47 / 89
26
しおりを挟む
「昊っ」
「やあ弟くん、こんにちは。偶然だねぇ」
「ちっ…」
俺の舌打ちを聞いて、夏樹が俺の手に触れ首を振る。冷静になれと目で言ってる。俺は今すぐに昊を引き寄せたい衝動を我慢した。
柊木という男が、にこやかに笑いながら手を上げる。
なんだようっとうしい。腹が立つ。俺は昊に話しかけたんだ。おまえにじゃない。それに悪い予感が当たった。やっぱり昊は、柊木と会っていたんだと気持ちが重くなった。
夏樹が席を立ち柊木の前に行く。
「どうも、昊と同クラの宮下です。昊とは小学校からの友達」
「あ、知ってる!クラスの女子が君のこと話してたから。へぇ、宮下くんは昊の家族とも仲良いんだ?」
「そうだね。青は弟みたいなもん」
「ふーん」
柊木が俺を見てきたけど無視をする。
俺は昊を見つめた。本当にただの友達として接してるのか見極めるために。しかし昊は、俺と目が合うなり逸らしてしまう。なんで?なんか隠したいことでもあるの?そう思って昊にも腹が立ったけど、俺が怒ったところで昊には関係ない。俺は昊の恋人ではない。ただの弟なのだから。
「せっかくだから、こっちに座れよ。ほら、昊は青の隣」
「うん…」
昊がチラリと俺を見て目を逸らせた。
昊の態度に不安が増したけど、昊が隣に来てくれて少しだけ安堵する。
一方、「強引だなぁ」と苦笑する柊木を、夏樹が隣に座らせてメニューを渡す。
「なに頼む?」
「えーと、俺はアイスコーヒー。昊は?」
「俺…」
「昊はアイスミルクティーだよ」
「…ああ、うん」
俺は、昊にかぶせるように言った。昊のことは誰よりも知っている。そのことを柊木に見せつけるために。だけど兄弟だから当然のことだ。
案の定、柊木は特に何も思っていない様子で「へぇ、そうなんだ」と笑った。
「覚えておくよ。他には何が好き?」
続けて言う柊木にイライラする。ここに俺と昊と夏樹の三人だけでいたなら楽しいのに。柊木は邪魔だ。
そんな風に思ってしまって、俺は心が狭いなと小さく息を吐いた。
しかし昊は、柊木の質問に答えるつもりはないらしい。
俺と夏樹を交互に見て首を傾けた。
「おまえら二人で何してたんだ?珍しくないか?たまたま会った?」
「あーうん、そう。そんで暑かったから店に入ろうってなった」
俺は黙って夏樹を見た。
俺から相談を受けたと聞くと、昊はしつこく聞くだろう。俺も相談内容を昊に知られたくない。
だから夏樹と話を合わせることにした。
「やあ弟くん、こんにちは。偶然だねぇ」
「ちっ…」
俺の舌打ちを聞いて、夏樹が俺の手に触れ首を振る。冷静になれと目で言ってる。俺は今すぐに昊を引き寄せたい衝動を我慢した。
柊木という男が、にこやかに笑いながら手を上げる。
なんだようっとうしい。腹が立つ。俺は昊に話しかけたんだ。おまえにじゃない。それに悪い予感が当たった。やっぱり昊は、柊木と会っていたんだと気持ちが重くなった。
夏樹が席を立ち柊木の前に行く。
「どうも、昊と同クラの宮下です。昊とは小学校からの友達」
「あ、知ってる!クラスの女子が君のこと話してたから。へぇ、宮下くんは昊の家族とも仲良いんだ?」
「そうだね。青は弟みたいなもん」
「ふーん」
柊木が俺を見てきたけど無視をする。
俺は昊を見つめた。本当にただの友達として接してるのか見極めるために。しかし昊は、俺と目が合うなり逸らしてしまう。なんで?なんか隠したいことでもあるの?そう思って昊にも腹が立ったけど、俺が怒ったところで昊には関係ない。俺は昊の恋人ではない。ただの弟なのだから。
「せっかくだから、こっちに座れよ。ほら、昊は青の隣」
「うん…」
昊がチラリと俺を見て目を逸らせた。
昊の態度に不安が増したけど、昊が隣に来てくれて少しだけ安堵する。
一方、「強引だなぁ」と苦笑する柊木を、夏樹が隣に座らせてメニューを渡す。
「なに頼む?」
「えーと、俺はアイスコーヒー。昊は?」
「俺…」
「昊はアイスミルクティーだよ」
「…ああ、うん」
俺は、昊にかぶせるように言った。昊のことは誰よりも知っている。そのことを柊木に見せつけるために。だけど兄弟だから当然のことだ。
案の定、柊木は特に何も思っていない様子で「へぇ、そうなんだ」と笑った。
「覚えておくよ。他には何が好き?」
