THREE PARTS 3/2

滝永ひろ

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THREEPARTS 3/2

1話

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とある7月の昼下がり。

「おーい、お前ら。路地でヤンキーが三人たむろしてるって苦情来てんだよ。平日の昼間っから何やってんだ補導すんぞ」

そういう女は警察の制服を着たおまわりだ。

「創立記念日で高校休みなんだよ!」

そう返したのはたむろする三人組のうちの一人、穂高悠生ほだかはるきだ。

「チッ...ったくまぎらわしーんだよ」

「マミちゃーん、乱暴な言葉遣いやめなって。だあから男に逃げられるんだよ」

「はるきぃ~、セクハラと名誉棄損で訴訟すんぞ~?」

「警察が脅しかぁ?」

「ぁあ?私とお前らの仲だろ?」

「パワハラか~?」

そこ銀髪染プリン頭の志原丹波志原丹波しはらたんばが割って入る。

「やめとけ悠生」

悠生がむっとして黙る。

「そうだぞ」

外村鋼とむらこうもけだるげに割り込む。

「吉田真美が持てないのは男が自信なくすレベルでゴリラだからだ」

「お前も名誉棄損か?」

額に血管を浮かべながら真美がにらみ、手元のサイコロを見て言う。

「つーかおまえらそんな年で賭けか?不良なのは今だけだが賭博厨は一生だぞ?」

鋼が返す。

「すごろく。マミちゃんもやる?」

「あいにく勤務中でね」

「そういうとこは真面目」

「...あれか。お前らその流れだと加えてる煙草も...」

「シガレットチョコ」

悠生が答える。

「あ゛~...お前ら誤解招く真似やめろよ...」

「まあだって...」

「なあ」

三人が顔を見合わせる。

「フツーに外歩いてたら他校のやつに喧嘩吹っ掛けられるから」

代表するように悠生が言う。

「特殊能力社会の現代、ちょっとした戦闘も大問題...」

「お前はただ戦うのが面倒なだけだな」

鋼が真美に図星をつかれる。

「とりあえずここでんなことしてんのもなんだから、交番来い。奥に座敷あるからそこでやりな」

「俺ら何も悪いことしてないんだけど」

と丹波、

「いいの!?」

と悠生。

鋼は

「移動すんのダルい」

と愚痴る。

「私が運ぶから、行くぞ。今私しかいないから留守も頼んだ」

「そんなんでいいのか...」

てくてく。

「じゃあここいろ。私はもうちょいまわってくるから」

「「「へーい」」」

真美が交番を後にした。

そしてしばらくしたとき、

「おーいお前ら、補導されてんじゃねーかぁ!」

チンピラが入ってきた。

「めんどくせっ」

「うぐっ」

チンピラがその場で動けなくなる。

「おい悠生、能力解けよ。効果範囲から近づけないんだけど」

悠生の能力。

対象と自身の距離を操作する能力。効果範囲は1.5m。

「丹波」

「あいよ」

チンピラは交番の外に吹っ飛んだ。

対象に衝撃を与える能力。こちらも1.5m。

「鋼」

「へーい」

交番にバリアが張られた。

これが鋼の能力。

三人とも、本来の使い方ではない気がするのだが...

「おい!いれろよ!」

壁越しのこもった声で、バリアをどんどんたたきながらチンピラがいう。

「あっ!丹波てめー衝撃でサイコロ6にしたろ!」

「しょーこはあんのかぁ?ばれなきゃイカサマじゃねーんだよ!」

「ばれてんだよ!」

「あ。六出た」

ナチュラル幸運鋼。

コンコン、とバリアがノックされた。

「ノックは3回だよマミちゃん」

交番の入り口のほうに伸びたチンピラを担いだ真美が立っていた。

「開けねーなら普通に入るぞ」

真美が足を高く振り上げた。

「フン!!」

真美がバリアに思いっきりかかと落としを決めると、バリアにひびが入り、砕け散った。

「よっと...」

空いた穴からくぐりこみ、チンピラを座敷に寝かせる。

「...ゴリラ」

鋼が不機嫌そうに言う。

「うっせ」

銃弾も止める鋼のバリアをも破る筋力。

これが真美の能力。

「お前らヤンキーならヤンキーらしくちっとは喧嘩してこいよ~」

「腐っても警察が言っていいことかよ~」

珍しく悠生が正しいことを言う。

「誰が腐ったミカンや」

「誰が金八や」

というわけで交番を追い出された。

「また路地戻るか~...」

学習しない。

そんなこんなでまた路地にすごろくを広げてさいころを振った。

「俺あ~がりっ!」

「あ、1出た」

アンラッキー鋼。

「持ってないねえ」

知らない男の声がし、のぞき込むすごろくに影がかかる。

見上げると、2mほどに背が高く、そしてそれを感じさせないほどに横にもでかい(筋肉のせいである。デブとかではない。デブとかではない)男がいた。

「あんだぁ?デブ!」

※デブではない。

「デブじゃねえっ!」

男が殴り掛かる。

しかしそれは鋼のバリアにはじかれる。

「俺らはすごろくするから、悠生よろしく」

男は丹波の能力で吹っ飛ばされ、並べてあるゴミ箱に激突してごみ箱を倒してしまう。

「っ...お前ら能力もちか...」

「逃げんのかデブ」

「...切れたぞ」

ちなみにデブではないのだが、男が悠生に向かって突進してくる。

この巨体で激突されればダメージは必至だ。

しかし悠生が手をかざすと、その1.5m手前で止まってしまう。

「ほらほら~、遠慮しなさんなって~」

1.5m先で大男がじたばたしている。

「はい」

突然かざした手もとに男が瞬間移動する。

「おつかれ」

男のみぞおちに鉄拳がさく裂した。

しかしそこはガチムチ大男、まだ平気である。

もちろんそんなことわかっている悠生は、そこにあった鉄パイプを持って思いっきり横振りで男にっ!

すかっ。

「あ」

気まずい空気が流れる。

「ッスーーーーーーーーーーーーーーーー...」

男すら時間が止まったように動かない。

「野球苦手なの忘れてた...まぢむり...丹波お願い...」

「はいはい」

鋼より先に上がった丹波がやってきて鉄パイプを受け取る。

手首をぐりんぐりんと回し、鉄パイプを振り回す。

「くそっ」

男が突撃してくる。

「いいか悠生ぃ。野球ってのは...」

野球の打者のように構える。

「腰を入れて...球が来たら思いっきりこう!」

突進してきた男をさよならホームラン。

「あ、上がった」

くりあ。
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