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057 解かれた封印
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信じられない光景に誰もが目を疑った。
鉄鉱山の内部に有り得ない建造物が建っている。
それは古代ギリシャのパルテノン神殿みたいな建造物だった。
「なんで、こんな所に神殿が?」
訳が分からぬまま自然と足が前に進んだ。
導かれるように神殿の内部に向かって。
「待って下さい坊ちゃん!」
慌てたリオンに引き止められた。
俺はハッと我に返る。
まるで見えない何かに手を引かれていた感じだ。
その見えない何かは間違いなく神殿の内部にいる。
「大丈夫だ」
そう言ってリオンの手を離させた。
リオンは渋々といった表情で俺の後ろに付き従う。
その後をハンゾウ、エルフ族の青年達が付き従った。
亜種族の坑夫達は恐れ慄いて開口部から入って来ようとはしない。
神殿の内部に入ると見慣れたリュシーファの像が安置されていた。
それを見てホッと安堵する。
なにかあればリュシーファの事だ。
即座にやって来るに違いないと思ったからだ。
なんだかんだで頼ってるな。
と思いつつ違和感を強く感じる場所に近付いた。
祭壇の前に石柱の囲いが設けられている。
まるでストーンヘンジみたいだ。
その円の中には魔法陣のような紋様が刻み込まれている。
「なんだこれ?」
恐る恐るサークルの中を覗き込んだ。
すると刻み込まれた魔法陣から奇妙な力を感じる。
これが違和感の正体だと確信はしたが。
果たしてこれは何なのか見当もつかない。
「エルフィネス国王に聞けば分かるかな?」
長寿なエルフ族なら何か知っているかもしれない。
すぐに報せを送ろう。
そう思って魔法陣に背を向けた時だった。
「妾を起こしたのはお前かえ?」
声が聞こえて驚いた。
慌てて振り向くと、そこにはゴスロリ姿の少女が魔法陣の上に立っている。
黒髪を腰まで伸ばした瞳が金色の美少女だ。
「バカな!?誰もいなかったはずなのに!」
反射的に飛び退いた。
危険を感じて本能的に身体が動いたからだ。
死に近い感覚を味わった気がする。
それだけ少女との実力差があるという事なのだろう。
「リオン!ハンゾウ!」
呼び掛けるが応答がない。
こういう場合、即座に守りを固める二人だというのに。
どういう訳か動き出す気配すら感じられないのだ。
「なにをしている!?」
焦れて振り返ると驚愕の光景を目の当たりにした。
「そ、そんな馬鹿な……」
信じられない。
リオンとハンゾウ達は時が止まったかのように硬直している。
いや、本当に時が止まっているのではないか?
リオンなどは抜刀するモーションの状態で固まっているし。
「大丈夫ですよ。ちょっと時間を止めただけですから」
軽い口調でそう言ったのはリュシーファだ。
いつの間に顕現していたのか。
ゴスロリ姿の少女の近くに立って笑顔を浮かべている。
「久しいのうリュシーファよ」
「お久しぶりですねディナアリス。一万年前の神魔大戦以来ですか」
二人は和やかに会話を始めた。
どうやら顔見知りらしい。
その証拠に険悪な雰囲気は見受けられない。
