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1章
逃避
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スピカが顔を真っ赤にして悔しそうに言った。
「あー!もう!最低よ!恥を知りなさい、恥を!悪魔が強大だろうと、そんなに簡単に誘惑されてしまうなんて!だらしないったら、ないわ!今、頼れるのは、リオ兄だけよ!」
そこにいたパバリ師匠が申し訳なさそうに頭を下げた。
「スピカ、お前の言う通りじゃ。だが、あの誘惑の力は、男たちには抵抗することができなかった。ゲルンと私、どちらも我慢するのがやっとで、結局気を失ってしまったんじゃ」
俺は、思わず口を開いた。
「ごめんな、スピカ。昨日のことをあんまり覚えてないんだけど....みんなが無事でよかったよ。でも、村が大変なことになってしまって....」
隣にいたゲルンさんが辛そうにうなずいた。
「アスタロト、あれは、恐怖の災厄だ。
しかし、村は、きっと復興するさ。我々は、これまでに何度も困難を乗り越えてきた。建物も土地も、やり直せばいい。魔石バリアもパバリ様のバイクにある魔石を使えば再設置できる」
俺は、もうリオ兄の目を見ることができずに目を逸らす。
リオ兄は、初めて聞くくらいに辛そうな声を搾り出した。
「コフィ、ずっと何度も聞かれても、本当のことを言えなかった。早すぎると思ったし、その事実が重すぎて、どう伝えたらいいかわからなかった。それに、お前との日々が変わることが怖かったんだ。それは、マチガイだった。僕の弱さだったよ」
それを聞いて、俺に激しい怒りが湧いた。そして、リオ兄を力一杯に睨んだ。生えたばかりの額の角がじわじわと痛む。
「何言ってんだよ、リオ兄!弱さだなんて!リオ兄は、強いんだろ?だってアスタロトを追い払ったんだろ?また何度でもアスタロトを追い払ってよ。リオ兄が弱音を吐くなよ!母さんは神で、父さんは悪魔なんだろ?わけわかんないよ!じゃあ、俺は、なんなんだよ!」
リオ兄が深く息を吸って、俺の言葉に答えた。
「僕は、コフィ、お前を育ててきた。大切に、大切にしてきたんだ。自分の命と同じ、いや、それ以上に。ずっと、お前を守ってやりたかった。守ると決めていた。
でも、守るだけなのは、マチガイだった。いつまでも子供ように危険を取り除くだけではダメなんだ。
お前がアスタロトの誘惑に立ち向かう方法があるのかどうか、僕にもわからない。
それでも、お前は、自分の身体を使って世界と自分を知る必要がある」
俺の目から勝手に涙がこぼれて止まらない。
「いやだよ、リオ兄。これからもずっと守ってよ。また、アスタロトが目の前にやってきて、自分が自分でなくなるのが怖いんだ。
リオ兄が守ってくれるなら、もう何も知らなくていい。俺は、全然強くなんかないよ。そんな悲しい目で見ないで。いつものように最強のリオ兄でいてよ!これからも俺を叱ってよ。俺は、リオ兄から全部を知りたいんだ!リオ兄まで俺から離れて行かないで!
俺には、もうリオ兄しかいないのに!もう、リオ兄しか...」
リオ兄の目からも涙が溢れている。
「コフィ、僕だってそうしたいさ。でも、それでは駄目なんだよ....」
俺は、その場にいるのが我慢できずに、リオ兄の前から泣きながら逃げ出した。
後ろからスピカの声がする。
「コフィ!コフィ!一人で抱えこまないで!」
「あー!もう!最低よ!恥を知りなさい、恥を!悪魔が強大だろうと、そんなに簡単に誘惑されてしまうなんて!だらしないったら、ないわ!今、頼れるのは、リオ兄だけよ!」
そこにいたパバリ師匠が申し訳なさそうに頭を下げた。
「スピカ、お前の言う通りじゃ。だが、あの誘惑の力は、男たちには抵抗することができなかった。ゲルンと私、どちらも我慢するのがやっとで、結局気を失ってしまったんじゃ」
俺は、思わず口を開いた。
「ごめんな、スピカ。昨日のことをあんまり覚えてないんだけど....みんなが無事でよかったよ。でも、村が大変なことになってしまって....」
隣にいたゲルンさんが辛そうにうなずいた。
「アスタロト、あれは、恐怖の災厄だ。
しかし、村は、きっと復興するさ。我々は、これまでに何度も困難を乗り越えてきた。建物も土地も、やり直せばいい。魔石バリアもパバリ様のバイクにある魔石を使えば再設置できる」
俺は、もうリオ兄の目を見ることができずに目を逸らす。
リオ兄は、初めて聞くくらいに辛そうな声を搾り出した。
「コフィ、ずっと何度も聞かれても、本当のことを言えなかった。早すぎると思ったし、その事実が重すぎて、どう伝えたらいいかわからなかった。それに、お前との日々が変わることが怖かったんだ。それは、マチガイだった。僕の弱さだったよ」
それを聞いて、俺に激しい怒りが湧いた。そして、リオ兄を力一杯に睨んだ。生えたばかりの額の角がじわじわと痛む。
「何言ってんだよ、リオ兄!弱さだなんて!リオ兄は、強いんだろ?だってアスタロトを追い払ったんだろ?また何度でもアスタロトを追い払ってよ。リオ兄が弱音を吐くなよ!母さんは神で、父さんは悪魔なんだろ?わけわかんないよ!じゃあ、俺は、なんなんだよ!」
リオ兄が深く息を吸って、俺の言葉に答えた。
「僕は、コフィ、お前を育ててきた。大切に、大切にしてきたんだ。自分の命と同じ、いや、それ以上に。ずっと、お前を守ってやりたかった。守ると決めていた。
でも、守るだけなのは、マチガイだった。いつまでも子供ように危険を取り除くだけではダメなんだ。
お前がアスタロトの誘惑に立ち向かう方法があるのかどうか、僕にもわからない。
それでも、お前は、自分の身体を使って世界と自分を知る必要がある」
俺の目から勝手に涙がこぼれて止まらない。
「いやだよ、リオ兄。これからもずっと守ってよ。また、アスタロトが目の前にやってきて、自分が自分でなくなるのが怖いんだ。
リオ兄が守ってくれるなら、もう何も知らなくていい。俺は、全然強くなんかないよ。そんな悲しい目で見ないで。いつものように最強のリオ兄でいてよ!これからも俺を叱ってよ。俺は、リオ兄から全部を知りたいんだ!リオ兄まで俺から離れて行かないで!
俺には、もうリオ兄しかいないのに!もう、リオ兄しか...」
リオ兄の目からも涙が溢れている。
「コフィ、僕だってそうしたいさ。でも、それでは駄目なんだよ....」
俺は、その場にいるのが我慢できずに、リオ兄の前から泣きながら逃げ出した。
後ろからスピカの声がする。
「コフィ!コフィ!一人で抱えこまないで!」
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