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母さまの手紙からは、イグニスの森が、ここ中央の城の北側にあるとしかわからなかった。
ただ、もう既に二人が住むための家が出来てることはわかった。
本当に小さな、木で作られた家。所々に、赤い装飾があるらしい。
家が出来てるということは、家を建てた職人がいるはずだ。その職人に場所を聞けばいいのでは…とリオに言ったけど、「そもそも、どこの職人に頼んだのかすらわかりません」と答えが返ってきた。
「そうだよな…」
はあ…と大きく溜息を吐いて、再び椅子に背中を預ける。
あとはシアン頼みだなと目を閉じたその時、ちょうどシアンが戻って来た。
「カエン様、失礼します。お休みでしたか?」
「大丈夫。ちょっと疲れただけ…」
「では少しだけ話をして、その後にお休み下さい」
「話?何かわかったのか?」
俺が背もたれから身体を起こすと同時に、シアンが傍に来る。
シアンに椅子に座るように促すと、俺の隣に腰を下ろした。
「カエン様、イグニスの森を知ってる者がおりました」
「ほんとっ?北の出身者の中に?」
「はい。他に知る者はおりませんでしたが、その者一人だけが知っておりました。そんなに小さくはない森らしいですが、地元の者でも名前を知ってる者は少ないそうです」
俺は、今度は安堵の息を大きく吐き出した。
「そっか…良かった。それで、どこにあるって?」
「ここからまっすぐ北に、馬で五日ほど進めば着くと。飛翔馬なら、二日で着く距離だそうです」
「わかった。じゃあすぐに出よう!」
音を立てて立ち上がった俺を、シアンがやんわりと止める。
「お待ちください。カエン様は、今朝までアルファム様とカナデ様を捜しておられた。ご自身では大丈夫だと思っていても、傍から見ればかなり疲れていらっしゃいます。今日明日はゆっくりと身体を休めて、それから出発なさって下さい」
「…わかった。途中で倒れたら、もっと時間がかかるもんな。…でもまた留守にして、国政は大丈夫かな」
「ローラント様が、しっかりとやって下さってます」
「ねえシアン…。俺、思うんだけど、父さまはもう、王様として国を守れないんじゃないかな…。だからローラントおじさんが次の王になったらどうかな…」
「カエン様。今言ったことをローラント様に聞かれましたら、きつく怒られますよ。ローラント様は、兄であるアルファム様やカナデ様、カエン様をとても尊敬してらっしゃいます。あながいるのに王様になることは、絶対にありません。あなたがいなかったとしても、絶対にありません」
「なんで?」
「俺の口からは言えませんが、ローラント様に王位継承権はありません。ローラント様に王になる意思もありません。もしもアルファム様が王の座を降りるのでしたら、次の王はあなたです。…近々、そうなるかもしれませんので、カエン様、どうぞ覚悟を決めてくださいますよう…」
「…わかった」
母さまを失って、とても憔悴した父さまを見ていて、俺の即位も近いのでは…と思っていた。
でもまずは、この国の行く末の為にも、必ず父さまを捜さなければ…!
ただ、もう既に二人が住むための家が出来てることはわかった。
本当に小さな、木で作られた家。所々に、赤い装飾があるらしい。
家が出来てるということは、家を建てた職人がいるはずだ。その職人に場所を聞けばいいのでは…とリオに言ったけど、「そもそも、どこの職人に頼んだのかすらわかりません」と答えが返ってきた。
「そうだよな…」
はあ…と大きく溜息を吐いて、再び椅子に背中を預ける。
あとはシアン頼みだなと目を閉じたその時、ちょうどシアンが戻って来た。
「カエン様、失礼します。お休みでしたか?」
「大丈夫。ちょっと疲れただけ…」
「では少しだけ話をして、その後にお休み下さい」
「話?何かわかったのか?」
俺が背もたれから身体を起こすと同時に、シアンが傍に来る。
シアンに椅子に座るように促すと、俺の隣に腰を下ろした。
「カエン様、イグニスの森を知ってる者がおりました」
「ほんとっ?北の出身者の中に?」
「はい。他に知る者はおりませんでしたが、その者一人だけが知っておりました。そんなに小さくはない森らしいですが、地元の者でも名前を知ってる者は少ないそうです」
俺は、今度は安堵の息を大きく吐き出した。
「そっか…良かった。それで、どこにあるって?」
「ここからまっすぐ北に、馬で五日ほど進めば着くと。飛翔馬なら、二日で着く距離だそうです」
「わかった。じゃあすぐに出よう!」
音を立てて立ち上がった俺を、シアンがやんわりと止める。
「お待ちください。カエン様は、今朝までアルファム様とカナデ様を捜しておられた。ご自身では大丈夫だと思っていても、傍から見ればかなり疲れていらっしゃいます。今日明日はゆっくりと身体を休めて、それから出発なさって下さい」
「…わかった。途中で倒れたら、もっと時間がかかるもんな。…でもまた留守にして、国政は大丈夫かな」
「ローラント様が、しっかりとやって下さってます」
「ねえシアン…。俺、思うんだけど、父さまはもう、王様として国を守れないんじゃないかな…。だからローラントおじさんが次の王になったらどうかな…」
「カエン様。今言ったことをローラント様に聞かれましたら、きつく怒られますよ。ローラント様は、兄であるアルファム様やカナデ様、カエン様をとても尊敬してらっしゃいます。あながいるのに王様になることは、絶対にありません。あなたがいなかったとしても、絶対にありません」
「なんで?」
「俺の口からは言えませんが、ローラント様に王位継承権はありません。ローラント様に王になる意思もありません。もしもアルファム様が王の座を降りるのでしたら、次の王はあなたです。…近々、そうなるかもしれませんので、カエン様、どうぞ覚悟を決めてくださいますよう…」
「…わかった」
母さまを失って、とても憔悴した父さまを見ていて、俺の即位も近いのでは…と思っていた。
でもまずは、この国の行く末の為にも、必ず父さまを捜さなければ…!
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