むしろ再会を喜び合う雰囲気すら感じられる。
「どういう事か説明してくれ」
リュシーファの出現で冷静さを取り戻せた。
もちろん今の状況に動揺を禁じ得ないが。
それでも幾分かはマシというものだろう。
「ああ、こちらはディナアリス。俗に言う魔王と呼ばれる存在ですよ」
リュシーファはサラッと爆弾発言をブッ放した。
まるで親戚の子供を紹介するようなノリでだ。
「うむ、妾は古の魔王の一柱である。リュシーファとは命の殺り取りを演じた仲じゃ」
ケラケラと高笑いするディナアリス。
こちらもサラッと爆弾発言をブッ放した。
「ちょっと待て!色々と情報が渋滞してて整理させて欲しいんだが」
俺は軽い目眩を覚えた。
額を抑えつつ左手を突き出して二人に待ったをかける。
「構いませんよ?」
「なんじゃ、面倒な奴じゃな」
こいつら。
俺が悪いみたいになってるのが気に食わない。
とはいえムカつくのは後回しだ。
今は現状の把握に務めなければ。
「まずは彼女なんだが。本当に魔王なのか?」
「ほう、妾を疑うとは良い度胸をしておるのう」
獰猛な笑みを浮かべるディナアリス。
その瞬間、彼女の周りから膨大な量の魔力が噴出した。
「うおっ!なんだこの魔力量は!?」
有り得ない魔力量に驚愕した。
なぜなら地上には魔素がほとんど無いからだ。
だからファイアーボール程度の魔法しか操れないのだが。
「ディナアリス」
「ふん、分かっておるわ。少し脅かしただけじゃ」
リュシーファが窘めるとディナアリスは魔力の解放を停止した。
驚くべき魔力量に俺は度肝を抜かれて放心状態だ。
それを見てリュシーファは事の顛末を話し始めた。
今から一万年前のことだ。
魔族が天界に侵略を仕掛けてきたらしい。
ディナアリスを含めた古の魔王は五柱いるらしく、そのうち四柱が天界に攻め込んだそうだ。
俗に言う神魔大戦の勃発だ。
もっとも人族や亜種族には伝承されていないようだ。
あまりにも大昔で人族と亜種族は獣同然の状態だったからだ。
その時の地上は雄大な自然が生い茂っていて文明の伊吹はまだ無かったらしい。
当時の神族は全力で魔族を迎え撃ったそうだ。
とはいえ魔王が四柱もいる魔族軍は手強く、あわや神族は敗色濃厚になりかけた。
ところが戦局を一変させたのがリュシーファだという。
たった一人で四柱の魔王を徹底的に打ち負かしたらしい。
当の本人であるディナアリスが言うのだから間違いないだろう。
魔族軍はリュシーファ一人に壊滅させられたそうだ。
嘘だろ?
俺は耳を疑った。
当事者のディナアリスから証言を受けても信じられない。
こんなダメ神が神族最強なんて。
信じろという方が無理というものだ。
そしてリュシーファに敗れた魔王達は封印された。
ディナアリスもその内の一人だ。
強力な術式で世界のどこかにそれぞれ封印されているらしい。
ディナアリスの場合は鉄鉱床の中に封印され、悠久の時を経て地表が隆起して鉄鉱山になったようだ。
「驚きましたよ。まさか封印した魔王を蘇らせるなんて」
「…… は?なんのこと?」
「とぼけるでない。妾を復活させたのはお前であろうが。ほれ、ここに契約紋があるではないか」
ディナアリスはスカートを捲った。
おいおい、何してるんだよ!
