204 / 432
番外編 芽吹き 2
しおりを挟む
シアンが「とりあえず座りましょうか」と俺とアルファムにソファーを示す。
俺は、アルファムの腕を引っ張ると、並んでソファーに座った。
ソファーに座っても、俺はアルファムの腕を掴んだままで、下から顔を覗き込む。
きっと、俺は目をキラキラとさせていたんだろう。
渋い顔をしていたアルファムが、ふっ…と表情を緩めて笑った。
「おまえのそんな嬉しそうな顔を見てると、頭ごなしに否とは言えないな。前にも聞いたが、カナは、本当に俺との子が欲しいのか?」
「欲しい!すっごく欲しい!さっきの話からすると、男でも産めるんだろ?」
「まあな。俺はなるべくならこのことをカナには知られたくなかった」
「なんで…っ?」
上がっていた気持ちが、一気に叩き落とされた気がした。
俺は、ぽろぽろと涙を流しながら、アルファムに詰め寄る。
「アルはっ、俺との子供は欲しくないのっ?やっぱり子供は女の人との間がいいの…っ?」
「泣き虫め。バカなことを言うな。俺が欲しいのは、カナの子供だけだ」
「じゃあっ、なんで子供が産めること、教えてくれなかったの?」
アルファムは、少し寂しそうな顔をして、大きな手で俺の涙を拭く。
「教えると、おまえが産むと言うことがわかっていたからだ。俺はおまえとの子が欲しいぞ?だが抵抗がある。…それに、俺はおまえさえいてくれれば充分幸せなのだ」
「抵抗って…。やっぱり俺が男だから?」
アルファムが、俺を抱き上げて自分の膝の上に乗せる。
俺は、アルファムの胸に顔を押しつけて、アルファムのシャツで涙を拭いた。
優しく俺の髪の毛を撫でるアルファムの手が気持ちいい。
いつの間にか部屋の外に出ていたらしいシアンが、トレイに飲み物を乗せて戻って来た。
「そうだ。おまえが男だから、躊躇っていたのだ」
「え…」
ビクン!と揺れた俺の身体を、アルファムが強く抱きしめる。
「勘違いするな。最後まで聞け。カナ、この世界には、魔法があるだろう?」
「うん…」
「魔法の力は無限だ。簡単に出来る訳では無いが、男の腹に子供を宿す袋を作る薬を、魔法で生成することが出来る」
「えっ、すごい!そんなことが出来るの?」
「数が作れない物だから、とても高価だ。だが、本当に子供が欲しい男同士の夫婦は、頑張って働いて、その薬を使って子供を作る者もいる」
「あ…!アルは高価な薬だから躊躇っていたの?」
顔を上げると、アルファムが、目を大きく開いた後に、ふっと笑った。
「馬鹿者。俺を誰だと思っている。この国の王だぞ。そんな薬など幾らでも買える」
「え…じゃあ何で…」
「カナ、今から話すことは心して聞け。いいな?」
アルファムの真剣な表情に、俺は深く頷いた。
俺は、アルファムの腕を引っ張ると、並んでソファーに座った。
ソファーに座っても、俺はアルファムの腕を掴んだままで、下から顔を覗き込む。
きっと、俺は目をキラキラとさせていたんだろう。
渋い顔をしていたアルファムが、ふっ…と表情を緩めて笑った。
「おまえのそんな嬉しそうな顔を見てると、頭ごなしに否とは言えないな。前にも聞いたが、カナは、本当に俺との子が欲しいのか?」
「欲しい!すっごく欲しい!さっきの話からすると、男でも産めるんだろ?」
「まあな。俺はなるべくならこのことをカナには知られたくなかった」
「なんで…っ?」
上がっていた気持ちが、一気に叩き落とされた気がした。
俺は、ぽろぽろと涙を流しながら、アルファムに詰め寄る。
「アルはっ、俺との子供は欲しくないのっ?やっぱり子供は女の人との間がいいの…っ?」
「泣き虫め。バカなことを言うな。俺が欲しいのは、カナの子供だけだ」
「じゃあっ、なんで子供が産めること、教えてくれなかったの?」
アルファムは、少し寂しそうな顔をして、大きな手で俺の涙を拭く。
「教えると、おまえが産むと言うことがわかっていたからだ。俺はおまえとの子が欲しいぞ?だが抵抗がある。…それに、俺はおまえさえいてくれれば充分幸せなのだ」
「抵抗って…。やっぱり俺が男だから?」
アルファムが、俺を抱き上げて自分の膝の上に乗せる。
俺は、アルファムの胸に顔を押しつけて、アルファムのシャツで涙を拭いた。
優しく俺の髪の毛を撫でるアルファムの手が気持ちいい。
いつの間にか部屋の外に出ていたらしいシアンが、トレイに飲み物を乗せて戻って来た。
「そうだ。おまえが男だから、躊躇っていたのだ」
「え…」
ビクン!と揺れた俺の身体を、アルファムが強く抱きしめる。
「勘違いするな。最後まで聞け。カナ、この世界には、魔法があるだろう?」
「うん…」
「魔法の力は無限だ。簡単に出来る訳では無いが、男の腹に子供を宿す袋を作る薬を、魔法で生成することが出来る」
「えっ、すごい!そんなことが出来るの?」
「数が作れない物だから、とても高価だ。だが、本当に子供が欲しい男同士の夫婦は、頑張って働いて、その薬を使って子供を作る者もいる」
「あ…!アルは高価な薬だから躊躇っていたの?」
顔を上げると、アルファムが、目を大きく開いた後に、ふっと笑った。
「馬鹿者。俺を誰だと思っている。この国の王だぞ。そんな薬など幾らでも買える」
「え…じゃあ何で…」
「カナ、今から話すことは心して聞け。いいな?」
アルファムの真剣な表情に、俺は深く頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
11月にアンダルシュノベルズ様から出版されます!
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまいネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙にはAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。
校正も自力です(笑)
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる