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アレンが無言でエイルリスの腕を掴んだまま歩く。強い力だ。いつものアレンと違う雰囲気を醸している。不思議な奴だ。
エイルリスは、本当のアレンはどんな性格なのか、知りたくなった。人に興味を持つなど癪だけど、知りたくなった。
恐らく友達がいないというのは嘘だ。高等部から入学したというのも嘘だ。ユラはアレンのことを、中等部から知っていたらしいから。俺に近づくために、アレンは嘘を言ったのだ。
でも、不思議と腹は立たない。きっと、俺と仲良くなりたいという言葉は本当だ。アレンから悪意は感じられない。俺は、好意や悪意という、人の気持ちも読み取れる。アレンからは、好意しか感じられない。だからこそ、好ましく思っている俺に、敵意むき出しのユラが許せなくて怒ったのだろう。でもさ、ユラが倒れるほどの怖い顔ってどんなだよ。
「くくっ」
「え?どうしたの?」
いきなりエイルリスが笑ったので、アレンが足を止めて振り返り、目を丸くする。
その顔を見て、エイルリスは、なぜか安心した。エイルリスが知る、いつものアレンだったから。
エイルリスは、手首で口元を押さえて笑いをこらえる。
「おまえ…ユラの前でどんな顔したの?俺もおまえの怖い顔、見たい」
「…しないよ。ていうか、できない。ルリスの前では、やろうと思ってもできないよ」
「なんでだよ。俺に腹立つこともあるだろ」
「ないよ。ルリスに何されても、俺は怒らない」
「へぇ。じゃあ手を離せ。俺は図書室へ行くから、おまえは部屋に戻れ」
「嫌だ」
「あのなぁ、部屋に戻って休めって言ってんだよ。適当に手当てしたけど、何の薬がかかったのかわからないんだ。本当は、あの場に残って、ユラを叩き起こして聞くべきだった」
「あいつは嫌い。ルリスにひどいことを言ったし。それに、あいつの傍にいたら、今度こそルリスが危ないし」
「ケントってやつがいたから大丈夫だろ」
「そいつも信用できない」
「おまえって、意外と頑固だな」
「ルリスに関しては、妥協はできないよ」
「ふーん」
エイルリスは説得を諦めた。とりあえず、アレンの手を外し、図書室へ向かう。
今日はずいぶんと時間を無駄にした。アレンを説得する時間ももったいない。だから、アレンを帰すことを諦めて、図書室に行った。
図書室には、すでに五、六人の生徒がいた。各自離れて座り、調べ物や勉強をしている。
エイルリスも、先週末に途中まで読んでいた本を持って、窓に近い席に座った。
図書室に入るなり離れたアレンも、本を手に戻ってきた。黒字に金文字で題名が書かれた、古そうな本だ。
向かい側に座ったアレンと目が合う。
エイルリスは睨みつけたが、アレンは微笑んでいる。本当に、俺が何をしても怒らないんだなと、エイルリスは小さく息を吐いた。
「おまえも本を読むことがあるのか」
「ええっ。ルリスに知っておいてほしいんだけど、俺は成績いいよ?賢いんだよ?」
「自分で言う奴のことは、信用できない」
「いやいや、本当だから」
「ふーん。で、何を読むんだ?」
「…笑わない?」
「内容による」
「これは、悪魔に関して書かれた本。俺さ、悪魔に興味あるんだよ。ルリスは、悪魔はいると思う?」
「…思う」
予想に反して、エイルリスが肯定したからか、アレンが嬉しそうに立ち上がった。
エイルリスは、本当のアレンはどんな性格なのか、知りたくなった。人に興味を持つなど癪だけど、知りたくなった。
恐らく友達がいないというのは嘘だ。高等部から入学したというのも嘘だ。ユラはアレンのことを、中等部から知っていたらしいから。俺に近づくために、アレンは嘘を言ったのだ。
でも、不思議と腹は立たない。きっと、俺と仲良くなりたいという言葉は本当だ。アレンから悪意は感じられない。俺は、好意や悪意という、人の気持ちも読み取れる。アレンからは、好意しか感じられない。だからこそ、好ましく思っている俺に、敵意むき出しのユラが許せなくて怒ったのだろう。でもさ、ユラが倒れるほどの怖い顔ってどんなだよ。
「くくっ」
「え?どうしたの?」
いきなりエイルリスが笑ったので、アレンが足を止めて振り返り、目を丸くする。
その顔を見て、エイルリスは、なぜか安心した。エイルリスが知る、いつものアレンだったから。
エイルリスは、手首で口元を押さえて笑いをこらえる。
「おまえ…ユラの前でどんな顔したの?俺もおまえの怖い顔、見たい」
「…しないよ。ていうか、できない。ルリスの前では、やろうと思ってもできないよ」
「なんでだよ。俺に腹立つこともあるだろ」
「ないよ。ルリスに何されても、俺は怒らない」
「へぇ。じゃあ手を離せ。俺は図書室へ行くから、おまえは部屋に戻れ」
「嫌だ」
「あのなぁ、部屋に戻って休めって言ってんだよ。適当に手当てしたけど、何の薬がかかったのかわからないんだ。本当は、あの場に残って、ユラを叩き起こして聞くべきだった」
「あいつは嫌い。ルリスにひどいことを言ったし。それに、あいつの傍にいたら、今度こそルリスが危ないし」
「ケントってやつがいたから大丈夫だろ」
「そいつも信用できない」
「おまえって、意外と頑固だな」
「ルリスに関しては、妥協はできないよ」
「ふーん」
エイルリスは説得を諦めた。とりあえず、アレンの手を外し、図書室へ向かう。
今日はずいぶんと時間を無駄にした。アレンを説得する時間ももったいない。だから、アレンを帰すことを諦めて、図書室に行った。
図書室には、すでに五、六人の生徒がいた。各自離れて座り、調べ物や勉強をしている。
エイルリスも、先週末に途中まで読んでいた本を持って、窓に近い席に座った。
図書室に入るなり離れたアレンも、本を手に戻ってきた。黒字に金文字で題名が書かれた、古そうな本だ。
向かい側に座ったアレンと目が合う。
エイルリスは睨みつけたが、アレンは微笑んでいる。本当に、俺が何をしても怒らないんだなと、エイルリスは小さく息を吐いた。
「おまえも本を読むことがあるのか」
「ええっ。ルリスに知っておいてほしいんだけど、俺は成績いいよ?賢いんだよ?」
「自分で言う奴のことは、信用できない」
「いやいや、本当だから」
「ふーん。で、何を読むんだ?」
「…笑わない?」
「内容による」
「これは、悪魔に関して書かれた本。俺さ、悪魔に興味あるんだよ。ルリスは、悪魔はいると思う?」
「…思う」
予想に反して、エイルリスが肯定したからか、アレンが嬉しそうに立ち上がった。
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