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カップが音を立てて机の上に転がる。
エイルリスは、肩で息をしてカップを見た。指先がジンジンとするが痛みを感じない。
気がつくとカップを掴んでいた。そうするつもりはなかったのに。
アレンの記憶を取り戻したい。だけど、薬に頼るのは違う気がする。しかも怪しい薬だ。どうしても思い出して欲しくて薬に頼ろうとしたけど、やっぱり嫌だ。
立ち尽くすエイルリスの腕を、アレンが掴んで強く引く。
「早く冷やさないとっ」
洗面所へ連れて行こうとするけど、エイルリスは動かない。
焦れたアレンが怒鳴る。
「早く!」
「…せよ」
「え?なに?」
エイルリスの言葉を聞き取ろうと、アレンが顔を寄せた瞬間、エイルリスはアレンのシャツを掴んで引き寄せた。
丸く見開かれた目を見つめながら、エイルリスは強引にキスをする。強く唇を押しつけ、開いた隙間から舌を入れる。
アレンは抵抗しなかった。素直に舌を受け入れている。それだけでなく、エイルリスを抱きしめ、自ら舌を絡めて吸っている。
どれくらいの時間、そうしていたのだろうか。
しばらくして、二人の顔が離れた。
エイルリスがアレンを見つめると、アレンもエイルリスを見つめた。
「なぜ?」とアレンが問う。
「…だせよ」
「なに?」
「思い出せよ!俺のこと!」
「…エイ…ルリス」
アレンのインディゴブルーの瞳に、子供のように顔をくしゃくしゃにして泣く顔が映っている。
「くそ…アレン、いい加減にしろよ!アンバーの術なんて跳ね返せよ!おまえは力が強い悪魔だろっ」
ひと息に叫ぶと、エイルリスは顔を覆ってアレンから離れた。
ああ、もうダメだ。アレンからすれば、俺は意味不明なことを叫ぶ頭のおかしい奴に見えるだろう。しかもいきなりキスをしたし。全然うまくいかない。俺が計画して壊した。何してんだよ、俺。…でも、アレンはなぜ、キスを嫌がらなかったんだ?初めて会ったと思ってる俺にキスをされたのに、抵抗しなかった。むしろ、深くキスをしてきた。まさか…もう一度、俺に好意を持ってくれてる?
そうなら嬉しい。嬉しいけど、ダメなんだ。前のアレンがいい。俺のことを覚えてるアレンが。
エイルリスの涙が止まらない。きっとアレンは困っている。
もう帰っていいと言おうとして顔を上げると、アレンが間近にいて驚いた。しかしすぐに再び俯く。
「アレン…ごめん」
「なぜ謝るの?」
「キスして…勝手に泣いて…わけわかんないよな」
「いや…。ごめん、謝るのは俺の方だよ」
アレンがエイルリスの涙を拭う。
「ふふっ、俺に泣き虫だとか言うくせに、ルリスも泣き虫だな」
「…え?」
「ルリスの反応がかわいくて、ずっと見ていたくて、なかなか言い出せなかった。本当にごめん」
瞬きをしたエイルリスの目から、宝石のような涙がポロボロと落ちた。
エイルリスは、肩で息をしてカップを見た。指先がジンジンとするが痛みを感じない。
気がつくとカップを掴んでいた。そうするつもりはなかったのに。
アレンの記憶を取り戻したい。だけど、薬に頼るのは違う気がする。しかも怪しい薬だ。どうしても思い出して欲しくて薬に頼ろうとしたけど、やっぱり嫌だ。
立ち尽くすエイルリスの腕を、アレンが掴んで強く引く。
「早く冷やさないとっ」
洗面所へ連れて行こうとするけど、エイルリスは動かない。
焦れたアレンが怒鳴る。
「早く!」
「…せよ」
「え?なに?」
エイルリスの言葉を聞き取ろうと、アレンが顔を寄せた瞬間、エイルリスはアレンのシャツを掴んで引き寄せた。
丸く見開かれた目を見つめながら、エイルリスは強引にキスをする。強く唇を押しつけ、開いた隙間から舌を入れる。
アレンは抵抗しなかった。素直に舌を受け入れている。それだけでなく、エイルリスを抱きしめ、自ら舌を絡めて吸っている。
どれくらいの時間、そうしていたのだろうか。
しばらくして、二人の顔が離れた。
エイルリスがアレンを見つめると、アレンもエイルリスを見つめた。
「なぜ?」とアレンが問う。
「…だせよ」
「なに?」
「思い出せよ!俺のこと!」
「…エイ…ルリス」
アレンのインディゴブルーの瞳に、子供のように顔をくしゃくしゃにして泣く顔が映っている。
「くそ…アレン、いい加減にしろよ!アンバーの術なんて跳ね返せよ!おまえは力が強い悪魔だろっ」
ひと息に叫ぶと、エイルリスは顔を覆ってアレンから離れた。
ああ、もうダメだ。アレンからすれば、俺は意味不明なことを叫ぶ頭のおかしい奴に見えるだろう。しかもいきなりキスをしたし。全然うまくいかない。俺が計画して壊した。何してんだよ、俺。…でも、アレンはなぜ、キスを嫌がらなかったんだ?初めて会ったと思ってる俺にキスをされたのに、抵抗しなかった。むしろ、深くキスをしてきた。まさか…もう一度、俺に好意を持ってくれてる?
そうなら嬉しい。嬉しいけど、ダメなんだ。前のアレンがいい。俺のことを覚えてるアレンが。
エイルリスの涙が止まらない。きっとアレンは困っている。
もう帰っていいと言おうとして顔を上げると、アレンが間近にいて驚いた。しかしすぐに再び俯く。
「アレン…ごめん」
「なぜ謝るの?」
「キスして…勝手に泣いて…わけわかんないよな」
「いや…。ごめん、謝るのは俺の方だよ」
アレンがエイルリスの涙を拭う。
「ふふっ、俺に泣き虫だとか言うくせに、ルリスも泣き虫だな」
「…え?」
「ルリスの反応がかわいくて、ずっと見ていたくて、なかなか言い出せなかった。本当にごめん」
瞬きをしたエイルリスの目から、宝石のような涙がポロボロと落ちた。
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