ふれたら消える

明樹

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 昊をベッドに下ろしおおいかぶさる。キスの合間にパーカーを脱ぎ捨て、昊のトレーナーも脱がせた。白い肌に手をはわせると、昊の身体がピクリとはねる。

「おまえ、手…冷てぇ」
「ごめん、我慢して」

 俺の目は、白い胸元にある二つの鴇色ときいろの突起にくぎ付けになる。

「えろ…」

 俺は顔を伏せると、左の突起に吸い付いた。
 「あっ」と甘い声を上げて、昊が俺の頭を掴む。押しのけたいのだろうけど、逆に押し付けてしまっている動きに、たまらなく興奮する。舌で弾き軽く噛み、反対側を指で摘んでこねる。昊の口からは、甘い声が漏れ続けている。
 思う存分吸い付くと、身体を起こしてズボンと下着を脱いだ。
 頬を赤く染めて涙目の昊が、そっと顔を上げて俺の股間を見る。

「あ…青…それ…」
「昊がえろすぎて」
「するの?」
「するよ。もう我慢できないから。嫌?」

 昊は俺の目を見て、首を横に振った。
 俺はホッと息を吐く。流されて部屋まで来たけど、今になって拒絶されたらどうしようかと不安だった。嫌じゃないってことは、昊も俺が好きなんだよな?もしかして柊木と付き合ったのは、俺を忘れるため?そう確かめたいけど怖くて聞けない。だから俺は、やっぱり嫌だと言われる前に昊を抱く。素早く昊のズボンと下着を取り去り、固くなっている股間のモノに触れた。

「あ…やっ…」
「昊…かわいい」

 手を動かすたびに反応する昊が、えろくてかわいい。この姿を柊木も見てるのかと思うと腹が立つけど、今後はもう二度と見させない。昊を誰にも触れさせない。
 手を上下に動かすと、いやらしい音と共に、先端から透明の密が出てきた。
 俺は昊の膝裏を押し上げると、後ろの穴を凝視する。小さく収縮している。いやらしいな。ここにも柊木のモノが…。嫌、あいつのことを考えるのはやめだ。 今、昊を抱こうとしているのは俺だ。昊には、俺のモノを覚えてもらう。
「おい、見るな」と暴れる昊の足を押さえつけながら、ベッド横の棚からボトルを取り出す。そしてローションを手のひらに出すと、ひだを伸ばすように丁寧に塗り込んでいく。

「んっ、青…ゆっくりして」
「大丈夫、痛くしない。でも昊のここ、すごくきつい…」
「当たり前だ。初めてだからな」
「…え?うそ…だって柊木と」
「触られたり…はしたけど、入れられてない」
「マジか」

 胸の中に引っかかっていた何かが、取れたように軽くなった。昊の意志で柊木とセックスしたなら仕方がないと諦めていたけど、どうしても嫌だった。気になっていた。だからすごく嬉しい。そうか…初めてなんだ。
 
 
 

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