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第1章
ゾゾ長老の贈り物
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ペンプス村のはずれにある暗い森、ザザゲム川のほど近くにゾゾ長老の館が建っている。
ゾゾ長老の館といえば、ペンプス村の子供はもちろん、大人達でさえ近寄るのをはばかる、そんな場所だった。
森の木がぐねぐねとねじ曲がり、やけに暗い。魔獣など出るはずもないのに、すぐそこのザザゲム川を挟んで見える死の森を連想してしまう薄気味悪さ。
何より、天才というより鬼才というべきゾゾ長老自身が、偏屈かつ威厳がありあまり、村長であるザルムですら気を遣う相手。ザルムの妻であるクヒカの祖母でもある。
ゾゾ長老自身は、長老として頼られれば姿を現すが、日頃から館にこもって魔法の研究を続けている。
触らぬ神に祟りなし。近づかないほうがいいとなるほうが、自然だ。
俺にとっても怖い、畏敬の存在だ。でも、同じくらい大好きな存在でもある。
いつも世間に流されず、やるべきことを示してくれる。厳しいけれど、信頼しているし、尊敬している。
ゾゾ長老の館は、とんがり屋根で見るからに魔女の家だ。庭に動物の頭蓋骨が並んでいるのは、趣味が悪すぎる。
「わっ!!な、なんだ。コウモリか。。。びびったぁ」
夕方に来たのもあって、ネズミが走り、コウモリが飛び回る。ホラーな雰囲気抜群だ。
歪んだ形のドアノブに手をかけて、ギィギィと軋む玄関の扉を開けると、中は明るかった。
「ゾゾ長老、エレム、来たよ」
部屋も温かいし、人の気配があるのに返事がない。
かまどに火がついて、得体の知れない紫色の液体がグツグツと煮詰められている。これは、毒でしょう。間違いなく。俺の本能がそう言っている。
立ち入り禁止と書かれた扉の奥からゾゾ長老の声が聞こえる。
「ヒッヒッヒ!これで成功じゃ!ウヒッヒッヒー!!これで逆らうものなど焼き尽くしてくれるわ!
ヒャーーッハッハッハー!!!ゲホッゲホッゲホッ!
カッカッカ!」
やばい。マッドサイエンティストだ。怖すぎる。床に箒や水を張ったバケツに雑巾がかかっている。
これで掃除をしておけということなのかな。
俺は、怪しすぎる鍋に埃が入らないように蓋をして、掃除を始めた。
3年間、誰もいなかったにしては、はたきを使っても埃が舞わない。そう言えば、パナニがたまに様子を見に行っていたんだったな。
パナニがやってくれるから、タイトス観測所では掃除なんか自分の部屋を少しするくらいだ。
でも、元の世界では、ぜんぶ自分でやっていた。慣れない部屋で戸惑うけど、掃除は楽しい。
箒が終わったら、仕上げに雑巾を固く絞って、木板の床を水拭きする。
キュッキュッ!
ひとしきり掃除をすると、床がピカピカに光って気持ちがいい。
しばらくすると、ゾゾ長老がこっちの部屋にやってきた。
「おぉ。エレムか。良いところにきた。掃除もご苦労様。床がピカピカになっておるわい。ありがとう。
そこに座りなさい」
ゾゾ長老が、煮詰められていた紫色の液体を、お茶を注ぐくらい当たり前な感じでティーカップに注いで、流れるように軽やかにトンッと俺の目の前に置いた。
「まぁ、まずお茶でも飲みな」
キターー!これ飲むの?無理無理!お茶なの?本当に?
まず、生理的に嫌ぁな匂いなの!なんかの試練なの?
そんな俺を横目に、目の前でズビビビビっとゾゾ長老が美味しそうに茶を飲んで、クビグビッ!プハーッと味わっている。
「ほれ、遠慮なんかいらん。うまいぞ」
本当に?美味しいの?信じていいの?ザルムが自分を信じろって言ってたよ。いきなり難関だ。
いや、飲もう!きっと美味しいはずだ!滝のような汗をかいて、プルプル震えながら、ちびっと舐めるくらい飲む。
「★$2%#*」
あ、死ねる。これ女神様の使徒が来るやつだ。まずいっていうか、痺れるの、身体が。ウヒヒヒッ!
