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雑賀の国
紀州入国
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筒井順慶の元を後にした雑賀衆と信長達はついに紀州へと入った。
「は~、やっと故郷へと帰ってきたぞ…やはり京からは遠いな~。なぁ重朝、少し休まないか?」
「何を言っておる重秀。すぐに軍議を始めないとだろう。」
「はいはい、分かりましたよ。」
「信長様達はとりあえず我らの本拠である雑賀城でお休みください。」
「あぁ、そうさせてもらう。ところでいつになったらわしらをここへ連れてきた理由を教える?」
「まぁ、それに関してはもう少しお待ち下さい。ときが来たらお教え致します。」
「そうか。ならばわしらは入らせてもらう。」
雑賀衆本拠 雑賀城内
ここでは鈴木重秀達が雑賀城に残った家臣たちに問い詰められていた。
「重秀様!なぜあのような危険人物を連れてきてしまったのです!」
「まあまあ、皆の者落ち着いてくれ。」
「落ち着けるわけないではないですか!このままではこの紀州に明智軍が攻め込んできますぞ!」
「いいや、そんなにもすぐに明智は動かないでしょう。そうですよね、重秀。」
「あぁ、重朝の言うとおりだ!明智はまだ京で自らの影響力を安定させようとしておる。そんなすぐにはここへ来ない!」
「すぐには来ないかもしれませんがいつかは来るかもしれませんか!」
数時間後…
「信長様待たせて申し訳ない。なかなか意見がまとまらず時間がかかってしまった。」
「いや、いい。丁度いい具合に休むことができた。」
「それならよかったです。それではこれよりのことを話したいのですが、茶を飲みながらにいたしますか。」
「あぁ、そうしよう。」
「では。入ってよいぞ!」
ふすまが開き一人の男が部屋の中へ入ってきた。
「本日茶を点てさせていただく佐光と申します。」
「佐光殿、よろしくお願い致します。」
「それで、これからわしのことをどうするのか?」
「はい、我らはある方に命令され、信長様を助け出しました。なのでまずはその方にお会いしてもらいたく。」
信長と重秀、重朝は佐光の点てた茶を飲みながらに話し始めた。
「今のところは明智などの軍に大きな動きは無いそうだ。なので今はこの紀州で身を隠していてもらいたいのだ。」
「身を隠すだと?なんのために?」
「それはすぐに分かります。」
「それとわしを助けだせと命令した奴はどこの誰なのだ?前にも言ったがわしを殺そうとする奴は多くいるが助け出すような奴はほとんどおらんぞ。」
「まぁその人は…」
「私です。」
突然、茶を点てていた佐光が話しだした。
「何を言っておる。何故お主が命令する、の、だ…」
「その表情、私が何者か分かったようですな。」
「なぜお主がわしを助けるのだ…」
「は~、やっと故郷へと帰ってきたぞ…やはり京からは遠いな~。なぁ重朝、少し休まないか?」
「何を言っておる重秀。すぐに軍議を始めないとだろう。」
「はいはい、分かりましたよ。」
「信長様達はとりあえず我らの本拠である雑賀城でお休みください。」
「あぁ、そうさせてもらう。ところでいつになったらわしらをここへ連れてきた理由を教える?」
「まぁ、それに関してはもう少しお待ち下さい。ときが来たらお教え致します。」
「そうか。ならばわしらは入らせてもらう。」
雑賀衆本拠 雑賀城内
ここでは鈴木重秀達が雑賀城に残った家臣たちに問い詰められていた。
「重秀様!なぜあのような危険人物を連れてきてしまったのです!」
「まあまあ、皆の者落ち着いてくれ。」
「落ち着けるわけないではないですか!このままではこの紀州に明智軍が攻め込んできますぞ!」
「いいや、そんなにもすぐに明智は動かないでしょう。そうですよね、重秀。」
「あぁ、重朝の言うとおりだ!明智はまだ京で自らの影響力を安定させようとしておる。そんなすぐにはここへ来ない!」
「すぐには来ないかもしれませんがいつかは来るかもしれませんか!」
数時間後…
「信長様待たせて申し訳ない。なかなか意見がまとまらず時間がかかってしまった。」
「いや、いい。丁度いい具合に休むことができた。」
「それならよかったです。それではこれよりのことを話したいのですが、茶を飲みながらにいたしますか。」
「あぁ、そうしよう。」
「では。入ってよいぞ!」
ふすまが開き一人の男が部屋の中へ入ってきた。
「本日茶を点てさせていただく佐光と申します。」
「佐光殿、よろしくお願い致します。」
「それで、これからわしのことをどうするのか?」
「はい、我らはある方に命令され、信長様を助け出しました。なのでまずはその方にお会いしてもらいたく。」
信長と重秀、重朝は佐光の点てた茶を飲みながらに話し始めた。
「今のところは明智などの軍に大きな動きは無いそうだ。なので今はこの紀州で身を隠していてもらいたいのだ。」
「身を隠すだと?なんのために?」
「それはすぐに分かります。」
「それとわしを助けだせと命令した奴はどこの誰なのだ?前にも言ったがわしを殺そうとする奴は多くいるが助け出すような奴はほとんどおらんぞ。」
「まぁその人は…」
「私です。」
突然、茶を点てていた佐光が話しだした。
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「その表情、私が何者か分かったようですな。」
「なぜお主がわしを助けるのだ…」
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