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放課後、部活に行く颯人と別れて下駄箱に向かう。俺は高校では部活に入っていない。それほどサッカーが好きではなかったし、他にやりたい部活もない。何より、昊と過ごす時間が欲しい。同じ家に住んでいても、昊は塾から帰ってくるのが遅くてあまり顔を合わせない。でも気まぐれで塾を休んで、いきなり家にいることがある。昊がいると嬉しくて、昊の隣に座って早口で話しかけるけど、昊は適当に相槌をうってすぐに部屋に行ってしまう。
そんな時俺は、胸が押し潰されたように苦しくなって、昊を追いかけて抱きしめて、好きだ、俺を避けないでと叫びたくなるんだ。何度そうしようかと腰を浮かしたか。でも実際は、昊を追いかけることなく再び腰を下ろし、深くため息をつくことしかできない。
今日は昊がまだ帰ってないといいなと思いながら帰路についた。一度学校に戻らないといけないから、昊がいても話ができない。どうか塾に行ってますようにと願っていると、家の前に着いた俺の横に車が静かに止まった。
何の気なしに横を向くと、運転席の窓が開いて大神先生が「やあ」と手を上げて笑っている。
「…なにしてんですか?」
俺は呆れて息を吐き出しながら低い声を出す。
先生はハザードをつけて車から降りると、俺の肩に手を置いた。
「森野が課題を取りに帰るの、面倒だって顔をしてたからさ、俺が取りに来てあげたの」
「家、知ってたんですか?」
「あーごめん、調べた」
「うわ…ストーカー」
「いやいや、必要なことだったから」
調べてまで家に来たことに若干引いたけど、先生は俺の家を知ったからといって悪用しないことはわかっている。
だから俺は「家には上げないですよ。ちょっと待っててください」と苦笑して、玄関に向かおうとした。
その時、扉が開いて昊が出てきた。
昊は目を丸くして、俺と俺の肩に手を置いた先生を交互に見て、ふいと目を伏せる。
俺は思わず唇を噛んだ。しまった、今日はいる日だったのか。ラフな格好をしてるしコンビニでも行くのだろうか。
俺は平静を装って昊に話しかける。
「昊、どこ行くの?塾は休み?」
「…コンビニ。なに?先生に送ってもらったんだ?」
「えっ?違っ…」
俺の言葉を待たずに、昊が横を通りすぎる。その時にチラリと先生を見て、小さく頭を下げた。
去って行く昊の背中を見ながら、先生が呟く。
「…俺、森野のお兄さんに嫌われてる?」
「なんでですか」と聞いた声が、思いの外掠れている。
「だって、すんごい睨まれた」
「まさか」
だとしたら、俺のせいだ。二年前の夏から、俺は昊に嫌われているのだから。
そんな時俺は、胸が押し潰されたように苦しくなって、昊を追いかけて抱きしめて、好きだ、俺を避けないでと叫びたくなるんだ。何度そうしようかと腰を浮かしたか。でも実際は、昊を追いかけることなく再び腰を下ろし、深くため息をつくことしかできない。
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「…なにしてんですか?」
俺は呆れて息を吐き出しながら低い声を出す。
先生はハザードをつけて車から降りると、俺の肩に手を置いた。
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「あーごめん、調べた」
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だから俺は「家には上げないですよ。ちょっと待っててください」と苦笑して、玄関に向かおうとした。
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去って行く昊の背中を見ながら、先生が呟く。
「…俺、森野のお兄さんに嫌われてる?」
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