TAIL BERSERKER

滝永ひろ

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ⅩⅤ 友だち

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「ふしゅるるる...」

シュウは仮面の男に向かってエンの尾を広げて向かって行く。

「そこだっ!」

鈍い音、突進の成功を告げていた。

「ふしゅるるるる...るる?」

仮面の男は困惑している。何があったのか理解できていないようだ。

「ふしゅるるる、るるるるるる」

仮面の男が走り出した。シュウの周りをぐるぐる回っている。幻覚ではないが、人間のスピードではない。尾の作用だろう。

「これじゃ...追いつけない。せっかくアクト君がくれた眼鏡なのに、行かせていない!」

(慌てちゃだめだ...冷静になってまずは考えないと。今どこにいるか目で追うのはできてる。じゃあ移動先を予測して攻撃できるんじゃないか?)

シュウはエンの尾を再度広げた。

「いまだ!」

シュウは仮面の男が走る軌道上に尾を差し込んだ。ボグッと鈍い音を立てて仮面の男がよろめく。そこにシュウの尾を飛ばす。

「くっ...刺せば、捕まえられる。でも、これはエンの体...」

仮面の男が仮面越しにシュウを睨んだ。そして、俊足でシュウから遠ざかる。尾の靄が尾を引いていた。

「待てっ」

仮面の男が逃げて行ったのは、入口の方だった。

「あっちに行ったら...アクトさんが...」

エンが撃たれてしまう。シュウの頭にはそれがよぎった。

(僕が先にとらえれば...でもアクトさんだって生け捕りっていう命令は聞いてるはずだから...でも...)

「待てええええ!」

シュウは仮面の男のもとへ走った。仮面の男はすでに幻覚など使っていない。

「でも...身体能力が...」

しかし、シュウにも尾は生えている。しかも、2本。

「ぬあああああ!」

シュウは限界を超えて走った。自分の手で捕まえてやるために。

「あと少し...」

シュウの手が仮面の男の背中をかすった。
「くっ...」

「タイプⅠ、コード05」

その時、前方から銃声がした。仮面の男が倒れた向こう、アクトが銃を構えていた。仮面の男は動かない。

「アクトさん...?生け捕りって...」

アクトは、銃を背中のバッグにしまって言う。

「安心しろ、麻酔だ。正確には違うが、針サイズの銃弾を発射できる銃にCiSUを変形させる。敵が幻覚解いてたのが助かったな。ツボに撃って麻酔かける方法、練習しといてよかったぜ」

「...ははは、よかった」

「それに、仮にも人が親友だって言ってる奴を殺したりしねーよ」

アクトは後ろを振り向いて、仮面の男をか
つ...かつg...

「担げねえ!!重い!おいシュウ!」

「はい」

「これもて。お前尾の身体強化2倍あるから持てるだろ」

「わかりました」

シュウは、仮面の男を担いだ。ずっしりと重く、ぐったりしている。

「アクトさん」

二人で歩き出しながら、シュウがアクトに話しかける。

「どうした...てかその敬語やめろ。俺も年齢は18だ。タメで敬語なんか使ってんなよ」

「じゃあえっと...」

「呼び捨てでいいよ」

「アクト...」

「なんだ?」

「エンが息してない...本当に生きてるの?」

「俺の射撃に間違いはない。尾に生かされてるってことじゃねえの?」

「そんな...」

「でもそいつはしゃべったんだろ?まだ意思はある。尾を抜かない限りまだ親友のままだろ」

「そうかな...」

「親友は大事にしな。俺は...あの時...」

「聞かないほうがいい?」

「ああ、まあ、話せるときまでな」

「ところで、迎え呼ばなくていいの?」

「あ、赤城さん呼べば来るんじゃん」

そういうとアクトは電話をかけだした。

「ああ、もしもし赤城さん?終わりましたよ。いや殺してませんって。麻酔です。早く迎えに来てください。研究所まで運ぶんですよ。あんまり命に別状なく調査するように研究所に行っといてください。はい。はい。お願いしましたよ」

「ありがとう」

「ああ、何分銃が重いんで歩くのは嫌なんだよ。鍛えても重いもんは重いんだな」

「じゃ、ここで待ってましょうか」

「そうだな」
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