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家の前にはもう、誰もいなかった。
俺は重い足取りで玄関ドアを開けて入る。顔を上げると目の前に昊がいて、心臓がはねた。
「昊…今、帰ったの?」
「…ああ」
柊木と何をしていたのか聞きそうになったけど耐えた。
昊は俺と目を合わさない。浴室に向かう途中だったらしい。両手に着替えを抱えている。洗面所のドアを開けて中に入った昊に続いて、俺も中に入る。
昊が驚いて振り向き、ようやく目が合った。
「なに?風呂に入んだけど」
「入ればいいじゃん。俺は手を洗いに来ただけ」
「キッチンで洗えよ」
「それしたら母さんが怒るじゃん」
「今いないし」
「ふーん」
母さん、いないんだ。父さんは当然まだ仕事だし。じゃあ昊と二人きり?
俺は手を洗い終わると、昊に近づいた。
反発する磁石のように、昊が後ろにさがる。ついには浴室のドアに背中が当たり、手に持っていた着替えを落とす。
俯いたままの昊が、俺の胸を押そうと伸ばした手を掴んで引き寄せると、強く抱きしめた。
昊が逃げようともがくけど、離してやらない。だって先ほどまで柊木とこうしてたんだろ?上書きしなきゃ。俺の匂いをつけて、上書きしなきゃいけない。
「昊、顔上げて」
「やだ」
やだってなんだよ、かわいいなぁ。久しぶりの昊の体温と肌の感触。頭がおかしくなりそうだ。
俺は前髪に隠れた額にキスをした。
弾かれたように、昊が顔を上げる。
すかさず後頭部を掴んで引き寄せて、赤い唇を塞ぐ。
ああ甘い。甘くて柔らかい。すごく久しぶりで、感動する。なぁ昊、柊木もこれを知ってんの?ムカつくんだけど。俺は昊以外とキスなんてしないのに。昊はしたんだろ?
「んっ…ふっ」
昊から甘い声が漏れる。かわいい。力がこもる手も、舌でつつくと素直に開く唇も、遠慮がちに伸ばす舌も、全てがかわいくて愛しい。俺の、愛する人。どうして俺から離れるの。俺のことが大好きだと言わんばかりのキスをするくせに。もう我慢しないから。我慢できないから。
「昊…愛してる」
「んんっ」
キスの合間に囁くと、昊の身体が震えた。俺を押しのけようとしていた手が、服を掴む。背伸びをして、唇を押しつけてくる。
俺は昊を抱き上げると、唇を貪りながら洗面所を出て部屋に入った。
俺は重い足取りで玄関ドアを開けて入る。顔を上げると目の前に昊がいて、心臓がはねた。
「昊…今、帰ったの?」
「…ああ」
柊木と何をしていたのか聞きそうになったけど耐えた。
昊は俺と目を合わさない。浴室に向かう途中だったらしい。両手に着替えを抱えている。洗面所のドアを開けて中に入った昊に続いて、俺も中に入る。
昊が驚いて振り向き、ようやく目が合った。
「なに?風呂に入んだけど」
「入ればいいじゃん。俺は手を洗いに来ただけ」
「キッチンで洗えよ」
「それしたら母さんが怒るじゃん」
「今いないし」
「ふーん」
母さん、いないんだ。父さんは当然まだ仕事だし。じゃあ昊と二人きり?
俺は手を洗い終わると、昊に近づいた。
反発する磁石のように、昊が後ろにさがる。ついには浴室のドアに背中が当たり、手に持っていた着替えを落とす。
俯いたままの昊が、俺の胸を押そうと伸ばした手を掴んで引き寄せると、強く抱きしめた。
昊が逃げようともがくけど、離してやらない。だって先ほどまで柊木とこうしてたんだろ?上書きしなきゃ。俺の匂いをつけて、上書きしなきゃいけない。
「昊、顔上げて」
「やだ」
やだってなんだよ、かわいいなぁ。久しぶりの昊の体温と肌の感触。頭がおかしくなりそうだ。
俺は前髪に隠れた額にキスをした。
弾かれたように、昊が顔を上げる。
すかさず後頭部を掴んで引き寄せて、赤い唇を塞ぐ。
ああ甘い。甘くて柔らかい。すごく久しぶりで、感動する。なぁ昊、柊木もこれを知ってんの?ムカつくんだけど。俺は昊以外とキスなんてしないのに。昊はしたんだろ?
「んっ…ふっ」
昊から甘い声が漏れる。かわいい。力がこもる手も、舌でつつくと素直に開く唇も、遠慮がちに伸ばす舌も、全てがかわいくて愛しい。俺の、愛する人。どうして俺から離れるの。俺のことが大好きだと言わんばかりのキスをするくせに。もう我慢しないから。我慢できないから。
「昊…愛してる」
「んんっ」
キスの合間に囁くと、昊の身体が震えた。俺を押しのけようとしていた手が、服を掴む。背伸びをして、唇を押しつけてくる。
俺は昊を抱き上げると、唇を貪りながら洗面所を出て部屋に入った。
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