あれ、楽しい。なんで?楽しいの?
気がつくと俺もゾゾ長老みたいに笑っていた。
「ヒッヒッヒー!」
大丈夫?変なの飲まされてない??
ゾゾ長老もノリノリだ。
「そうじゃ、人生楽しんだもん勝ちじゃ!ヒッヒッヒー!
ところで、お前の魔法のグレードを計ってやろう。
この魔法陣が書かれた石板に手を当て魔力を感じるんじゃ」
「う、うん」
石板に手を置いて、魔法を使うときのように魔力を感じると、魔法陣の文字や記号が怪しく紫に光を放った。
「ふむ。いいぞ。C5じゃ。5というか、それ以上かもしれんな。スピードは、まだ若いからな。鍛錬が必要じゃ。
魔力の耐久値が素晴らしいな。天晴れじゃ。驚いたわい」
キキリの間引いた小さな葉で、気を失ってしまった初日が懐かしい。あれから地道に魔力の耐久値を上げてきてよかった。
「あと、俺、無詠唱で魔法が出せるようになったんだ」
「ほう。それまた凄いな。偉いぞ。一度見せたくらいじゃ、フラザードにもできんかった」
おぉ。褒められた。ゾゾ長老に褒められると、すごく嬉しい。しかも、あの天才フラザードにもできなかった!?これは凄い。
「ま、今やみんなできるがな。わしはもう、無言でイメージだけで出せるぞ。ヒッヒッヒ!
エレム、お前の手を見せてみろ」
あまり見せたい手ではない。毎日クワを振って、畑仕事をしたせいでゴツゴツして、荒れた手。手の平もマメが潰れてタコになっている。
ゾゾ長老が俺の手に触れながら、何度もうなずいている。
「醜い農夫の手じゃの。
毎日毎日、クワで畑を耕した手じゃ。
わしには分かる。
お前は、毎日鍛錬を重ねた。13歳でこんな手になるほどに。そして、これからも続けるといい。
この手を誇りに生きよ、エレム。
どんな不運があろうと、
必ずこの手がお前を助けるじゃろう」
俺も改めて手を見る。そうだ、俺はずっと地道に積み上げてきたんだ。
この手を誇りにしていこう。
「うん。これからも鍛錬を続ける。
そうだ、ゾゾ長老に渡したいものが。これ、ポッコロ様人形!ど、どうぞ」
俺は、ゾゾ長老の顔に似せて作った、緑のフサフサのポッコロ様人形を手渡す。
「おお。これがポッコロ様か。ありがとう。大切にするよ。面白い顔じゃな。
ふむ。よし、わしもお前に渡すものがある。これじゃ」
テーブルの上に出されたのは、不気味な杖と、草で編んだブーツや腕輪、複雑な紋章が書かれた木の札だ。
なんだろう。ハンドメイドというよりは、魔道具といったほうがいいような存在感や説得力がある。
「まずこれは、魔力の通りの良いガランの木に鉄の金具をつけた杖じゃ。見ろ、金具に炎犬の骨をはめてある。貴重な品じゃ。研究所の倉庫から、こっそり炎犬の骨をかっぱらってきて、魔道具屋ドワラゴンに作らせた」
ダメじゃん。泥棒だよ!炎犬の骨って、人類はまだ一体しか持ってないんだよ?
「え?大丈夫?炎犬の骨って、貴重なものじゃないの?」
「今はな。国家機密にして国宝じゃ」
「え?!!見つかったら重罪じゃないの!?」
「なあに、そのうち炎犬の骨なんぞ、珍しくもなんともなくなるわい。人類は、水魔法を手に入れたのじゃから。炎犬なんて雑魚じゃわい。
炎犬の骨を挟んで試してみたら、毎日1回、ファイガス級の火球が出せる優れものじゃ。1日経つとまた使える。
杖に魔力を込めると、火がつくから、その火を増やすイメージで詠唱するのじゃ。ヒッヒッヒ!
