48 / 89
昊 22
しおりを挟む
祭りの翌日から、柊木から頻繁に連絡が来た。二人で出かけたいという内容のメールだ。しばらく既読無視をしていたら電話がかかってきた。それも無視していたけどあまりにもしつこいので、祭りから一週間後に会う約束をした。
しかし柊木は友達がいないのか?もしかして俺が初めての友達?だからこんなにもしつこく絡んでくるのだろうか。
そんな疑問も、会った時に聞いてみようと思った。
柊木と約束した日、玄関で靴を履く俺に、青が「どこに行くの?」と聞いてきた。青に気にかけてもらえることは嬉しい。だけど先週、青と柊木の初対面は最悪な雰囲気だった。だから何となく、柊木と会うとは言えなかった。ただ「友達と会う」とだけ、靴の紐を結びながら顔を上げずに言った。
「友達って誰?」
「おまえの知らないヤツ」
「それって…」
尚もしつこく食い下がってくる青から逃げるように俺は立ち上がると、即座に玄関を出た。家の敷地を出て振り返る。当然だけど、青は追いかけては来ない。そりゃそうだよな。兄の交友関係なんか興味ないよな。俺が会うのが嫌いな篠山かどうかだけ、確認したかったんだろうな。
俺はたすき掛けにしたカバンを正しい位置に戻すと、憂鬱な気分で重い足を前に出した。
待ち合わせ場所には、すでに柊木がいた。柊木の前を通り過ぎる女の子達が、チラチラと柊木を見ている。黙って真面目な顔で立っている柊木は、かなりかっこいい。チラチラと見てしまう気持ちもわかる。絶対にモテるのに、どうして柊木は、執拗に俺を誘うのか。俺と会っても話が弾むわけじゃないのに。
俺は、本当は、涼しいリビングで青と一緒に映画を観たりゲームをしたいんだ。わざわざ暑い外に出たくない。だけど無理なんだ。だって青は、もう子供じゃないから。中学生になってから、ずいぶんと大人ぽくなった。俺よりもどんどん大きくなり、声が低くなった。青の大きな手で触れられると、俺の身体が熱くなってしまう。だから青と二人でいたいけど、青の傍にはいられなくて逃げてしまう。
のろのろと柊木に近づいていると、また二人組の女の子達が、柊木を見ていた。しかも見ただけじゃなく、柊木に声をかけている。
いつもにこやかな柊木が、女の子達の方を見ずに、無表情で何かを話している。すると女の子達は、バツが悪そうに、そそくさと離れていった。
そこそこ可愛らしい女の子達だったのに、きっぱりと断ったのか。柊木はその言動から軽そうに見えるけど、実際は真面目なのかと少しだけ興味を持った。
しかし柊木は友達がいないのか?もしかして俺が初めての友達?だからこんなにもしつこく絡んでくるのだろうか。
そんな疑問も、会った時に聞いてみようと思った。
柊木と約束した日、玄関で靴を履く俺に、青が「どこに行くの?」と聞いてきた。青に気にかけてもらえることは嬉しい。だけど先週、青と柊木の初対面は最悪な雰囲気だった。だから何となく、柊木と会うとは言えなかった。ただ「友達と会う」とだけ、靴の紐を結びながら顔を上げずに言った。
「友達って誰?」
「おまえの知らないヤツ」
「それって…」
尚もしつこく食い下がってくる青から逃げるように俺は立ち上がると、即座に玄関を出た。家の敷地を出て振り返る。当然だけど、青は追いかけては来ない。そりゃそうだよな。兄の交友関係なんか興味ないよな。俺が会うのが嫌いな篠山かどうかだけ、確認したかったんだろうな。
俺はたすき掛けにしたカバンを正しい位置に戻すと、憂鬱な気分で重い足を前に出した。
待ち合わせ場所には、すでに柊木がいた。柊木の前を通り過ぎる女の子達が、チラチラと柊木を見ている。黙って真面目な顔で立っている柊木は、かなりかっこいい。チラチラと見てしまう気持ちもわかる。絶対にモテるのに、どうして柊木は、執拗に俺を誘うのか。俺と会っても話が弾むわけじゃないのに。
俺は、本当は、涼しいリビングで青と一緒に映画を観たりゲームをしたいんだ。わざわざ暑い外に出たくない。だけど無理なんだ。だって青は、もう子供じゃないから。中学生になってから、ずいぶんと大人ぽくなった。俺よりもどんどん大きくなり、声が低くなった。青の大きな手で触れられると、俺の身体が熱くなってしまう。だから青と二人でいたいけど、青の傍にはいられなくて逃げてしまう。
