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犯人捜し その前に 3
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目が覚めるとアルファムの姿がなかった。
手を伸ばしてシーツに触れてみる。そこは冷やりとして少しも温もりが残っていない。
アルファムが起きてから、かなりの時間が過ぎたみたいだ。
俺も起きようと手をついて身体を起こした。
「あっ…!…つぅっ…」
全身が怠く重い感じがするけど、特に腰が重くて辛い。
アルファムとは、まだ数える程しかエッチをしてないけど、その中で昨夜は一番激しかった。でも、溢れんばかりのアルファムの愛情を感じられて、とても幸せだった。
そして幸せな気持ちは、今も続いている。
俺は、昨夜の行為を思い出して顔をニヤつかせながら、ゆっくりとベッドから降りた。
「はぁ…、杖とかないかな…。一人で歩ける気がしない…」
ニヤつかせていた顔を今度は歪めて、足に力を入れて立とうとする。プルプルと震えながら二歩進んだけど、ダメだとベッドに引き返して腰を下ろした。
「カナ、起きたのか?」
どうしようと困っていた所に、アルファムが戻って来た。
俺はアルファムに向かって両手を伸ばす。
「どうした?」
「…歩けない。アルのせいなんだから、何とかして」
「俺の?ああ、そうか」
フッと笑ってアルファムが俺を抱き上げる。俺の耳朶に唇をつけて、「俺と抱き合った証だ。我慢しろ」と意地悪なことを言った。
「そっ、そんなぁ…っ。俺、今日一日動けないじゃん!」
「俺が世話をしてやるからいいじゃないか」
「…いやだ。だって魔法の練習とかやりたい」
「明日からすればいい」
「だって、月の国に連れ去られたり熱出したりして全然出来てないし…。早くアルの役に立つようになりたいし…」
「ふっ…そうか。可愛い奴だな。ならこの部屋でも出来るモノを教えてやろう」
「いいの?アル、仕事は?」
「おまえに教えながら出来る。今はシアンが犯人捜しで忙しいからな。大量の仕事が回ってこないのだ」
「へぇ…」
アルファムが、俺をテーブルの前の椅子に降ろして隣に座る。「入れ」と扉に向かって言うと、数人の使用人が入って来て、テーブルの上に手早く料理を並べて出て行った。
パンとスープと果物と飲み物だけのシンプルな料理を見て、俺は「アル…」と声を漏らす。
「どうだ?これくらいの量なら食べ切れるだろう?」
「うん…残さずに食べれる。ありがとう」
そう言って笑うと、俺は「いただきます」と手を合わせた。
すぐにアルファムがパンを一つ掴むと、一口かじって俺に渡す。
『もう大丈夫だと思うけど…』と思いながら、パンを口に入れてもぐもぐと咀嚼する俺を、アルファムが見つめてくる。
見られていることが何だか恥ずかしくなってきて、もう一つパンを掴むと、ちぎってアルファムの口に押しつけた。
アルファムが、目を細めて俺の指ごとパンを口に入れる。指に感じるアルファムの熱にドキドキとして、パンを咀嚼する唇から目が離せなくなった。
今度は、アルファムが果物を自分の口に入れて二三度噛んだ。そして、俺の後頭部に手を当てて引き寄せ、唇を合わせる。
俺の口の中に、少し温くなった果物が押し込まれた。甘い果汁と共にアルファムの唾液も飲み込むと、「アル…もっとぉ…」と、俺は自分でも驚く程の甘い声を上げた。
手を伸ばしてシーツに触れてみる。そこは冷やりとして少しも温もりが残っていない。
アルファムが起きてから、かなりの時間が過ぎたみたいだ。
俺も起きようと手をついて身体を起こした。
「あっ…!…つぅっ…」
全身が怠く重い感じがするけど、特に腰が重くて辛い。
アルファムとは、まだ数える程しかエッチをしてないけど、その中で昨夜は一番激しかった。でも、溢れんばかりのアルファムの愛情を感じられて、とても幸せだった。
そして幸せな気持ちは、今も続いている。
俺は、昨夜の行為を思い出して顔をニヤつかせながら、ゆっくりとベッドから降りた。
「はぁ…、杖とかないかな…。一人で歩ける気がしない…」
ニヤつかせていた顔を今度は歪めて、足に力を入れて立とうとする。プルプルと震えながら二歩進んだけど、ダメだとベッドに引き返して腰を下ろした。
「カナ、起きたのか?」
どうしようと困っていた所に、アルファムが戻って来た。
俺はアルファムに向かって両手を伸ばす。
「どうした?」
「…歩けない。アルのせいなんだから、何とかして」
「俺の?ああ、そうか」
フッと笑ってアルファムが俺を抱き上げる。俺の耳朶に唇をつけて、「俺と抱き合った証だ。我慢しろ」と意地悪なことを言った。
「そっ、そんなぁ…っ。俺、今日一日動けないじゃん!」
「俺が世話をしてやるからいいじゃないか」
「…いやだ。だって魔法の練習とかやりたい」
「明日からすればいい」
「だって、月の国に連れ去られたり熱出したりして全然出来てないし…。早くアルの役に立つようになりたいし…」
「ふっ…そうか。可愛い奴だな。ならこの部屋でも出来るモノを教えてやろう」
「いいの?アル、仕事は?」
「おまえに教えながら出来る。今はシアンが犯人捜しで忙しいからな。大量の仕事が回ってこないのだ」
「へぇ…」
アルファムが、俺をテーブルの前の椅子に降ろして隣に座る。「入れ」と扉に向かって言うと、数人の使用人が入って来て、テーブルの上に手早く料理を並べて出て行った。
パンとスープと果物と飲み物だけのシンプルな料理を見て、俺は「アル…」と声を漏らす。
「どうだ?これくらいの量なら食べ切れるだろう?」
「うん…残さずに食べれる。ありがとう」
そう言って笑うと、俺は「いただきます」と手を合わせた。
すぐにアルファムがパンを一つ掴むと、一口かじって俺に渡す。
『もう大丈夫だと思うけど…』と思いながら、パンを口に入れてもぐもぐと咀嚼する俺を、アルファムが見つめてくる。
見られていることが何だか恥ずかしくなってきて、もう一つパンを掴むと、ちぎってアルファムの口に押しつけた。
アルファムが、目を細めて俺の指ごとパンを口に入れる。指に感じるアルファムの熱にドキドキとして、パンを咀嚼する唇から目が離せなくなった。
今度は、アルファムが果物を自分の口に入れて二三度噛んだ。そして、俺の後頭部に手を当てて引き寄せ、唇を合わせる。
俺の口の中に、少し温くなった果物が押し込まれた。甘い果汁と共にアルファムの唾液も飲み込むと、「アル…もっとぉ…」と、俺は自分でも驚く程の甘い声を上げた。
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