ファイポにすれば灯りにもなるじゃろう」
おぉ!それはすごい。待ってました、チート魔道具!
「あと、おまえが9歳の時、死の森が生還した時の草舟を覚えているか?」
「う、うん」
「あの草舟の草で作った、靴と腕輪じゃ。さすが、精霊がこさえたものは素材が異次元じゃ。
この腕輪も草木の魔法を出せる。
草木と風の精霊ポッコロ様の加護じゃな。
靴は、素早く走れる。旅装にするといい。
わしのこの杖も、炎犬の骨をはめ込み、ポッコロ様の草舟を編み込んでおる」
草木の魔法は、1番得意な魔法だ。これは地味だけど、ありがたい。地味だけど。
「ついでに、これも教えてやろう。新たに発見した草木の魔法じゃ。古文書にはあったが、誰も成功していなかった。おそらく、キキリでは魔力が不足していたのじゃろう。
最初じゃから、詠唱つきで見せる。一度で覚えろよ。行くぞ!
原初の果実よ、恵みを与えたまえ。ポムルス!」
ゾゾ長老が新しい草木の魔法を唱えると、目の前に小さな木の芽が生えて、すぐに腰くらいの高さまで伸びて、金色に輝く小さなリンゴに似た果実が実った。
「これを食べ続けていると、死ぬ気がせん。お前も食べてみろ」
これは美味そうだ。形もリンゴだし。シャリっと一口ほうばる。
「ぬぉぉーーーー!!!!」
酸っぱい!舌から全身を貫く刺激!
「かっかっか!酸っぱいじゃろう。じゃが、日持ちもするし、腹持ちもいいし、元気になるぞ。状態異常も治してくれる。草舟の腕輪をつけていれば、1日につき1回、お前にもできるじゃろう」
酸っぱいことを、さきに言ってくれ。だけど、確かに身体が内側からポカポカしてくる。それにゾゾ長老が元気な理由もわかる気がする。
「最後にこの木の札は、ゾゾ派のネットワークの身分証じゃ。これを持っていれば各地にいるゾゾ派の魔法使いが助けてくれるじゃろう」
「ありがとう。ゾゾ長老。こんなに心強いことはないよ」
「エレム、各地でゾゾ派の力を借りながらエレム保護派を増やすのじゃ。
そして、統一国家を作るのじゃ!!
エレム、王となれ!そのための贈り物じゃ」
え?何それ?そんな野望ないよ。ただ平和に普通の毎日を望んでいるだけなの。
ただ。生き残りたい、それだけ。でも、そのためには、強くならないと。あれ?俺は、どうなりたいんだっけ?
「ええ?ゾゾ長老、俺はそんなこと全然考えていないよ。誰かを率いる志なんて、もっていないし。
ただ、生き延びたいだけなんだ。。。」
そう。そうなんだけど。。。それではダメだ。何もかも自力で、解決できるくらい強くならないと。。。
ゾゾ長老が、ちょっとがっかりしたように視線を落とす。杖と装備と札を自分の手元に引き寄せた。こんな俺に渡すのが、もったいないとでも言うかのように。
別にくれないなら、いらない。。。
いや!違う、言いたいのはそんなことじゃない。
俺は強くなって、みんなを守るんだ!でも、言葉が出てこない。
ゾゾ長老が残念そうに言った。
「相変わらず、呑気じゃな。器の小さな男じゃ。
まだ目には見えないが、もう戦争が始まっておる。
魔法技術の革新は、これまで人類が足を踏み入れることができなかった地域への領土拡大を可能にする。
ファラム国は、国王ザーシルが凡庸かつ弱腰じゃ。いずれ外からか内からかは別として、失脚するじゃろう。
ガルダ国とソトム国がまだ何にも知らないと思うか?ぜーんぶ知っとるよ。スパイを通じて、筒抜けじゃ。
魔法の発見は、今や激しい競争状態じゃ。ガルダ国もソトム国も水魔法、火魔法の開発まで追いついてきておる。
この炎犬の骨がついた炎の杖も、いずれ各国で量産化されて、性能も向上するじゃろう」
「そ、そんな。。。」
「いいか、エレム。
戦争では、どちらの志が優れているかなど必要ない。戦争が決めるのは、どちらが生き残るかだけじゃ。
生き残りたいなら、強くなり、王になることじゃ。さもなければ、王族や貴族の邪魔になって、お前は殺される。
不運なだけでなく、精霊と通じることができるお前を恐れて、お前が力をつける前にさっさと始末してしまいたい王族や貴族が、王都シャーヒルに山ほどおるんじゃ」
「うっ」
何も言い返せない。
そうは言っても、過激すぎる。国家転覆にとどまらず、人類統一の大義名分のもと、戦争をしろと。まだ13歳の子供に。。。
「それで、死にそうなったら、また精霊に助けてもらうのかい?
エレムよ。お前は、そんなに弱くていいのか?ザルムに比べて賢さもない。戦う気力も、意気地もないのかい?
大いなる力には、大いなる責務があるはずじゃ。それを果たす気があるのかい?
読み書き計算が生まれてすぐに出来たところから見ると、お前さん、前世の記憶があるんじゃろ?
それで、元の世界と年齢を足して何歳よ?
軟弱だねぇ!どうせ前世でも軟弱だよ!それで自分の不運を呪うってか?自分の怠慢だろうが!」
ダンッ!!
イラついたようにゾゾ長老がテーブルにこぶしを叩きつける。
その衝撃で、紫色のお茶がティーカップからこぼれて、俺の服にかかる。
いや、待てよ。俺は元の世界からカウントしたら精神年齢46歳だろ?
どうかしてるのは、俺の方だ!いつまで子供のふりをしてるんだ!
「もう誰かに殺されるのは嫌だ!
俺は、精霊を従えて、魔獣を倒して、ドラゴンとだって協力してみせる。
人類の王なんて小さなこと言わないで、ゾゾ長老、俺は、この星の主になる。隕石も不運も、俺が弾き返してやるんだ」
あれ?なんだろう。気が強くなって、心に秘めていたことを口走っているぞ。
「おお。エレム。。。
星の主、お前は、そんなことまで考えていたのか。器量が小さいのは、わしのほうじゃったか。。。
長く生きているもんじゃわい。ひ孫がこんなに高い志を!!
だが、簡単ではないぞ。
覚悟があるのか?強くて固い覚悟が必要じゃ」
「もがくことが、生きること。そう女神様が言ったんだ。
そう、俺には、それしかない。
全てを強さに変える。変えてみせる!」
「もがくことが生きること。。。
め、女神様がそうおっしゃったのか。
全てを強さに変える!!その通りじゃ!
さすが女神様が選んだ男。行け!民を導くのじゃ!
わしも各地の同志に伝令を送らねば、エレムの檄文を!」
ゾゾ長老が感涙して、俺の手を握る。そして、杖と装備と札を持たせて、家のその外に背中を押す。
「バタンっ」
玄関のドアが閉まって、気がつくと外に立っていた。
もう少しで満ちる月の下、コウモリが元気よく飛び交っている。あれ?いいのかな?なんか上手くいったのかな。
なんだか楽しい気分だ。
ちょっと乗せられて強気で言ってしまったような?まぁ良い。嘘は言っていない。言えて、良かった。
きっと元の世界でも、こんなことを言う勇気はなかった。元の世界の自分より、前進できた。自分の力で。
ゲムゲム湖に向かった時、何もできずに悔しい思いで食べた熊肉のほろ苦さを思い出す。
あの日から、やっと一歩踏み出せたんだ。
ゾゾ長老の贈り物ももらえたし。
きっと旅は楽しいものになるさ!
しばらくゾゾ長老の館の前でふらふらしていると、手紙を持った鳩が何十羽と館を飛び出して行った。
各地のゾゾ派に手紙を届けるんだろうか?これはもう前に進むしかないな。なんて書いてあるんだろう。
まあ、よし、良い感じだ。
レッツゴー!!!
ゾゾ長老の館といえば、ペンプス村の子供はもちろん、大人達でさえ近寄るのをはばかる、そんな場所だった。
森の木がぐねぐねとねじ曲がり、やけに暗い。魔獣など出るはずもないのに、すぐそこのザザゲム川を挟んで見える死の森を連想してしまう薄気味悪さ。
何より、天才というより鬼才というべきゾゾ長老自身が、偏屈かつ威厳がありあまり、村長であるザルムですら気を遣う相手。ザルムの妻であるクヒカの祖母でもある。
ゾゾ長老自身は、長老として頼られれば姿を現すが、日頃から館にこもって魔法の研究を続けている。
触らぬ神に祟りなし。近づかないほうがいいとなるほうが、自然だ。
俺にとっても怖い、畏敬の存在だ。でも、同じくらい大好きな存在でもある。
いつも世間に流されず、やるべきことを示してくれる。厳しいけれど、信頼しているし、尊敬している。
ゾゾ長老の館は、とんがり屋根で見るからに魔女の家だ。庭に動物の頭蓋骨が並んでいるのは、趣味が悪すぎる。
「わっ!!な、なんだ。コウモリか。。。びびったぁ」
夕方に来たのもあって、ネズミが走り、コウモリが飛び回る。ホラーな雰囲気抜群だ。
歪んだ形のドアノブに手をかけて、ギィギィと軋む玄関の扉を開けると、中は明るかった。
「ゾゾ長老、エレム、来たよ」
部屋も温かいし、人の気配があるのに返事がない。
かまどに火がついて、得体の知れない紫色の液体がグツグツと煮詰められている。これは、毒でしょう。間違いなく。俺の本能がそう言っている。
立ち入り禁止と書かれた扉の奥からゾゾ長老の声が聞こえる。
「ヒッヒッヒ!これで成功じゃ!ウヒッヒッヒー!!これで逆らうものなど焼き尽くしてくれるわ!
ヒャーーッハッハッハー!!!ゲホッゲホッゲホッ!
カッカッカ!」
やばい。マッドサイエンティストだ。怖すぎる。床に箒や水を張ったバケツに雑巾がかかっている。
これで掃除をしておけということなのかな。
俺は、怪しすぎる鍋に埃が入らないように蓋をして、掃除を始めた。
3年間、誰もいなかったにしては、はたきを使っても埃が舞わない。そう言えば、パナニがたまに様子を見に行っていたんだったな。
パナニがやってくれるから、タイトス観測所では掃除なんか自分の部屋を少しするくらいだ。
でも、元の世界では、ぜんぶ自分でやっていた。慣れない部屋で戸惑うけど、掃除は楽しい。
箒が終わったら、仕上げに雑巾を固く絞って、木板の床を水拭きする。
キュッキュッ!
ひとしきり掃除をすると、床がピカピカに光って気持ちがいい。
しばらくすると、ゾゾ長老がこっちの部屋にやってきた。
「おぉ。エレムか。良いところにきた。掃除もご苦労様。床がピカピカになっておるわい。ありがとう。
そこに座りなさい」
ゾゾ長老が、煮詰められていた紫色の液体を、お茶を注ぐくらい当たり前な感じでティーカップに注いで、流れるように軽やかにトンッと俺の目の前に置いた。
「まぁ、まずお茶でも飲みな」
キターー!これ飲むの?無理無理!お茶なの?本当に?
まず、生理的に嫌ぁな匂いなの!なんかの試練なの?
そんな俺を横目に、目の前でズビビビビっとゾゾ長老が美味しそうに茶を飲んで、クビグビッ!プハーッと味わっている。
「ほれ、遠慮なんかいらん。うまいぞ」
本当に?美味しいの?信じていいの?ザルムが自分を信じろって言ってたよ。いきなり難関だ。
いや、飲もう!きっと美味しいはずだ!滝のような汗をかいて、プルプル震えながら、ちびっと舐めるくらい飲む。
「★$2%#*」
あ、死ねる。これ女神様の使徒が来るやつだ。まずいっていうか、痺れるの、身体が。ウヒヒヒッ!
あれ、楽しい。なんで?楽しいの?
気がつくと俺もゾゾ長老みたいに笑っていた。
「ヒッヒッヒー!」
大丈夫?変なの飲まされてない??
ゾゾ長老もノリノリだ。
「そうじゃ、人生楽しんだもん勝ちじゃ!ヒッヒッヒー!
ところで、お前の魔法のグレードを計ってやろう。
この魔法陣が書かれた石板に手を当て魔力を感じるんじゃ」
「う、うん」
石板に手を置いて、魔法を使うときのように魔力を感じると、魔法陣の文字や記号が怪しく紫に光を放った。
「ふむ。いいぞ。C5じゃ。5というか、それ以上かもしれんな。スピードは、まだ若いからな。鍛錬が必要じゃ。
魔力の耐久値が素晴らしいな。天晴れじゃ。驚いたわい」
キキリの間引いた小さな葉で、気を失ってしまった初日が懐かしい。あれから地道に魔力の耐久値を上げてきてよかった。
「あと、俺、無詠唱で魔法が出せるようになったんだ」
「ほう。それまた凄いな。偉いぞ。一度見せたくらいじゃ、フラザードにもできんかった」
おぉ。褒められた。ゾゾ長老に褒められると、すごく嬉しい。しかも、あの天才フラザードにもできなかった!?これは凄い。
「ま、今やみんなできるがな。わしはもう、無言でイメージだけで出せるぞ。ヒッヒッヒ!
エレム、お前の手を見せてみろ」
あまり見せたい手ではない。毎日クワを振って、畑仕事をしたせいでゴツゴツして、荒れた手。手の平もマメが潰れてタコになっている。
ゾゾ長老が俺の手に触れながら、何度もうなずいている。
「醜い農夫の手じゃの。
毎日毎日、クワで畑を耕した手じゃ。
わしには分かる。
お前は、毎日鍛錬を重ねた。13歳でこんな手になるほどに。そして、これからも続けるといい。
この手を誇りに生きよ、エレム。
どんな不運があろうと、
必ずこの手がお前を助けるじゃろう」
俺も改めて手を見る。そうだ、俺はずっと地道に積み上げてきたんだ。
この手を誇りにしていこう。
「うん。これからも鍛錬を続ける。
そうだ、ゾゾ長老に渡したいものが。これ、ポッコロ様人形!ど、どうぞ」
俺は、ゾゾ長老の顔に似せて作った、緑のフサフサのポッコロ様人形を手渡す。
「おお。これがポッコロ様か。ありがとう。大切にするよ。面白い顔じゃな。
ふむ。よし、わしもお前に渡すものがある。これじゃ」
テーブルの上に出されたのは、不気味な杖と、草で編んだブーツや腕輪、複雑な紋章が書かれた木の札だ。
なんだろう。ハンドメイドというよりは、魔道具といったほうがいいような存在感や説得力がある。
「まずこれは、魔力の通りの良いガランの木に鉄の金具をつけた杖じゃ。見ろ、金具に炎犬の骨をはめてある。貴重な品じゃ。研究所の倉庫から、こっそり炎犬の骨をかっぱらってきて、魔道具屋ドワラゴンに作らせた」
ダメじゃん。泥棒だよ!炎犬の骨って、人類はまだ一体しか持ってないんだよ?
「え?大丈夫?炎犬の骨って、貴重なものじゃないの?」
「今はな。国家機密にして国宝じゃ」
「え?!!見つかったら重罪じゃないの!?」
「なあに、そのうち炎犬の骨なんぞ、珍しくもなんともなくなるわい。人類は、水魔法を手に入れたのじゃから。炎犬なんて雑魚じゃわい。
炎犬の骨を挟んで試してみたら、毎日1回、ファイガス級の火球が出せる優れものじゃ。1日経つとまた使える。
杖に魔力を込めると、火がつくから、その火を増やすイメージで詠唱するのじゃ。ヒッヒッヒ!
ファイポにすれば灯りにもなるじゃろう」
おぉ!それはすごい。待ってました、チート魔道具!
「あと、おまえが9歳の時、死の森が生還した時の草舟を覚えているか?」
「う、うん」
「あの草舟の草で作った、靴と腕輪じゃ。さすが、精霊がこさえたものは素材が異次元じゃ。
この腕輪も草木の魔法を出せる。
草木と風の精霊ポッコロ様の加護じゃな。
靴は、素早く走れる。旅装にするといい。
わしのこの杖も、炎犬の骨をはめ込み、ポッコロ様の草舟を編み込んでおる」
草木の魔法は、1番得意な魔法だ。これは地味だけど、ありがたい。地味だけど。
「ついでに、これも教えてやろう。新たに発見した草木の魔法じゃ。古文書にはあったが、誰も成功していなかった。おそらく、キキリでは魔力が不足していたのじゃろう。
最初じゃから、詠唱つきで見せる。一度で覚えろよ。行くぞ!
原初の果実よ、恵みを与えたまえ。ポムルス!」
ゾゾ長老が新しい草木の魔法を唱えると、目の前に小さな木の芽が生えて、すぐに腰くらいの高さまで伸びて、金色に輝く小さなリンゴに似た果実が実った。
「これを食べ続けていると、死ぬ気がせん。お前も食べてみろ」
これは美味そうだ。形もリンゴだし。シャリっと一口ほうばる。
「ぬぉぉーーーー!!!!」
酸っぱい!舌から全身を貫く刺激!
「かっかっか!酸っぱいじゃろう。じゃが、日持ちもするし、腹持ちもいいし、元気になるぞ。状態異常も治してくれる。草舟の腕輪をつけていれば、1日につき1回、お前にもできるじゃろう」
酸っぱいことを、さきに言ってくれ。だけど、確かに身体が内側からポカポカしてくる。それにゾゾ長老が元気な理由もわかる気がする。
「最後にこの木の札は、ゾゾ派のネットワークの身分証じゃ。これを持っていれば各地にいるゾゾ派の魔法使いが助けてくれるじゃろう」
「ありがとう。ゾゾ長老。こんなに心強いことはないよ」
「エレム、各地でゾゾ派の力を借りながらエレム保護派を増やすのじゃ。
そして、統一国家を作るのじゃ!!
エレム、王となれ!そのための贈り物じゃ」
え?何それ?そんな野望ないよ。ただ平和に普通の毎日を望んでいるだけなの。
ただ。生き残りたい、それだけ。でも、そのためには、強くならないと。あれ?俺は、どうなりたいんだっけ?
「ええ?ゾゾ長老、俺はそんなこと全然考えていないよ。誰かを率いる志なんて、もっていないし。
ただ、生き延びたいだけなんだ。。。」
そう。そうなんだけど。。。それではダメだ。何もかも自力で、解決できるくらい強くならないと。。。
ゾゾ長老が、ちょっとがっかりしたように視線を落とす。杖と装備と札を自分の手元に引き寄せた。こんな俺に渡すのが、もったいないとでも言うかのように。
別にくれないなら、いらない。。。
いや!違う、言いたいのはそんなことじゃない。
俺は強くなって、みんなを守るんだ!でも、言葉が出てこない。
ゾゾ長老が残念そうに言った。
「相変わらず、呑気じゃな。器の小さな男じゃ。
まだ目には見えないが、もう戦争が始まっておる。
魔法技術の革新は、これまで人類が足を踏み入れることができなかった地域への領土拡大を可能にする。
ファラム国は、国王ザーシルが凡庸かつ弱腰じゃ。いずれ外からか内からかは別として、失脚するじゃろう。
ガルダ国とソトム国がまだ何にも知らないと思うか?ぜーんぶ知っとるよ。スパイを通じて、筒抜けじゃ。
魔法の発見は、今や激しい競争状態じゃ。ガルダ国もソトム国も水魔法、火魔法の開発まで追いついてきておる。
この炎犬の骨がついた炎の杖も、いずれ各国で量産化されて、性能も向上するじゃろう」
「そ、そんな。。。」
「いいか、エレム。
戦争では、どちらの志が優れているかなど必要ない。戦争が決めるのは、どちらが生き残るかだけじゃ。
生き残りたいなら、強くなり、王になることじゃ。さもなければ、王族や貴族の邪魔になって、お前は殺される。
不運なだけでなく、精霊と通じることができるお前を恐れて、お前が力をつける前にさっさと始末してしまいたい王族や貴族が、王都シャーヒルに山ほどおるんじゃ」
「うっ」
何も言い返せない。
そうは言っても、過激すぎる。国家転覆にとどまらず、人類統一の大義名分のもと、戦争をしろと。まだ13歳の子供に。。。
「それで、死にそうなったら、また精霊に助けてもらうのかい?
