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扉を開けた俺を見るなり、颯人の顔が曇る。「大丈夫かよ」と優しく俺の背中を押して玄関を上がる。
「今一人?昊やおばさんは?」
「母さんは仕事でいない。昊は……」
「わかった。とりあえず青の部屋に行こう」
颯人に腕を引かれて二階へ行き、俺の部屋に入った。
俺は力無く床に座り、颯人がガサゴソと机に置いたビニール袋をぼんやりと見つめる。
「飲み物買ってきたぞ。で、どうしたんだ?」
ビニール袋から炭酸水を出して、俺に渡しながら颯人が隣に座る。
俺はペットボトルについた水滴を指でなぞって、息を吐いた。
「篠山…って、覚えてる?」
「うん。昊に付きまとってた先輩だよな」
「今日、家に来た」
「えっ、もしかしてまだ昊に付きまとってんの?ストーカーじゃん」
「それならまだ良かった」
「へ?なんで?」
俺はTシャツを強く握りしめた。エアコンが効きすぎなのか、手足の先が冷たくて震える。
昊…今どこにいるんだよ。篠山と、何してる?
黙って俯く俺の肩に、颯人が手を乗せる。その手が温かくて、俺の凍えた気持ちが、ほんの少しだけ溶けた気がした。
「話すの辛い?」
「…いや、聞いてほしい」
「うん、で、篠山さんは何しに来たんだ?」
「昊に会いに来たって。去年から付き合ってるって」
「えっ!マジで?」
「たぶん…ホント。昊も否定しなかった」
「…それで?」
「そのまま二人で出ていった。俺はショックで…出ていく昊を止めることも追いかけることもできなかった」
「そう」
そう呟いて颯人が黙った。
あまりにも静かなのでソっと顔を上げて横を見ると、颯人が俺を見つめていた。
「なに…」
「なあ、確認だけど、青の気持ちは変わってねぇの?」
「うん…変わらない。俺は昊が好き」
「そっか。そのこと、昊は知ってる?」
「知らない…し、言うつもりもない」
「まあ、そうだよな。でもさ、自分の気持ちを隠してるの、辛くない?どうするかは青の自由だけど、俺は気持ちを伝えてもいいと思う」
「無理だ。昊に嫌われたら生きていけない」
「昊は、青の気持ちを知っても嫌わないと思うよ。羨ましいくらいに、おまえら仲良いじゃん」
「それは…俺が弟だから。だから優しくしてくれるんだ。でも、俺が昊に邪な想いを抱いてるって知ったら、きっと軽蔑する」
「おまえの想いは邪じゃねぇよ。尊いよ」
「颯人…うん…ありがとう」
後ろめたく感じていた俺の想いが救われる。颯人にはいつも励まされ助けられている。颯人がいなければ、俺の気持ちは、口から出されることも無かっただろう。
「今一人?昊やおばさんは?」
「母さんは仕事でいない。昊は……」
「わかった。とりあえず青の部屋に行こう」
颯人に腕を引かれて二階へ行き、俺の部屋に入った。
俺は力無く床に座り、颯人がガサゴソと机に置いたビニール袋をぼんやりと見つめる。
「飲み物買ってきたぞ。で、どうしたんだ?」
ビニール袋から炭酸水を出して、俺に渡しながら颯人が隣に座る。
俺はペットボトルについた水滴を指でなぞって、息を吐いた。
「篠山…って、覚えてる?」
「うん。昊に付きまとってた先輩だよな」
「今日、家に来た」
「えっ、もしかしてまだ昊に付きまとってんの?ストーカーじゃん」
「それならまだ良かった」
「へ?なんで?」
俺はTシャツを強く握りしめた。エアコンが効きすぎなのか、手足の先が冷たくて震える。
昊…今どこにいるんだよ。篠山と、何してる?
黙って俯く俺の肩に、颯人が手を乗せる。その手が温かくて、俺の凍えた気持ちが、ほんの少しだけ溶けた気がした。
「話すの辛い?」
「…いや、聞いてほしい」
「うん、で、篠山さんは何しに来たんだ?」
「昊に会いに来たって。去年から付き合ってるって」
「えっ!マジで?」
「たぶん…ホント。昊も否定しなかった」
「…それで?」
「そのまま二人で出ていった。俺はショックで…出ていく昊を止めることも追いかけることもできなかった」
「そう」
そう呟いて颯人が黙った。
あまりにも静かなのでソっと顔を上げて横を見ると、颯人が俺を見つめていた。
「なに…」
「なあ、確認だけど、青の気持ちは変わってねぇの?」
「うん…変わらない。俺は昊が好き」
「そっか。そのこと、昊は知ってる?」
「知らない…し、言うつもりもない」
「まあ、そうだよな。でもさ、自分の気持ちを隠してるの、辛くない?どうするかは青の自由だけど、俺は気持ちを伝えてもいいと思う」
「無理だ。昊に嫌われたら生きていけない」
「昊は、青の気持ちを知っても嫌わないと思うよ。羨ましいくらいに、おまえら仲良いじゃん」
「それは…俺が弟だから。だから優しくしてくれるんだ。でも、俺が昊に邪な想いを抱いてるって知ったら、きっと軽蔑する」
「おまえの想いは邪じゃねぇよ。尊いよ」
「颯人…うん…ありがとう」
後ろめたく感じていた俺の想いが救われる。颯人にはいつも励まされ助けられている。颯人がいなければ、俺の気持ちは、口から出されることも無かっただろう。
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