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本能寺の変
撤退
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1582年6月6日本能寺の変から4日後
越後 魚津城内
このとき北陸軍大将柴田勝家は上杉家へと侵攻していた。
「勝家殿、京より急ぎの知らせが。」
「知らせだと?その者を呼べ、成政。」
佐々成政、彼は黒母衣衆(信長の親衛隊のようなもの)の一人であり、今は柴田勝家の元で北陸軍を指揮している。
「いいや、わしが呼びに行く。」
「出しゃばってくるな、利家。」
前田利家、彼は黒母衣衆に対して赤母衣衆と呼ばれる部隊に入っていたが、今は成政と同じく勝家の元にいる。ちなみに佐々成政とは犬猿の仲である。
「どちらでもよい。早く呼んでこい!」
「勝家様!信長様が謀反により亡くなられました!」
「何だと!誰の仕業だ!」
「明智光秀にございます!」
「勝家様!急いで明智を討ちに行きましょうぞ!」
「何を言っておる成政!今我らは魚津にいるのだぞ!そんなすぐには行けぬわ!」
「なら利家は信長様の仇討ちをせんでいいと言うのか!」
「そんなことは言っていないであろうが!」
「黙れ!成政!利家!」
「うっ…すみませぬ…」
「とりあえず今は上杉との講話が先だ。その後軍を近江や京へ向ける。それで良いな。」
「分かり申した。」
(だが、おそらく猿にはもう伝わっておろう。そしてもう動いているはずだ。また奴に遅れるのか…)
その後上杉との講話を成立させた勝家はすぐに京へと向かう…はずだった。
越前 北ノ庄城
「くそう!これでは動けんではないか!」
勝家は急いで軍を動かしたが、その軍の兵たちは上杉と3ヶ月に及び戦っていた者たち。北ノ庄城まではなんとか来れたが、それ以上は一度休まないと動けない状態であった。
「これは、少し休まないと行けませぬな。」
「あぁ、これに関しては成政と同感にございます。」
「こんなところでもたもたしておったら猿に抜かされてしまうぞ!」
このときはまだ秀吉が動けていないことを勝家は知っていない。
「いや、しかしここで無理に動かせば明智と決戦出来たとしても負けてしまいますぞ。」
(くそう!これでは政どころか戦でも猿に負けてしまう!どうすればいいのだ!)
「あのー、勝家様少しよろしいでしょうか?」
その時門番の一人が勝家に声をかけた。
「何だ!わしは今忙しいのだ!」
「いえ、勝家様にお会いしたいと申しておる者が来ておりまして…」
「客人だと!こんな時に誰だ!」
「名前は分かりませぬが、大男と若者が来ておりまして…」
「勝家様、一度落ち着かれるためにもお会いしたらいかがでしょうか?」
「あぁ、そうだな。そうさせてもらう。」
北ノ庄城門前
「勝家様が入っていいそうだ。」
「そうか、それはありがたい。では入らせてもらう。」
「しかしあんな大男見たことないぞ。このあたりにそんな奴いたか?」
「いや、知らぬな。ていうか本当に客人なのか?明智の刺客かもしれんし。」
「まぁ勝家様が良いといったから入れたが…本当に大丈夫であろうか?」
越後 魚津城内
このとき北陸軍大将柴田勝家は上杉家へと侵攻していた。
「勝家殿、京より急ぎの知らせが。」
「知らせだと?その者を呼べ、成政。」
佐々成政、彼は黒母衣衆(信長の親衛隊のようなもの)の一人であり、今は柴田勝家の元で北陸軍を指揮している。
「いいや、わしが呼びに行く。」
「出しゃばってくるな、利家。」
前田利家、彼は黒母衣衆に対して赤母衣衆と呼ばれる部隊に入っていたが、今は成政と同じく勝家の元にいる。ちなみに佐々成政とは犬猿の仲である。
「どちらでもよい。早く呼んでこい!」
「勝家様!信長様が謀反により亡くなられました!」
「何だと!誰の仕業だ!」
「明智光秀にございます!」
「勝家様!急いで明智を討ちに行きましょうぞ!」
「何を言っておる成政!今我らは魚津にいるのだぞ!そんなすぐには行けぬわ!」
「なら利家は信長様の仇討ちをせんでいいと言うのか!」
「そんなことは言っていないであろうが!」
「黙れ!成政!利家!」
「うっ…すみませぬ…」
「とりあえず今は上杉との講話が先だ。その後軍を近江や京へ向ける。それで良いな。」
「分かり申した。」
(だが、おそらく猿にはもう伝わっておろう。そしてもう動いているはずだ。また奴に遅れるのか…)
その後上杉との講話を成立させた勝家はすぐに京へと向かう…はずだった。
越前 北ノ庄城
「くそう!これでは動けんではないか!」
勝家は急いで軍を動かしたが、その軍の兵たちは上杉と3ヶ月に及び戦っていた者たち。北ノ庄城まではなんとか来れたが、それ以上は一度休まないと動けない状態であった。
「これは、少し休まないと行けませぬな。」
「あぁ、これに関しては成政と同感にございます。」
「こんなところでもたもたしておったら猿に抜かされてしまうぞ!」
このときはまだ秀吉が動けていないことを勝家は知っていない。
「いや、しかしここで無理に動かせば明智と決戦出来たとしても負けてしまいますぞ。」
(くそう!これでは政どころか戦でも猿に負けてしまう!どうすればいいのだ!)
「あのー、勝家様少しよろしいでしょうか?」
その時門番の一人が勝家に声をかけた。
「何だ!わしは今忙しいのだ!」
「いえ、勝家様にお会いしたいと申しておる者が来ておりまして…」
「客人だと!こんな時に誰だ!」
「名前は分かりませぬが、大男と若者が来ておりまして…」
「勝家様、一度落ち着かれるためにもお会いしたらいかがでしょうか?」
「あぁ、そうだな。そうさせてもらう。」
北ノ庄城門前
「勝家様が入っていいそうだ。」
「そうか、それはありがたい。では入らせてもらう。」
「しかしあんな大男見たことないぞ。このあたりにそんな奴いたか?」
「いや、知らぬな。ていうか本当に客人なのか?明智の刺客かもしれんし。」
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