを考えないとね。
「デリック様!とてもお似合いですよ」
「そ、そうか?へへ」
「ほら、シャキッとせんか!」
「親父…結婚式の時くらい怒らないでくれよ」
「だらしない顔をしているお前が悪い」
「そんなぁ……」
「ふふ」
今日はデリックの結婚式の日。
あれからエルフの女性が勇気を出してデリックに告白し、2人は恋人同士になった。
それからも焦れったい関係が続いていたが、最近になってようやく結婚にまで話が進んだ。
告白したのはエルフの女性からだが、プロポーズはデリックがしたらしい。
デリックは黙っていたが、お相手の女性がこっそりと教えてくれた。
流石デリック。やるときはやる男である。
結婚式はつつがなく執り行われ、デリックのお父さんは感動のあまり大泣きしていた。
私もこれまでのいろいろな記憶が呼び起こされ、ちょっと涙ぐんでしまった。
2人とも、末長くお幸せに!!
デリックが結婚したことで、私達はようやくそれぞれ新しい家に移り住むことになった。
私達の家とデリック夫妻の家はご近所なので、いつでも会いに行ける。
いつか冒険者を引退することになっても疎遠になることはないだろう。
デリックが育てている若手のエルフ達がそろそろ一人前になりそうなので、私達が引退する日もそう遠くないかもしれない。
こうして私達はミズガニア大陸で平穏な生活を手に入れた。
私は時々監禁されていた幼い頃を思い出し、今の幸せが夢ではないかと思うことがある。
そんな時はアンセルが気づいてすぐに抱き締めてくれる。
私は本当に幸せ者だ。
私がアンセルから受け取っているものと同じものをアンセルにも返せているだろうか。
もし返せていなかったとしても、私は一生をかけて彼を幸せにするつもりだ。
だからアンセル、ずっと一緒にいようね。
─────────────
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
お気に入り登録やいいねをくださった方、ありがとうございます。
おかげさまでこの作品を完結させることができました。
これからも新しいお話を投稿するつもりですので、よろしければまた読んでくださると嬉しいです。
それではまた、別の作品で!
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