のろのろと柊木に近づいていると、また二人組の女の子達が、柊木を見ていた。しかも見ただけじゃなく、柊木に声をかけている。
いつもにこやかな柊木が、女の子達の方を見ずに、無表情で何かを話している。すると女の子達は、バツが悪そうに、そそくさと離れていった。
そこそこ可愛らしい女の子達だったのに、きっぱりと断ったのか。柊木はその言動から軽そうに見えるけど、実際は真面目なのかと少しだけ興味を持った。
3
あなたにおすすめの小説
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫です。
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
弟が兄離れしようとしないのですがどうすればいいですか?~本編~
荷居人(にいと)
BL
俺の家族は至って普通だと思う。ただ普通じゃないのは弟というべきか。正しくは普通じゃなくなっていったというべきか。小さい頃はそれはそれは可愛くて俺も可愛がった。実際俺は自覚あるブラコンなわけだが、それがいけなかったのだろう。弟までブラコンになってしまった。
これでは弟の将来が暗く閉ざされてしまう!と危機を感じた俺は覚悟を持って……
「龍、そろそろ兄離れの時だ」
「………は?」
その日初めて弟が怖いと思いました。
【完結】みにくい勇者の子
バナナ男さん
BL
ある田舎町で農夫をしている平凡なおっさんである< ムギ >は、嫁なし!金なし!の寂しい生活を送っていた。 そんなある日、【 光の勇者様 】と呼ばれる英雄が、村の領主様に突然就任する事が決まり、村人達は総出で歓迎の準備をする事に。 初めて会うはずの光の勇者様。 しかし、何故かムギと目が合った瞬間、突然の暴挙に……? 光の勇者様 ✕ 農夫おっさんのムギです。 攻めはヤンデレ、暴走ロケット、意味不明。 受けは不憫受け(?)だと思いますので、ご注意下さい。ノリよくサクッと終わりますm(__)m 頭空っぽにして読んで頂けると嬉しいです。
新訳 美女と野獣 〜獣人と少年の物語〜
若目
BL
いまはすっかり財政難となった商家マルシャン家は父シャルル、長兄ジャンティー、長女アヴァール、次女リュゼの4人家族。
妹たちが経済状況を顧みずに贅沢三昧するなか、一家はジャンティーの頑張りによってなんとか暮らしていた。
ある日、父が商用で出かける際に、何か欲しいものはないかと聞かれて、ジャンティーは一輪の薔薇をねだる。
しかし、帰る途中で父は道に迷ってしまう。
父があてもなく歩いていると、偶然、美しく奇妙な古城に辿り着く。
父はそこで、庭に薔薇の木で作られた生垣を見つけた。
ジャンティーとの約束を思い出した父が薔薇を一輪摘むと、彼の前に怒り狂った様子の野獣が現れ、「親切にしてやったのに、厚かましくも薔薇まで盗むとは」と吠えかかる。
野獣は父に死をもって償うように迫るが、薔薇が土産であったことを知ると、代わりに子どもを差し出すように要求してきて…
そこから、ジャンティーの運命が大きく変わり出す。
童話の「美女と野獣」パロのBLです
【完結】勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話
バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん<山野 石郎>改め【イシ】
世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中……俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない<覗く>という能力だけ。
これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。
無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。
不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる