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混乱 8
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こんなに大勢の前に立つのも見られることも初めてで、俺は緊張のあまり固まってしまった。
実際は、大半の人達がアルファムを見ているのだろうけど、俺に向けられている幾つかの視線を感じる。
ーーアルに頼まれたからといって、了承しなければ良かった。俺…、今からでもリオの隣に行って、こっそりアルを見ていたい…。
そっと横に目を向けると、入って来た扉の近くに、リオが周りに目を光らせて立っている。
俺の視線に気づいたリオが、苦笑しながら軽く頷いた。
俺も頷き返すと小さく息を吐いて前を向く。
ホルガーが式典の挨拶を述べた後に、各国の国賓が、順番にアルファムの前に来た。
「即位5周年おめでとうございます。ますますの繁栄をお祈り申し上げる」
「わざわざお越し頂き感謝する。ぜひこれからも我が国と仲良くして頂きたい」
「もちろん…」
そういう似たような会話が、6つの国の国賓である王様や王子と交わされた。
アルファムの威厳に圧倒されながら、俺はあまりの格好良さにアルファムに見蕩れてしまう。
アルファムと挨拶を交わした後に、俺にも声をかけてくるんだけど、俺はろくに聞いてもいなくて、「はい」「そうですね」と適当な返事を返していた。
6つの国の人の中に俺を見る人がいたけど、ほとんどの人が、珍しそうな視線を俺に向けていたように思う。
中には鋭く睨んでくる人がいて、それは当然、あのバルテル王子だった。
彼はたぶん、自分を傷つけた俺に恨みを持ってこの城に来たのかもしれない。
充分用心しないと、とふと前を見ると、銀髪の月の国の王様が、感情の読み取れない金色の瞳で、俺を見つめながら自分の席へ戻って行くところだった。
アルファムが玉座に座り、俺も促されるままに隣の椅子に座る。
また新たな緊張で小刻みに震えていると、アルファムが小さな声で話しかけてきた。
「カナ。やはり尊い黒髪を持つおまえに皆は関心があるようだ。特にバルテル王子とシルヴィオ王のおまえを見る目が気になる。用心しろよ」
「いや…、アルの隣に俺がいることが不思議なんだよ、きっと。ところでシルヴィオ王って?」
「あの銀髪の男だ。月の国、ルナ国の王だ。確か歳は俺と同じだったはず…。だが彼は、15の時から国を治めている。優れた王だ」
「へぇ…」
アルファムは、自信家で傲慢だから、人を褒めたりはしない。俺のことはよく褒めてくれるけど、それは特別に想ってくれてるから…。
でも他人のことを褒めているのは見たことがない。
そのアルファムが褒めたということは、シルヴィオ王というのは、余程出来る王様なのだろう。
シルヴィオ王を感心したように見ているアルファムを見てると、今朝の『俺の国へ来い』と言ったシルヴィオ王とのやり取りは、言わない方が波風立てなくていいよな…、と判断して、式典が進んでいくのをぼんやりと眺めていた。
実際は、大半の人達がアルファムを見ているのだろうけど、俺に向けられている幾つかの視線を感じる。
ーーアルに頼まれたからといって、了承しなければ良かった。俺…、今からでもリオの隣に行って、こっそりアルを見ていたい…。
そっと横に目を向けると、入って来た扉の近くに、リオが周りに目を光らせて立っている。
俺の視線に気づいたリオが、苦笑しながら軽く頷いた。
俺も頷き返すと小さく息を吐いて前を向く。
ホルガーが式典の挨拶を述べた後に、各国の国賓が、順番にアルファムの前に来た。
「即位5周年おめでとうございます。ますますの繁栄をお祈り申し上げる」
「わざわざお越し頂き感謝する。ぜひこれからも我が国と仲良くして頂きたい」
「もちろん…」
そういう似たような会話が、6つの国の国賓である王様や王子と交わされた。
アルファムの威厳に圧倒されながら、俺はあまりの格好良さにアルファムに見蕩れてしまう。
アルファムと挨拶を交わした後に、俺にも声をかけてくるんだけど、俺はろくに聞いてもいなくて、「はい」「そうですね」と適当な返事を返していた。
6つの国の人の中に俺を見る人がいたけど、ほとんどの人が、珍しそうな視線を俺に向けていたように思う。
中には鋭く睨んでくる人がいて、それは当然、あのバルテル王子だった。
彼はたぶん、自分を傷つけた俺に恨みを持ってこの城に来たのかもしれない。
充分用心しないと、とふと前を見ると、銀髪の月の国の王様が、感情の読み取れない金色の瞳で、俺を見つめながら自分の席へ戻って行くところだった。
アルファムが玉座に座り、俺も促されるままに隣の椅子に座る。
また新たな緊張で小刻みに震えていると、アルファムが小さな声で話しかけてきた。
「カナ。やはり尊い黒髪を持つおまえに皆は関心があるようだ。特にバルテル王子とシルヴィオ王のおまえを見る目が気になる。用心しろよ」
「いや…、アルの隣に俺がいることが不思議なんだよ、きっと。ところでシルヴィオ王って?」
「あの銀髪の男だ。月の国、ルナ国の王だ。確か歳は俺と同じだったはず…。だが彼は、15の時から国を治めている。優れた王だ」
「へぇ…」
アルファムは、自信家で傲慢だから、人を褒めたりはしない。俺のことはよく褒めてくれるけど、それは特別に想ってくれてるから…。
でも他人のことを褒めているのは見たことがない。
そのアルファムが褒めたということは、シルヴィオ王というのは、余程出来る王様なのだろう。
シルヴィオ王を感心したように見ているアルファムを見てると、今朝の『俺の国へ来い』と言ったシルヴィオ王とのやり取りは、言わない方が波風立てなくていいよな…、と判断して、式典が進んでいくのをぼんやりと眺めていた。
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