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番外編 10
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俺は、どんな顔をしていたのだろう。
アイリスが、目を吊り上げていた顔をくしゃりと歪ませて、涙を流し始めた。
「カナデ様…申し訳ございませんっ。カナデ様は、余所の世界から来てアルファム様を惑わした悪者だと勝手に思っておりました。余所者だから炎の国の城から追い出して、私がカナデ様の代わりにアルファム様の妃になろうと、無謀にも思っておりました。私と会った後に城から消えたと聞いて、喜んでおりました。なのにカナデ様は、私を罵倒して斬り捨ててもよいものを、庇って下さった…。黒髪や容姿が美しいだけでなく心も美しいから、アルファム様はカナデ様を選ばれたのですね。レニはジョンが立派に育ててくれます。どうか、私に厳重な処罰を…」
そう言うと、アイリスは床にひれ伏した。
俺は、アルファムにそっと耳打ちをする。
アルファムは、とても驚いた後に苦々しい顔をして、俺の頬を撫でながら溜息を吐いた。
「アイリス、顔を上げよ。おまえに処罰を言い渡す。ジョンが生まれた村で、親子三人で慎ましく暮らせ。二度と王都に入ることは許さぬ。此度はカナのたっての願いで厳罰は与えぬが、次はないぞ。わかったなら早く去れ」
アイリスが、涙に濡れた顔を上げて目を丸くする。
俺は、段を降りて前に進むと、レニを抱き上げて頬を擦り寄せた。
「レニ、元気でね。強くなってお母さんを守るんだよ。そして大きくなったら俺の騎士になる?」
「うん!」
言葉の意味をよく理解してないだろうけど、大きく頷くレニが可愛い。
俺は、レニの頭を撫でると、そっとアイリスの前に降ろした。
「アイリス、俺はアルを愛してるんだ。誰よりも強く。アルへの想いを遂げられなかった人達がいることもわかってる。でも、この想いは譲れない。俺は、アルやエン国の為に頑張るから、遠くから見ていてくれると嬉しい」
俺がアイリスの右手の上に手を重ねると、更にその上にアイリスが左手を重ねた。
「はい…遠くから応援しております。どうか、アルファム様と末永くお幸せに…」
アイリスが、初めて俺に笑顔を見せた。
レニも、アイリスにしがみつきながら、可愛く笑う。
俺は胸が詰まってしまい、笑おうとしたのに、泣き笑いの変な顔になってしまった。
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俺は、段を降りて前に進むと、レニを抱き上げて頬を擦り寄せた。
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「うん!」
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