俺が目を背けるとディナアリスが「ここを見んか!」と声を荒らげる。
致し方なく目を向けるとディナアリスの左内太ももに紋様が刻み込まれていた。
「なんだそれ?」
「これが契約紋じゃ。お前は人間のクセに妾を復活させただけでなく契約までしおったのじゃ」
「いやいや、そんなもの知らないよ!」
「そうでしょうね。いや、なんというか……本当に、申し訳ありません!」
リュシーファは勢い良く土下座した。
それはそれは見事なほど綺麗な姿勢で。
これまで何度も見てきた土下座の中でも一番美しいと言える仕上がりだろう。
「どういう事かな?」
こめかみに青筋を立てつつニッコリと笑った。
またコイツが原因なのは明白だろう。
リュシーファは恐る恐る顔を上げると目を泳がせながら自白した。
「そ、それがですね。どうやら私の加護を授かった貴方は神族の力を宿しているようで」
簡単に言うとこうだ。
リュシーファは神族最強だけに力が半端ないらしい。
そのリュシーファから加護を授かった人間は今までおらず、俺が初めてだという。
だからどういう事が起きるか分からないというのだ。
「どうやら私の加護が封印に作用したようでして。封印の解除と同時に契約紋が自然発生したようなんです」
「まあ、仕方ないのう。妾達はリュシーファに完膚なきまでに叩きのめされたからのう。封印解除の代償に主従の契約紋が結ばれるのは神羅万象の理から考えても当然の成り行きじゃ」
リュシーファの封印は相当に強力な術式らしい。
それを解除するとなると代償が必要になるという。
つまりディナアリスは俺と主従の契約紋を結ぶ見返りに自由になれた、という事のようだ。
「あ~……要するに、リュシーファの加護を授かった俺が封印に近付いた事で効力が弱まった。そしてディナアリスは自由になりたいが為に俺と主従の契約紋を結ぶ代償を選んだ。って事で間違いないか?」
「ええ、そうです」
「そういう事じゃ」
おいおい、とんでもない事じゃないのか。
要するに俺が魔王の封印を解いたって事になるじゃないか。
「心配は要らんぞ。妾は侵略なぞする気はサラサラ無いからのう」
ディナアリスは俺の心を読んだかのように言った。
腕組みしてニシシシッと歯を見せて笑っている。
「信用できるかよ!」
「ん?信用しても良いぞ。なにしろお前と妾は主従の契約紋を結んだのじゃ。じゃからお前の命令には背けぬ。それに今の地上は昔と違って面白そうじゃしな。昔は戦う以外に娯楽が無かったからのう。今から楽しみじゃ」
「さっき俺に攻撃しようとしてなかったか?」
「あれは単なる威嚇じゃ。そもそも攻撃しようなどと思っとらん。せっかく自由になったのに、また封印されては敵わんからのう」
ディナアリスはチラッとリュシーファを見た。
どうやらリュシーファを心底恐れているらしい。
頭が上がらない存在なのだろう。
「よく分かっているじゃないですか」
キリッとした表情でリュシーファが言った。
そのリュシーファは俺に頭が上がらず土下座の姿勢をキープしているのだった。
鉄鉱山の内部に有り得ない建造物が建っている。
それは古代ギリシャのパルテノン神殿みたいな建造物だった。
「なんで、こんな所に神殿が?」
訳が分からぬまま自然と足が前に進んだ。
導かれるように神殿の内部に向かって。
「待って下さい坊ちゃん!」
慌てたリオンに引き止められた。
俺はハッと我に返る。
まるで見えない何かに手を引かれていた感じだ。
その見えない何かは間違いなく神殿の内部にいる。
「大丈夫だ」
そう言ってリオンの手を離させた。
リオンは渋々といった表情で俺の後ろに付き従う。
その後をハンゾウ、エルフ族の青年達が付き従った。
亜種族の坑夫達は恐れ慄いて開口部から入って来ようとはしない。
神殿の内部に入ると見慣れたリュシーファの像が安置されていた。
それを見てホッと安堵する。
なにかあればリュシーファの事だ。
即座にやって来るに違いないと思ったからだ。
なんだかんだで頼ってるな。
と思いつつ違和感を強く感じる場所に近付いた。
祭壇の前に石柱の囲いが設けられている。
まるでストーンヘンジみたいだ。
その円の中には魔法陣のような紋様が刻み込まれている。
「なんだこれ?」
恐る恐るサークルの中を覗き込んだ。
すると刻み込まれた魔法陣から奇妙な力を感じる。
これが違和感の正体だと確信はしたが。
果たしてこれは何なのか見当もつかない。
「エルフィネス国王に聞けば分かるかな?」
長寿なエルフ族なら何か知っているかもしれない。
すぐに報せを送ろう。
そう思って魔法陣に背を向けた時だった。
「妾を起こしたのはお前かえ?」
声が聞こえて驚いた。
慌てて振り向くと、そこにはゴスロリ姿の少女が魔法陣の上に立っている。
黒髪を腰まで伸ばした瞳が金色の美少女だ。
「バカな!?誰もいなかったはずなのに!」
反射的に飛び退いた。
危険を感じて本能的に身体が動いたからだ。
死に近い感覚を味わった気がする。
それだけ少女との実力差があるという事なのだろう。
「リオン!ハンゾウ!」
呼び掛けるが応答がない。
こういう場合、即座に守りを固める二人だというのに。
どういう訳か動き出す気配すら感じられないのだ。
「なにをしている!?」
焦れて振り返ると驚愕の光景を目の当たりにした。
「そ、そんな馬鹿な……」
信じられない。
リオンとハンゾウ達は時が止まったかのように硬直している。
いや、本当に時が止まっているのではないか?