続けて言う柊木にイライラする。ここに俺と昊と夏樹の三人だけでいたなら楽しいのに。柊木は邪魔だ。
そんな風に思ってしまって、俺は心が狭いなと小さく息を吐いた。
しかし昊は、柊木の質問に答えるつもりはないらしい。
俺と夏樹を交互に見て首を傾けた。
「おまえら二人で何してたんだ?珍しくないか?たまたま会った?」
「あーうん、そう。そんで暑かったから店に入ろうってなった」
俺は黙って夏樹を見た。
俺から相談を受けたと聞くと、昊はしつこく聞くだろう。俺も相談内容を昊に知られたくない。
だから夏樹と話を合わせることにした。
10
あなたにおすすめの小説
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫です。
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
弟が兄離れしようとしないのですがどうすればいいですか?~本編~
荷居人(にいと)
BL
俺の家族は至って普通だと思う。ただ普通じゃないのは弟というべきか。正しくは普通じゃなくなっていったというべきか。小さい頃はそれはそれは可愛くて俺も可愛がった。実際俺は自覚あるブラコンなわけだが、それがいけなかったのだろう。弟までブラコンになってしまった。
これでは弟の将来が暗く閉ざされてしまう!と危機を感じた俺は覚悟を持って……
「龍、そろそろ兄離れの時だ」
「………は?」
その日初めて弟が怖いと思いました。
【完結】みにくい勇者の子
バナナ男さん
BL
ある田舎町で農夫をしている平凡なおっさんである< ムギ >は、嫁なし!金なし!の寂しい生活を送っていた。 そんなある日、【 光の勇者様 】と呼ばれる英雄が、村の領主様に突然就任する事が決まり、村人達は総出で歓迎の準備をする事に。 初めて会うはずの光の勇者様。 しかし、何故かムギと目が合った瞬間、突然の暴挙に……? 光の勇者様 ✕ 農夫おっさんのムギです。 攻めはヤンデレ、暴走ロケット、意味不明。 受けは不憫受け(?)だと思いますので、ご注意下さい。ノリよくサクッと終わりますm(__)m 頭空っぽにして読んで頂けると嬉しいです。
新訳 美女と野獣 〜獣人と少年の物語〜
若目
BL
いまはすっかり財政難となった商家マルシャン家は父シャルル、長兄ジャンティー、長女アヴァール、次女リュゼの4人家族。
妹たちが経済状況を顧みずに贅沢三昧するなか、一家はジャンティーの頑張りによってなんとか暮らしていた。
ある日、父が商用で出かける際に、何か欲しいものはないかと聞かれて、ジャンティーは一輪の薔薇をねだる。
しかし、帰る途中で父は道に迷ってしまう。
父があてもなく歩いていると、偶然、美しく奇妙な古城に辿り着く。
父はそこで、庭に薔薇の木で作られた生垣を見つけた。
ジャンティーとの約束を思い出した父が薔薇を一輪摘むと、彼の前に怒り狂った様子の野獣が現れ、「親切にしてやったのに、厚かましくも薔薇まで盗むとは」と吠えかかる。
野獣は父に死をもって償うように迫るが、薔薇が土産であったことを知ると、代わりに子どもを差し出すように要求してきて…
そこから、ジャンティーの運命が大きく変わり出す。
童話の「美女と野獣」パロのBLです
【完結】勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話
バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん<山野 石郎>改め【イシ】
世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中……俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない<覗く>という能力だけ。
これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。
無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。
不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる