恋する魔女は星の精霊と暮らして悪魔を待つ

山本いちじく

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一つ目の巨人バオウとサラ

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 ある新月の夜、巨人が森の魔女しょうこの館に訪れ、ドアを軽くノックする。その巨大な手には、発光する一輪の花が握られていて、その優しさが彼の内面を物語っていた。

「はじめまして、森の魔女様。夜分にごめんなさい。僕は、この辺りで一番大きな一つ目の巨人バオウです。人間の女の子サラとの今後について、何とかしたいと思い、あなたに助けを求めに来ました」

「私は、しょうこよ。あなたの心配事を聞かせてくれるなら、どうぞ、中に入って。その花、とても素敵ね。大好きな花よ。見つけるの大変だったでしょう」

 バオウは、ゆっくりとしょうこの館の中に入ってきた。人間とって広い館は、バオウにとってギリギリ入れる大きさだった。館の中は、柔らかな光で照らされ、落ち着いたムスクのような薫りに満ちていた。

 甲斐甲斐しくリオが茶を運んできて、ついでにバオウとしょうこの話の間に割って入る。

「許嫁を巨人に取られたからって、その女の子を迫害するなんて、領主の息子も醜悪な性根ですね。巨人なら力で解決すればいいのでは?それともさっさと人里を離れるのも手でしょう?」

 しょうこは、リオの言葉に首を横に振ると、巨人に微笑んだ。

「愛は、試練をもたらすこともあるけれど、その試練を乗り越えることで、真の愛が見えてくるのよ」

「しょうこ様、力づけの言葉、もったいないことです。領主の息子は、非道がすぎたからか、なんでも深爪で角がない悪魔の仕業で正気を失ってしまったそうです。
 それでも昨夜、サラの父は彼女の背中に鞭打ちし、僕と別れさせようとしました。他にも、酷い仕打ちは言い尽くせません。彼女は強いですが、僕は、これ以上彼女が辛い思いをするのが耐えられません」

「その気持ち、とてもよくわかるわ。でも、彼女は、あなたの支えが必要なの。そして、あなたが彼女を守り、支えることで、その迫害も乗り越えられると頑なに信じているのね」

「そうなんです。でも、実は、サラとの間に子供ができてしまって。彼女は、身重なのに、それでも彼女の父は鞭打ちを。彼女がさらに傷つけられるのなら、僕は……」
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