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ギデオンは、そんなアトラスを気にもとめずに、小さな布袋と水が入ったコップを手に、リオを呼ぶ。
「リオ、おいで。これを飲むといい。風邪の引き始めに効く」
「あ、うん。ありがとう」
リオは素直に頷き、ギデオンに走り寄る。そして渡された薬を飲むと、戸惑いつつ顔を上げギデオンを見つめた。
リオの意図を察したギデオンは、ローランとビクターに顔を向けて言う。
「リオを部屋で休ませたいのですが」
「うん、それがいいと思う。僕にはビクターが付いてるから大丈夫だよ。リオ、スープは後で飲もう」
「ありがとうございます。ビクター、いいか?」
「構わない。リオ、ゆっくり休めよ」
「はい。王子、ビクターさん、ありがとうございます」
ローランとビクターの優しい言葉に、リオは頭を下げた。そしてアンの方を向き名を呼ぶ。
アンは、ゆっくりと立ち上がると、リオの足下に来て、細い指に鼻先を擦り付けた。
「アンも部屋に戻ろう」
『ああ』
「ええっ、アン戻っちゃうの?」
ローランが残念そうに言う。
しかしアンは、ローランを振り返りもせずに、ギデオンが開けた扉から、するりと廊下に出た。
リオはアンを見て苦笑し、ローランとビクターを順番に見る。
「また夕餉の時に来ます。それでは失礼します」
そう声をかけ、ギデオンと共に部屋を出た。
「部屋まで歩けるか?抱いて行こうか?」
「ええっ?すぐそこだし大丈夫だよ」
「そうか?無理はするなよ」
「してないよ」
部屋を出るなりギデオンに心配されて、嬉しいやら照れるやら。すごく大切に思われてるとわかる。とりあえず部屋に戻ったら抱きついていいかなと、リオは早歩きで二つ隣の部屋へと急ぐ。そしてはやる気持ちのまま取手を掴んで部屋に入ると、扉が閉まるよりも早く、ギデオンの胸にしがみついた。
あー、この固くて分厚い胸、好きだなぁ。
リオは頬を当ててうっとりとする。
ギデオンは驚きつつも、優しく抱きしめ返してくれた。
「どうした?」
「ん、ダメだった?」
「いや、むしろ歓迎する」
「ふふっ、よかった」
二人を見て呆れた様子のアンが、窓から陽光が差し込む場所へと移動する様子が目の端に映る。
しばらくギデオンに密着して、リオは満足した。そろそろ離れようとした時に名を呼ばれたので顔を上げると、優しくキスをされた。数度唇を合わせ顔が離れる。そして促されるまま長椅子に座ると、大きな手で髪を撫でられた。
「それで?話があるんだろ?休んでからにするか?」
「大丈夫だよ。薬が効いてきたみたいだから」
「そうか。だがしんどくなったら、すぐに言えよ?」
「うん、わかったよ」
ギデオンの態度も言葉も優しい。俺は本当に幸せ者だとリオは思う。そして幸せを実感するたびに思い出すのはデックのこと。リオは胸の中の不安を吐き出した。
「リオ、おいで。これを飲むといい。風邪の引き始めに効く」
「あ、うん。ありがとう」
リオは素直に頷き、ギデオンに走り寄る。そして渡された薬を飲むと、戸惑いつつ顔を上げギデオンを見つめた。
リオの意図を察したギデオンは、ローランとビクターに顔を向けて言う。
「リオを部屋で休ませたいのですが」
「うん、それがいいと思う。僕にはビクターが付いてるから大丈夫だよ。リオ、スープは後で飲もう」
「ありがとうございます。ビクター、いいか?」
「構わない。リオ、ゆっくり休めよ」
「はい。王子、ビクターさん、ありがとうございます」
ローランとビクターの優しい言葉に、リオは頭を下げた。そしてアンの方を向き名を呼ぶ。
アンは、ゆっくりと立ち上がると、リオの足下に来て、細い指に鼻先を擦り付けた。
「アンも部屋に戻ろう」
『ああ』
「ええっ、アン戻っちゃうの?」
ローランが残念そうに言う。
しかしアンは、ローランを振り返りもせずに、ギデオンが開けた扉から、するりと廊下に出た。
リオはアンを見て苦笑し、ローランとビクターを順番に見る。
「また夕餉の時に来ます。それでは失礼します」
そう声をかけ、ギデオンと共に部屋を出た。
「部屋まで歩けるか?抱いて行こうか?」
「ええっ?すぐそこだし大丈夫だよ」
「そうか?無理はするなよ」
「してないよ」
部屋を出るなりギデオンに心配されて、嬉しいやら照れるやら。すごく大切に思われてるとわかる。とりあえず部屋に戻ったら抱きついていいかなと、リオは早歩きで二つ隣の部屋へと急ぐ。そしてはやる気持ちのまま取手を掴んで部屋に入ると、扉が閉まるよりも早く、ギデオンの胸にしがみついた。
あー、この固くて分厚い胸、好きだなぁ。
リオは頬を当ててうっとりとする。
ギデオンは驚きつつも、優しく抱きしめ返してくれた。
「どうした?」
「ん、ダメだった?」
「いや、むしろ歓迎する」
「ふふっ、よかった」
二人を見て呆れた様子のアンが、窓から陽光が差し込む場所へと移動する様子が目の端に映る。
しばらくギデオンに密着して、リオは満足した。そろそろ離れようとした時に名を呼ばれたので顔を上げると、優しくキスをされた。数度唇を合わせ顔が離れる。そして促されるまま長椅子に座ると、大きな手で髪を撫でられた。
「それで?話があるんだろ?休んでからにするか?」
「大丈夫だよ。薬が効いてきたみたいだから」
「そうか。だがしんどくなったら、すぐに言えよ?」
「うん、わかったよ」
ギデオンの態度も言葉も優しい。俺は本当に幸せ者だとリオは思う。そして幸せを実感するたびに思い出すのはデックのこと。リオは胸の中の不安を吐き出した。
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