エレムよ。お前は、そんなに弱くていいのか?ザルムに比べて賢さもない。戦う気力も、意気地もないのかい?
大いなる力には、大いなる責務があるはずじゃ。それを果たす気があるのかい?
読み書き計算が生まれてすぐに出来たところから見ると、お前さん、前世の記憶があるんじゃろ?
それで、元の世界と年齢を足して何歳よ?
軟弱だねぇ!どうせ前世でも軟弱だよ!それで自分の不運を呪うってか?自分の怠慢だろうが!」
ダンッ!!
イラついたようにゾゾ長老がテーブルにこぶしを叩きつける。
その衝撃で、紫色のお茶がティーカップからこぼれて、俺の服にかかる。
いや、待てよ。俺は元の世界からカウントしたら精神年齢46歳だろ?
どうかしてるのは、俺の方だ!いつまで子供のふりをしてるんだ!
「もう誰かに殺されるのは嫌だ!
俺は、精霊を従えて、魔獣を倒して、ドラゴンとだって協力してみせる。
人類の王なんて小さなこと言わないで、ゾゾ長老、俺は、この星の主になる。隕石も不運も、俺が弾き返してやるんだ」
あれ?なんだろう。気が強くなって、心に秘めていたことを口走っているぞ。
「おお。エレム。。。
星の主、お前は、そんなことまで考えていたのか。器量が小さいのは、わしのほうじゃったか。。。
長く生きているもんじゃわい。ひ孫がこんなに高い志を!!
だが、簡単ではないぞ。
覚悟があるのか?強くて固い覚悟が必要じゃ」
「もがくことが、生きること。そう女神様が言ったんだ。
そう、俺には、それしかない。
全てを強さに変える。変えてみせる!」
「もがくことが生きること。。。
め、女神様がそうおっしゃったのか。
全てを強さに変える!!その通りじゃ!
さすが女神様が選んだ男。行け!民を導くのじゃ!
わしも各地の同志に伝令を送らねば、エレムの檄文を!」
ゾゾ長老が感涙して、俺の手を握る。そして、杖と装備と札を持たせて、家のその外に背中を押す。
「バタンっ」
玄関のドアが閉まって、気がつくと外に立っていた。
もう少しで満ちる月の下、コウモリが元気よく飛び交っている。あれ?いいのかな?なんか上手くいったのかな。
なんだか楽しい気分だ。
ちょっと乗せられて強気で言ってしまったような?まぁ良い。嘘は言っていない。言えて、良かった。
きっと元の世界でも、こんなことを言う勇気はなかった。元の世界の自分より、前進できた。自分の力で。
ゲムゲム湖に向かった時、何もできずに悔しい思いで食べた熊肉のほろ苦さを思い出す。
あの日から、やっと一歩踏み出せたんだ。
ゾゾ長老の贈り物ももらえたし。
きっと旅は楽しいものになるさ!
しばらくゾゾ長老の館の前でふらふらしていると、手紙を持った鳩が何十羽と館を飛び出して行った。
各地のゾゾ派に手紙を届けるんだろうか?これはもう前に進むしかないな。なんて書いてあるんだろう。
まあ、よし、良い感じだ。
レッツゴー!!!
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「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
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※小説家になろうにも掲載中です。
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