強引社長とΩくん。

強引社長とΩくん。

帰還

朝になるともう既に成宮さんはいなかった。
そばの机には会議があるから先に出たという連絡の置き手紙とこの家の鍵、そしてメールアドレスが書かれた名刺があった。

急いでスマホを取り出しメールアドレスを登録する。
これでいつでも成宮さんに連絡できる。
少し浮かれながら構えられていた朝食を食べた。

するとスマホに電話がかかってきた。
見てみると片倉さんからだった。
そういえばじいちゃんはどうなったか聞いていなかった。急いで電話に出る。

『もしもし？奏叶さんですか？今日でヒートは終わりと聞きましたので下に迎えに来ております。準備が出来たら降りてきてください。』

「はい。ありがとうございます。」

それだけ言うと元々特に荷物もなかった俺はスマホと上着だけ取ると、成宮さん宛に書き置きを残して急いで部屋を出た。

「奏叶さん。お帰りなさいませ。旦那様がお待ちですので帰りましょう。」

そうして俺は1週間過ごした、成宮さんの家を後にした。