リオンなどは抜刀するモーションの状態で固まっているし。
「大丈夫ですよ。ちょっと時間を止めただけですから」
軽い口調でそう言ったのはリュシーファだ。
いつの間に顕現していたのか。
ゴスロリ姿の少女の近くに立って笑顔を浮かべている。
「久しいのうリュシーファよ」
「お久しぶりですねディナアリス。一万年前の神魔大戦以来ですか」
二人は和やかに会話を始めた。
どうやら顔見知りらしい。
その証拠に険悪な雰囲気は見受けられない。
むしろ再会を喜び合う雰囲気すら感じられる。
「どういう事か説明してくれ」
リュシーファの出現で冷静さを取り戻せた。
もちろん今の状況に動揺を禁じ得ないが。
それでも幾分かはマシというものだろう。
「ああ、こちらはディナアリス。俗に言う魔王と呼ばれる存在ですよ」
リュシーファはサラッと爆弾発言をブッ放した。
まるで親戚の子供を紹介するようなノリでだ。
「うむ、妾は古の魔王の一柱である。リュシーファとは命の殺り取りを演じた仲じゃ」
ケラケラと高笑いするディナアリス。
こちらもサラッと爆弾発言をブッ放した。
「ちょっと待て!色々と情報が渋滞してて整理させて欲しいんだが」
俺は軽い目眩を覚えた。
額を抑えつつ左手を突き出して二人に待ったをかける。
「構いませんよ?」
「なんじゃ、面倒な奴じゃな」
こいつら。
俺が悪いみたいになってるのが気に食わない。
とはいえムカつくのは後回しだ。
今は現状の把握に務めなければ。
「まずは彼女なんだが。本当に魔王なのか?」
「ほう、妾を疑うとは良い度胸をしておるのう」
獰猛な笑みを浮かべるディナアリス。
その瞬間、彼女の周りから膨大な量の魔力が噴出した。
「うおっ!なんだこの魔力量は!?」
有り得ない魔力量に驚愕した。
なぜなら地上には魔素がほとんど無いからだ。
だからファイアーボール程度の魔法しか操れないのだが。
「ディナアリス」
「ふん、分かっておるわ。少し脅かしただけじゃ」
リュシーファが窘めるとディナアリスは魔力の解放を停止した。
驚くべき魔力量に俺は度肝を抜かれて放心状態だ。
それを見てリュシーファは事の顛末を話し始めた。
今から一万年前のことだ。
魔族が天界に侵略を仕掛けてきたらしい。
ディナアリスを含めた古の魔王は五柱いるらしく、そのうち四柱が天界に攻め込んだそうだ。
俗に言う神魔大戦の勃発だ。
もっとも人族や亜種族には伝承されていないようだ。
あまりにも大昔で人族と亜種族は獣同然の状態だったからだ。
その時の地上は雄大な自然が生い茂っていて文明の伊吹はまだ無かったらしい。
当時の神族は全力で魔族を迎え撃ったそうだ。
とはいえ魔王が四柱もいる魔族軍は手強く、あわや神族は敗色濃厚になりかけた。
ところが戦局を一変させたのがリュシーファだという。
たった一人で四柱の魔王を徹底的に打ち負かしたらしい。
当の本人であるディナアリスが言うのだから間違いないだろう。
魔族軍はリュシーファ一人に壊滅させられたそうだ。
嘘だろ?
