113 / 115
4
しおりを挟む
「ごめん、言うの忘れてた。オリスだけどさ、男女問わず襲ってるらしいんだよ。それで今まで襲われた人達の容姿が、全員、金髪で細身で色が白かったんだって。どういうことかわかる?全員、エイルリスと雰囲気が似てるんだ。もちろん、エイルリスみたいに美しくはないよ?でも、遠くからとか後ろから見れば、何となくエイルリスに見えなくもないのかも」
エイルリスは無反応だった。小さく舌打ちをしただけだ。
反応したのは、アレンだ。
「はあ?あいつがルリスを狙ってるって言いたいのか?」
「そうだよ。だから気をつけなよ。路地とか入んない方がいいよ。でもまあ大丈夫か。アレンがいるから」
「当然だ」
アレンは力強く頷くと、「ご忠告どうも」と言い、エイルリスの手を引いて離れていく。
エイルリスは手を引かれながら、何かを考えている様子だった。
自分に雰囲気が似てるせいで襲われた人間を憐れんでいるのだろうか。意味もなく殺された彼らの死を悼んでいるのだろうか。
いや、エイルリスはそんなことを思わない。天使は慈悲深いと思われているが、人間が死のうが殺されようが何も感じない。アンバーもそうだ。
エイルリスは、きっとオリスに腹を立てている。あれから八年も経っているのに、今だに自分を狙っているのかと怒っている。そしてエイルリス以上に、アレンは怒っているだろう。
アンバーは、小さくなっていく二人の背中を見て呟いた。
「オリスを捜すの面倒になってきた。ばったりエイルリスとアレンに会って、やられてくれないかな」
なんだか急に億劫になってきた。
今の季節は夏だ。日差しが強く暑い。強い日差しの影響を受けないよう、天使の力で肌を保護している。それでも汗をかき、体力が消耗される。早く気温の低い高地に行き、のんびりと過ごしたい。オリスが面倒な事件を起こさなければ、ゆっくりと休めていたのに。
アンバーも腹が立ってきた。自分に対するアレンの態度にも腹が立ってはいたけど、オリスに対しては猛烈に腹が立ってきた。
「今すぐ見つけて捕獲してやる!」
鼻息荒く言うと、早足で違う路地へと向かった。
エイルリスは無反応だった。小さく舌打ちをしただけだ。
反応したのは、アレンだ。
「はあ?あいつがルリスを狙ってるって言いたいのか?」
「そうだよ。だから気をつけなよ。路地とか入んない方がいいよ。でもまあ大丈夫か。アレンがいるから」
「当然だ」
アレンは力強く頷くと、「ご忠告どうも」と言い、エイルリスの手を引いて離れていく。
エイルリスは手を引かれながら、何かを考えている様子だった。
自分に雰囲気が似てるせいで襲われた人間を憐れんでいるのだろうか。意味もなく殺された彼らの死を悼んでいるのだろうか。
いや、エイルリスはそんなことを思わない。天使は慈悲深いと思われているが、人間が死のうが殺されようが何も感じない。アンバーもそうだ。
エイルリスは、きっとオリスに腹を立てている。あれから八年も経っているのに、今だに自分を狙っているのかと怒っている。そしてエイルリス以上に、アレンは怒っているだろう。
アンバーは、小さくなっていく二人の背中を見て呟いた。
「オリスを捜すの面倒になってきた。ばったりエイルリスとアレンに会って、やられてくれないかな」
なんだか急に億劫になってきた。
今の季節は夏だ。日差しが強く暑い。強い日差しの影響を受けないよう、天使の力で肌を保護している。それでも汗をかき、体力が消耗される。早く気温の低い高地に行き、のんびりと過ごしたい。オリスが面倒な事件を起こさなければ、ゆっくりと休めていたのに。
アンバーも腹が立ってきた。自分に対するアレンの態度にも腹が立ってはいたけど、オリスに対しては猛烈に腹が立ってきた。
「今すぐ見つけて捕獲してやる!」
鼻息荒く言うと、早足で違う路地へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
「あなたが見ているのは、誰ですか」
静羽(しずは)
BL
新人社員の湊 海(みなと かい)は大手企業に就職した。
情報処理システム課に配属された。
毎日作成した書類を営業課に届けている。
海は情報処理システム課で毎日作成した書類を営業課に届けている。
そこには営業課に所属するやり手社員、綾瀬 (あやせ はると)の姿があった。
顔見知りになった二人は、会社の歓迎会で席が隣になったことで打ち解け遥斗は湊に一目惚れしていた事、自分のセクシャリティを打ち明けた。
動揺しつつも受け入れたいと思う湊。
そのタイミングで大学時代に憧れていた先輩・人たらし朝霧 恒一(あさぎり こういち)と卒業後初めて再会し、湊の心は二人の間で揺れ動く。
あなたの家族にしてください
秋月真鳥
BL
ヒート事故で番ってしまったサイモンとティエリー。
情報部所属のサイモン・ジュネはアルファで、優秀な警察官だ。
闇オークションでオメガが売りに出されるという情報を得たサイモンは、チームの一員としてオークション会場に潜入捜査に行く。
そこで出会った長身で逞しくも美しいオメガ、ティエリー・クルーゾーのヒートにあてられて、サイモンはティエリーと番ってしまう。
サイモンはオメガのフェロモンに強い体質で、強い抑制剤も服用していたし、緊急用の抑制剤も打っていた。
対するティエリーはフェロモンがほとんど感じられないくらいフェロモンの薄いオメガだった。
それなのに、なぜ。
番にしてしまった責任を取ってサイモンはティエリーと結婚する。
一緒に過ごすうちにサイモンはティエリーの物静かで寂しげな様子に惹かれて愛してしまう。
ティエリーの方も誠実で優しいサイモンを愛してしまう。しかし、サイモンは責任感だけで自分と結婚したとティエリーは思い込んで苦悩する。
すれ違う運命の番が家族になるまでの海外ドラマ風オメガバースBLストーリー。
※奇数話が攻め視点で、偶数話が受け視点です。
※エブリスタ、ムーンライトノベルズ、ネオページにも掲載しています。
お腹いっぱい、召し上がれ
砂ねずみ
BL
料理研究家でαの藤白蒼は幼なじみで10個下のΩ晃と番になった。そんな二人の間に産まれた照は元気いっぱいな男の子。泣いたり、笑ったり、家族の温かみを感じながら藤白家の日常が穏やかに進んでいく。
そんな愛する妻と愛する息子、大切な家族のお腹いっぱい喜ぶ顔が見たいから。蒼は今日も明日もその先も、キッチンに立って腕を振るう。
さあ、お腹いっぱい、召し上がれ。
【完結】どうか私を思い出さないで
miniko
恋愛
コーデリアとアルバートは相思相愛の婚約者同士だった。
一年後には学園を卒業し、正式に婚姻を結ぶはずだったのだが……。
ある事件が原因で、二人を取り巻く状況が大きく変化してしまう。
コーデリアはアルバートの足手まといになりたくなくて、身を切る思いで別れを決意した。
「貴方に触れるのは、きっとこれが最後になるのね」
それなのに、運命は二人を再び引き寄せる。
「たとえ記憶を失ったとしても、きっと僕は、何度でも君に恋をする」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる