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アレンは目を丸くした後に、困った顔をした。
エイルリスは眉を寄せる。
なんだ?俺に悪魔のことを語っていたくせに、話したくないのか?
「話したくないなら、もうい……」
「違うよ!ルリスが聞きたいって言ってくれたことは、すごく嬉しい。でも、前に怒らせてしまっただろ?俺が話すことで、またルリスが嫌な気持ちにならないか、不安なんだ」
「まあ、あの時は、ろくに話も聞かずに悪かったよ。でも今は、俺から聞きたいと言ったんだ。だから、何を聞いても怒らない」
「ほんと?」
「ああ」
アレンが、安堵したように小さく息を吐いた。そして、饒舌に語り出した。本心は、よほど話したかったようだ。
「その羽根の悪魔と会ったことがある、って言ったら、信じる?」
「信じる」
エイルリスは即答する。
悪魔も天使も、実在するからな。俺は天使だし。
アレンの顔が、困ったものからいつもの穏やかなものに変わる。
「よかったぁ。信じてくれなきゃ、話が進まないから。あれは俺が五歳くらいの時だったかな。誘拐されかけたことがあったんだ」
「へぇ。災難だったな」
「まあね。まだ幼かったけど、すごく怖かったことを覚えてる。今でも犯人はわからないんだけど、その時に助けてくれたのが、この羽根の悪魔だったんだ」
「はあ?悪魔が?人の子を助けた?おまえ、夢と間違えてないか?」
「間違えてないよ!その羽根が証拠だよ。暗い場所で殺されそうになった時、暗闇の中からあの方が現れた。赤い目を光らせ、黒く大きな翼を広げた姿は、冷静に見れば恐ろしい姿なんだけど、子供の俺は、神々しく見えたんだ」
「ふーん」
話の邪魔をしたくないから反論はしない。だけど、心の中では文句を言ってやる。あいつの姿は、悪魔以外の何者でもないだろうが。神々しいなんて有り得ない。アレンはまだ子供だったし、恐ろしい目に遭っていたから、誰にでも縋りたい気持ちだったんだろう。目の前の犯人が、最も怖い。だから犯人以外であれば、誰もが助けてくれる存在に思えたのだ。それが恐ろしい悪魔であっても。
アレンは続ける。
「犯人は悪魔を見ると、悲鳴をあげて逃げた。俺は安心したのと、どこにいるのかわからなくて泣いたんだ。そうしたら、あの方が、優しく頭を撫でてくれた。俺が泣き止むまでずっと」
「なんだよそれ」と、エイルリスは口の中で吐き捨てる。
そいつは、本当にあの夜の悪魔だろうか?両親と兄を、容赦なく殺したあいつなのか?そんな優しさの欠片も感じなかった。もしかして、アレンが会ったのは、違う悪魔か?
エイルリスは眉を寄せる。
なんだ?俺に悪魔のことを語っていたくせに、話したくないのか?
「話したくないなら、もうい……」
「違うよ!ルリスが聞きたいって言ってくれたことは、すごく嬉しい。でも、前に怒らせてしまっただろ?俺が話すことで、またルリスが嫌な気持ちにならないか、不安なんだ」
「まあ、あの時は、ろくに話も聞かずに悪かったよ。でも今は、俺から聞きたいと言ったんだ。だから、何を聞いても怒らない」
「ほんと?」
「ああ」
アレンが、安堵したように小さく息を吐いた。そして、饒舌に語り出した。本心は、よほど話したかったようだ。
「その羽根の悪魔と会ったことがある、って言ったら、信じる?」
「信じる」
エイルリスは即答する。
悪魔も天使も、実在するからな。俺は天使だし。
アレンの顔が、困ったものからいつもの穏やかなものに変わる。
「よかったぁ。信じてくれなきゃ、話が進まないから。あれは俺が五歳くらいの時だったかな。誘拐されかけたことがあったんだ」
「へぇ。災難だったな」
「まあね。まだ幼かったけど、すごく怖かったことを覚えてる。今でも犯人はわからないんだけど、その時に助けてくれたのが、この羽根の悪魔だったんだ」
「はあ?悪魔が?人の子を助けた?おまえ、夢と間違えてないか?」
「間違えてないよ!その羽根が証拠だよ。暗い場所で殺されそうになった時、暗闇の中からあの方が現れた。赤い目を光らせ、黒く大きな翼を広げた姿は、冷静に見れば恐ろしい姿なんだけど、子供の俺は、神々しく見えたんだ」
「ふーん」
話の邪魔をしたくないから反論はしない。だけど、心の中では文句を言ってやる。あいつの姿は、悪魔以外の何者でもないだろうが。神々しいなんて有り得ない。アレンはまだ子供だったし、恐ろしい目に遭っていたから、誰にでも縋りたい気持ちだったんだろう。目の前の犯人が、最も怖い。だから犯人以外であれば、誰もが助けてくれる存在に思えたのだ。それが恐ろしい悪魔であっても。
アレンは続ける。
「犯人は悪魔を見ると、悲鳴をあげて逃げた。俺は安心したのと、どこにいるのかわからなくて泣いたんだ。そうしたら、あの方が、優しく頭を撫でてくれた。俺が泣き止むまでずっと」
「なんだよそれ」と、エイルリスは口の中で吐き捨てる。
そいつは、本当にあの夜の悪魔だろうか?両親と兄を、容赦なく殺したあいつなのか?そんな優しさの欠片も感じなかった。もしかして、アレンが会ったのは、違う悪魔か?
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