銀の王子は金の王子の隣で輝く

明樹

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 眠る振りをしていたつもりが本当に眠っていたようだ。再び目覚めた時には部屋に明かりが灯り外は暗くなっていた。
 僕はゆっくりと身体を起こす。さっきの薬のおかげか、傷の痛みがマシになっている。

「あつい…喉かわいた…」

 身体が火照っているのか暑い。髪に覆われた項が汗ばんでいる。僕は銀髪を肩から前に流して部屋の中を見回した。部屋の真ん中にある机の上にガラスの瓶があった。傍にガラスのコップもある。

「水…?」

 のろのろとベッドから足を降ろした瞬間、力が入らなくて座り込んでしまう。

「は…ははっ…情けないな…。こんなになって…まだ生きてるなんて…」

 僕はベッドに掴まって何とか立ち上がった。そして震える足を前に出して机まで歩く。時間をかけてたどり着き、コッブに水を注いでゆっくりと飲む。当然毒は入ってなくて渇いた喉を潤した。

「はあっ…おいし…」

 息を吐いて大きな窓に向かう。暗くて外がよく見えないがここは二階のようだ。
 僕は窓に映る自分の姿を見て、ワンピースのような寝衣の裾を持ち上げた。

「僕の服…剣…は」

 もう一度部屋を見回すと、ベッド脇の棚の上に革の鞄と剣が並べて置いてある。でも服がない。この動きにくい寝衣じゃ外に出られない。
 今度は豪華な装飾の背の高い棚の扉を開ける。中にはレースのついたシャツが数枚と黒や灰色、白や緑のズボンが並んでいる。

「これ…リアムの…?」

 でもリアムの服にしては小さいような…。もしかして僕の服?まさか…と自分で考えたことに鼻で笑って扉を閉めた。
 しばらく部屋の中をうろついていたけど誰も来ない。まだ身体が思うように動かないから寝ていた方がいいのだろうが、もう寝るのにも飽きた。
 僕は部屋の入口に向かい重厚な扉の取っ手を押してみる。鍵がかかっているのかと思ったが、扉は静かに向こう側へと開いた。
 外に出てみると薄暗い廊下が左右に続いている。この部屋はちょうど真ん中辺りに位置するらしい。僕は少し考えて、右の廊下を進んだ。壁伝いに手を添えて歩く。裸足のために石で出来た廊下を歩いても音がしない。だけど足の裏が冷たくて僕は少しだけ震えた。
 長い廊下が終わり角を曲がる。曲がった少し先に階段が見える。僕は壁から手を離して階段へと行き降りようと片足を上げた所で目が回ってよろけた。次に来る衝撃を想像して強く唇を噛む。しかし衝撃は来なくて僕の身体は力強い腕に支えられていた。

「何をしている…」
 
 低く冷たい声にゆっくりと振り返ると、リアムが怖い顔で僕を睨んでいた。

 
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