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騎士は僕とトラビスにぶつかる勢いで止まると、片膝をついて肩を上下させながらこちらを見上げた。
トラビスが僕の前に出る。
「どうした?緊急の用事か?」
「はいっ…すぐに会議の間へお越しください!大宰相がお待ちですっ」
「大宰相が?」と呟いて僕は首を傾げる。
大宰相は僕がフェリの代わりとして王になることをすすめはしたが、本心では僕のことを認めてはいないらしい。僕が意見を述べても素直に首を縦にふらないのだ。
僕には国を治める知識が圧倒的に足りない。だからどうしても大宰相や大臣達の協力が必要なのだけど、彼らは非協力的だ。僕が意見をすることもよく思っていないようだ。
だからといって、身代わりの僕だけどお飾りの王になるつもりはない。
「フィ…フェリ様?どうしますか?」
「…行く。僕は何が起こってるのかを知らないといけない」
「もちろんです。では参りましょう。おまえは下がっていいぞ」
「はいっ」
行き先を会議の間に変える。
歩きながら僕の斜め後ろをついてくるトラビスにチラリと目を向ける。
トラビスも昔は僕のことをよくは思っていなかった。でも僕が姉上の身代わりをしていたと知った今は、僕の力になってくれる。たびたび父親である大宰相に、苦言を呈してくれているみたいだし。
僕の視線に気づいたトラビスが「なにか?」と微笑む。
「別に…」
僕は眉をしかめて前を向いた。
最近は僕に対してすこぶる愛想がいいけど、トラビスの笑顔は胡散くさく見える。昔は会うたびにあんなに僕を睨んでいたのに。昔から変わらず接してくれるのはラズールだけだ。
早く会議を終えてラズールの様子を見に行こうと僕は足を早めた。
会議の間には、すでに大宰相と三人の大臣達が集まっていた。
大宰相が僕に挨拶をして、後ろにいるトラビスに気づく。
「なんだ、王と一緒にいたのか。今おまえの所にも人を行かせたのに」
「それはどうも。他には誰が来るんだ」
「副将軍のレナードだ」
「そんなにも重大なことなのか」
「そうだ」
大宰相と会話をしながら、トラビスが僕を椅子に座らせる。
僕と机の角を挟んだ窓側に大宰相と大臣達が順番に座り、大宰相の向かいの扉側にトラビスが腰を下ろした。
すぐにレナードも来て、僕の前で頭を下げる。
「王もおいででしたか。村より帰ってきて以来ですね。つつがなくお過ごしですか?」
「僕…私は元気だよ。あの時は世話をかけたね」
「あなたが王だと気づけなくて不覚でした。ラズール様は気づいてましたのに」
「あいつの嗅覚は特別だからな」
トラビスがふんと鼻で笑ってレナードに座れと命じる。
レナードが大宰相と大臣達にも挨拶をして、トラビスの隣に座った。
因みにレナードとは、視察に向かった時のラズールの隊の副隊長だ。ラズールは特に役職はないけど、昔から僕の側近をしているために、若い騎士などは敬意を払っている。レナードもそうだ。将軍であるトラビスは、ラズールのことをライバルのように思ってるみたいだけど。
そんなことをぼんやりと思っていると、いつも冷静な大宰相が、いきなり僕の方に身を乗り出した。
「王よ、ここ何十年の間で、我が国最大の危機が起こりました」
「どういうこと?」
「先ほど国境警備の者が早馬で来たのです。ひどく慌てた様子でした。その者の報告によれば、隣国のバイロン国が、我が国に攻め入ってきたと」
「はっ?どういうことだ!」
トラビスが激しい音を立てて立ち上がる。
僕は驚きのあまり、すぐに言葉が出なかった。
トラビスが僕の前に出る。
「どうした?緊急の用事か?」
「はいっ…すぐに会議の間へお越しください!大宰相がお待ちですっ」
「大宰相が?」と呟いて僕は首を傾げる。
大宰相は僕がフェリの代わりとして王になることをすすめはしたが、本心では僕のことを認めてはいないらしい。僕が意見を述べても素直に首を縦にふらないのだ。
僕には国を治める知識が圧倒的に足りない。だからどうしても大宰相や大臣達の協力が必要なのだけど、彼らは非協力的だ。僕が意見をすることもよく思っていないようだ。
だからといって、身代わりの僕だけどお飾りの王になるつもりはない。
「フィ…フェリ様?どうしますか?」
「…行く。僕は何が起こってるのかを知らないといけない」
「もちろんです。では参りましょう。おまえは下がっていいぞ」
「はいっ」
行き先を会議の間に変える。
歩きながら僕の斜め後ろをついてくるトラビスにチラリと目を向ける。
トラビスも昔は僕のことをよくは思っていなかった。でも僕が姉上の身代わりをしていたと知った今は、僕の力になってくれる。たびたび父親である大宰相に、苦言を呈してくれているみたいだし。
僕の視線に気づいたトラビスが「なにか?」と微笑む。
「別に…」
僕は眉をしかめて前を向いた。
最近は僕に対してすこぶる愛想がいいけど、トラビスの笑顔は胡散くさく見える。昔は会うたびにあんなに僕を睨んでいたのに。昔から変わらず接してくれるのはラズールだけだ。
早く会議を終えてラズールの様子を見に行こうと僕は足を早めた。
会議の間には、すでに大宰相と三人の大臣達が集まっていた。
大宰相が僕に挨拶をして、後ろにいるトラビスに気づく。
「なんだ、王と一緒にいたのか。今おまえの所にも人を行かせたのに」
「それはどうも。他には誰が来るんだ」
「副将軍のレナードだ」
「そんなにも重大なことなのか」
「そうだ」
大宰相と会話をしながら、トラビスが僕を椅子に座らせる。
僕と机の角を挟んだ窓側に大宰相と大臣達が順番に座り、大宰相の向かいの扉側にトラビスが腰を下ろした。
すぐにレナードも来て、僕の前で頭を下げる。
「王もおいででしたか。村より帰ってきて以来ですね。つつがなくお過ごしですか?」
「僕…私は元気だよ。あの時は世話をかけたね」
「あなたが王だと気づけなくて不覚でした。ラズール様は気づいてましたのに」
「あいつの嗅覚は特別だからな」
トラビスがふんと鼻で笑ってレナードに座れと命じる。
レナードが大宰相と大臣達にも挨拶をして、トラビスの隣に座った。
因みにレナードとは、視察に向かった時のラズールの隊の副隊長だ。ラズールは特に役職はないけど、昔から僕の側近をしているために、若い騎士などは敬意を払っている。レナードもそうだ。将軍であるトラビスは、ラズールのことをライバルのように思ってるみたいだけど。
そんなことをぼんやりと思っていると、いつも冷静な大宰相が、いきなり僕の方に身を乗り出した。
「王よ、ここ何十年の間で、我が国最大の危機が起こりました」
「どういうこと?」
「先ほど国境警備の者が早馬で来たのです。ひどく慌てた様子でした。その者の報告によれば、隣国のバイロン国が、我が国に攻め入ってきたと」
「はっ?どういうことだ!」
トラビスが激しい音を立てて立ち上がる。
僕は驚きのあまり、すぐに言葉が出なかった。
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