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奏の想い 11
夜中に、ふと目を覚ました。確信はないけど、部屋の外に誰かいる。
俺は、アルファムを起こさないように、そっとベッドを降りて扉を開けた。
「ふふ…何してるの?」
「カナ…」
カエンが、廊下の壁にもたれて立っていた。
俺が声をかけると、泣きそうな顔で近寄り、俺を抱きしめた。
「どうしたの?怖い夢でも見た?」
「そんなんじゃない。でも怖い予感ならしてる。カナ…大丈夫?」
「なにが?俺は大丈夫だよ。熱もないし目眩もしてない」
「でも…」
「カエン、ありがとう。俺のこと心配して来てくれたんだね」
「…うん、心配で眠れなかった」
「そっか。でもほら、俺は元気だろ?安心して早く寝て。明日も忙しいんだから」
「本当に?大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「…わかった。おやすみカナ。また明日な?」
「うん、おやすみ…明日ね」
名残惜しそうに離れるカエンに、手招きをする。
不思議そうに顔を寄せたカエンの頭を、俺はギュッと抱きしめた。
「カエン、生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ」
「カナ?」
「カエンは?」
「もちろん!大好きだよ!」
「ん、良い子」
俺が笑って頭を撫でると、カエンは、やっと笑顔になって、手を振りながら部屋へ戻って行った。
「だめだなぁ。アルとカエンに心配かけ過ぎてるなぁ。ふふっ、でもさ、二人とも俺のこと大好き過ぎじゃない?」
カエンの背中を見送りながら、ふふっ…と笑った拍子に、涙が零れた。
ずっと泣かないようにしてたのに、一度零れてしまうと止まらなくなった。
このまま部屋に戻るとアルファムに気づかれてしまう。かと言って、ここにいると見回りの兵に見つかってしまう。
俺は、開けたままだった扉を静かに閉めると、ある場所に向かった。
唇を噛んで声が出ないようにしていたけど、涙を止めることが出来ない。
俺は、中庭へと出る扉を開けると、一直線で泉に向かった。
泉に着くなり座り込み、縁に顔を伏せて声を上げて泣いた。
俺が死んでしまうことが悲しくて泣いてるんじゃない。
アルやカエンや、炎の国やこの世界にいる皆を悲しませてしまうことが辛くて泣いてるんだ。
眠る前に聞こえたアルの震えた声。身体は俺よりも大きくなったのに、俺を心配して眠れないと言うカエン。
ごめんね、辛い思いをさせてしまうけど、ごめんね。
「カナ、なぜこんな所で一人で泣いている。泣くなら俺の胸で泣け」
「…アル」
ふわりと俺の身体が宙に浮き、アルファムに抱き上げられた。
俺は、アルファムの首に腕を回しながら、口をへの字に曲げる。
「…起きてたの?」
「おまえが起きる前から起きていた。というより、ずっと起きて、おまえの寝顔を見ていた。眠れなかったからな」
「じゃあ…カエンが来たことも…」
「知っている。あいつは、いつまで経ってもおまえに甘えて困ったものだな」
ふっと目を細めるアルファムを見て、俺は更に涙を流す。
「なんだ?俺が傍にいるではないか。なぜ泣き止まない?」
「…アルのせいっ…だよ…っ」
「そうか…それは困ったな」
アルファムは、全てわかってるんだ。なのに何も言わないで、見守ってくれていたんだ。
どこまでも俺を想って優しいアルファムに、俺はたまらない気持ちになって、益々声を上げて泣いた。
夜中に、ふと目を覚ました。確信はないけど、部屋の外に誰かいる。
俺は、アルファムを起こさないように、そっとベッドを降りて扉を開けた。
「ふふ…何してるの?」
「カナ…」
カエンが、廊下の壁にもたれて立っていた。
俺が声をかけると、泣きそうな顔で近寄り、俺を抱きしめた。
「どうしたの?怖い夢でも見た?」
「そんなんじゃない。でも怖い予感ならしてる。カナ…大丈夫?」
「なにが?俺は大丈夫だよ。熱もないし目眩もしてない」
「でも…」
「カエン、ありがとう。俺のこと心配して来てくれたんだね」
「…うん、心配で眠れなかった」
「そっか。でもほら、俺は元気だろ?安心して早く寝て。明日も忙しいんだから」
「本当に?大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「…わかった。おやすみカナ。また明日な?」
「うん、おやすみ…明日ね」
名残惜しそうに離れるカエンに、手招きをする。
不思議そうに顔を寄せたカエンの頭を、俺はギュッと抱きしめた。
「カエン、生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ」
「カナ?」
「カエンは?」
「もちろん!大好きだよ!」
「ん、良い子」
俺が笑って頭を撫でると、カエンは、やっと笑顔になって、手を振りながら部屋へ戻って行った。
「だめだなぁ。アルとカエンに心配かけ過ぎてるなぁ。ふふっ、でもさ、二人とも俺のこと大好き過ぎじゃない?」
カエンの背中を見送りながら、ふふっ…と笑った拍子に、涙が零れた。
ずっと泣かないようにしてたのに、一度零れてしまうと止まらなくなった。
このまま部屋に戻るとアルファムに気づかれてしまう。かと言って、ここにいると見回りの兵に見つかってしまう。
俺は、開けたままだった扉を静かに閉めると、ある場所に向かった。
唇を噛んで声が出ないようにしていたけど、涙を止めることが出来ない。
俺は、中庭へと出る扉を開けると、一直線で泉に向かった。
泉に着くなり座り込み、縁に顔を伏せて声を上げて泣いた。
俺が死んでしまうことが悲しくて泣いてるんじゃない。
アルやカエンや、炎の国やこの世界にいる皆を悲しませてしまうことが辛くて泣いてるんだ。
眠る前に聞こえたアルの震えた声。身体は俺よりも大きくなったのに、俺を心配して眠れないと言うカエン。
ごめんね、辛い思いをさせてしまうけど、ごめんね。
「カナ、なぜこんな所で一人で泣いている。泣くなら俺の胸で泣け」
「…アル」
ふわりと俺の身体が宙に浮き、アルファムに抱き上げられた。
俺は、アルファムの首に腕を回しながら、口をへの字に曲げる。
「…起きてたの?」
「おまえが起きる前から起きていた。というより、ずっと起きて、おまえの寝顔を見ていた。眠れなかったからな」
「じゃあ…カエンが来たことも…」
「知っている。あいつは、いつまで経ってもおまえに甘えて困ったものだな」
ふっと目を細めるアルファムを見て、俺は更に涙を流す。
「なんだ?俺が傍にいるではないか。なぜ泣き止まない?」
「…アルのせいっ…だよ…っ」
「そうか…それは困ったな」
アルファムは、全てわかってるんだ。なのに何も言わないで、見守ってくれていたんだ。
どこまでも俺を想って優しいアルファムに、俺はたまらない気持ちになって、益々声を上げて泣いた。
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