俺は耳を疑った。
当事者のディナアリスから証言を受けても信じられない。
こんなダメ神が神族最強なんて。
信じろという方が無理というものだ。
そしてリュシーファに敗れた魔王達は封印された。
ディナアリスもその内の一人だ。
強力な術式で世界のどこかにそれぞれ封印されているらしい。
ディナアリスの場合は鉄鉱床の中に封印され、悠久の時を経て地表が隆起して鉄鉱山になったようだ。
「驚きましたよ。まさか封印した魔王を蘇らせるなんて」
「…… は?なんのこと?」
「とぼけるでない。妾を復活させたのはお前であろうが。ほれ、ここに契約紋があるではないか」
ディナアリスはスカートを捲った。
おいおい、何してるんだよ!
俺が目を背けるとディナアリスが「ここを見んか!」と声を荒らげる。
致し方なく目を向けるとディナアリスの左内太ももに紋様が刻み込まれていた。
「なんだそれ?」
「これが契約紋じゃ。お前は人間のクセに妾を復活させただけでなく契約までしおったのじゃ」
「いやいや、そんなもの知らないよ!」
「そうでしょうね。いや、なんというか……本当に、申し訳ありません!」
リュシーファは勢い良く土下座した。
それはそれは見事なほど綺麗な姿勢で。
これまで何度も見てきた土下座の中でも一番美しいと言える仕上がりだろう。
「どういう事かな?」
こめかみに青筋を立てつつニッコリと笑った。
またコイツが原因なのは明白だろう。
リュシーファは恐る恐る顔を上げると目を泳がせながら自白した。
「そ、それがですね。どうやら私の加護を授かった貴方は神族の力を宿しているようで」
簡単に言うとこうだ。
リュシーファは神族最強だけに力が半端ないらしい。
そのリュシーファから加護を授かった人間は今までおらず、俺が初めてだという。
だからどういう事が起きるか分からないというのだ。
「どうやら私の加護が封印に作用したようでして。封印の解除と同時に契約紋が自然発生したようなんです」
「まあ、仕方ないのう。妾達はリュシーファに完膚なきまでに叩きのめされたからのう。封印解除の代償に主従の契約紋が結ばれるのは神羅万象の理から考えても当然の成り行きじゃ」
リュシーファの封印は相当に強力な術式らしい。
それを解除するとなると代償が必要になるという。
つまりディナアリスは俺と主従の契約紋を結ぶ見返りに自由になれた、という事のようだ。
「あ~……要するに、リュシーファの加護を授かった俺が封印に近付いた事で効力が弱まった。そしてディナアリスは自由になりたいが為に俺と主従の契約紋を結ぶ代償を選んだ。って事で間違いないか?」
「ええ、そうです」
「そういう事じゃ」
おいおい、とんでもない事じゃないのか。
要するに俺が魔王の封印を解いたって事になるじゃないか。
「心配は要らんぞ。妾は侵略なぞする気はサラサラ無いからのう」
ディナアリスは俺の心を読んだかのように言った。
腕組みしてニシシシッと歯を見せて笑っている。
「信用できるかよ!」
「ん?信用しても良いぞ。なにしろお前と妾は主従の契約紋を結んだのじゃ。じゃからお前の命令には背けぬ。それに今の地上は昔と違って面白そうじゃしな。昔は戦う以外に娯楽が無かったからのう。今から楽しみじゃ」
「さっき俺に攻撃しようとしてなかったか?」
「あれは単なる威嚇じゃ。そもそも攻撃しようなどと思っとらん。せっかく自由になったのに、また封印されては敵わんからのう」
ディナアリスはチラッとリュシーファを見た。
どうやらリュシーファを心底恐れているらしい。
頭が上がらない存在なのだろう。
「よく分かっているじゃないですか」
キリッとした表情でリュシーファが言った。
そのリュシーファは俺に頭が上がらず土下座の姿勢をキープしているのだった。
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