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世界強者決定戦 開始!
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「あぁ、わしも出たかったのぅ」
世界強者決定戦チェンマイ大会本戦の会場でゾゾ長老が子供のように目を輝かせる。
「アレイオスからは、ソニレテ団長が出場だったね。どうやって代表を決めたの?まさか決闘したの?」
カリンが大鵬と仲良くなって、リノスに僕を迎えに来てくれた時は、ひっくり返るくらいびっくりした。事前に連絡もなしにやってくるんだから。でも嬉しかった。やっとカリンに再会できたんだから。
大鵬は、人間の恋愛に首を突っ込むのが大好きな性分らしく、キスはもうしたのかとか、セクハラなことを根掘り掘り聞いてくるから参った。大鵬にデリカシーを求めるのも無理な話だけど。
でも、大鵬が親切に僕とカリンをアレイオスに送り届け、それだけでなく、ターニュ、ゾゾ長老、ソニレテ団長、ピーちゃん、クリムト、ライライをチェンマイに運んでくれた。
噂好きのお節介だけど親切で気のいい巨鳥。大鵬がいなかったら、チャンマイに行くことができないから、アレイオスから代表を送ることができないところだった。
「まさか。今回は、ソニレテに譲った。
あんな人外の男と争う気は起きんわい。アクアウ様の加護どころか、精霊のエコ贔屓、いやアクアウ様ご自身が共闘するようでは、人類が太刀打ちするなんて不可能じゃ」
あはは。アクアウ様の寵愛甚だしいソニレテ団長はどこまで勝ち進むんだろう。
1回戦のオーダーはこんな感じだ。
【第1試合】
マツモト代表
赤い目の巨人
カリン
対
メキシコ代表
エルフの剣聖
ラムー
【第2試合】
アメダバド代表
光の魔女
ヌプルス
対
カイロ代表
風使いの人魚姫
オメンポン
【第3試合】
アレイオス代表
水と風の精霊アクアウの伴侶
ソニレテ
対
ミラノ代表
無敵の重騎士
ドッドマーク
【第4試合】
リノス代表
世界最強の魔法使い
ミピシト
対
ジューケイ代表
雷と風の精霊ゼラリスの加護
ライライ
開催都市チェンマイの地元代表は、シード権が与えられる。双剣のブギーは、街の英雄だ。
一体誰が勝ち上がっていくのか。
カリンの対戦がやっぱり一番気になる。炎犬は高所恐怖症らしく、大鵬に乗りたがらなかったから、カリン単独での挑戦だ。
カリンは、とんでもなく強くなった。マツモトではS級の巨人を倒した(しかも、仲間にした)というから、凄まじい。喧嘩の時は、先に折れた方が身のためかもしれない。
「ピッケル!」
「ヤードル!それにガンダルも!」
「どうしてここに?やった!探していたんだ!ずっと!」
ガンダルが笑顔を爆発させて、涙を浮かべながら僕を抱きしめた。
「ピッケル!無事でよかった。なんだか立派になったな!
俺たちも、ビッケルやカリン、ラカン、キーラをずっと探していたんだ。
師匠のラムー様が世界強者決定戦のメキシコ代表になってな」
「ラムーの弟子!?」
「そうだ。
俺たちは、メキシコの近くに飛ばされて、ラムー様に拾われたのさ。
チャンマイに到着してから、対戦相手がカリンだと知って、びっくりしてたところさ。
ロム万能薬の広告もあるし、もしかしたら、ピッケルにも会えるんじゃないかって思って、探していたんだ。そしたら、ヤードルがピッケルを見つけてよ!」
よかった!本当に!
「キーラは、転移魔法で自国に帰れたってさ。
ラカンは一緒じゃないの?」
「そうか。キーラは無事なんだな。
ラカンの情報は、まだ俺たちも何も。残るはラカンだけだな」
「そうか、ラカンのことはまだ分からないままか。無事だと信じているんだけど」
「まぁ、無事なのは間違いないさ。空から降ってきたくらいだ。大丈夫さ。
これだけの人が集まっているんだ、何か情報が得られないか、調べてみるぜ」
「そうだね。そうしよう。まずは、目の前のカリンの応援をしなきゃ」
「そうだな。師匠も応援したいし、カリンも応援したいし。この試合、目が離せないぜ」
観客の歓声が一際大きくなって、舞台に選手が入場したことが伝わってきた。
「うおっほん!今回、審判をするパバリ王じゃ。安全のため舞台と観客席の間にはわしがバリアを張っておる。
しかし、危険を感じたら、すくに退避するように事前にお願いしておく。それくらい激しい戦いが予想される」
審判が有名な創生のパバリ王だと分かって、会場がどよめく。
「では、第1試合、カリン対ラムーの試合を始める。準備は良いかな」
カリンとラムーが構える。
「よし、では試合開始じゃ」
会場中に試合開始のドラが鳴り響く。
注目の試合が、今始まった。
世界強者決定戦チェンマイ大会本戦の会場でゾゾ長老が子供のように目を輝かせる。
「アレイオスからは、ソニレテ団長が出場だったね。どうやって代表を決めたの?まさか決闘したの?」
カリンが大鵬と仲良くなって、リノスに僕を迎えに来てくれた時は、ひっくり返るくらいびっくりした。事前に連絡もなしにやってくるんだから。でも嬉しかった。やっとカリンに再会できたんだから。
大鵬は、人間の恋愛に首を突っ込むのが大好きな性分らしく、キスはもうしたのかとか、セクハラなことを根掘り掘り聞いてくるから参った。大鵬にデリカシーを求めるのも無理な話だけど。
でも、大鵬が親切に僕とカリンをアレイオスに送り届け、それだけでなく、ターニュ、ゾゾ長老、ソニレテ団長、ピーちゃん、クリムト、ライライをチェンマイに運んでくれた。
噂好きのお節介だけど親切で気のいい巨鳥。大鵬がいなかったら、チャンマイに行くことができないから、アレイオスから代表を送ることができないところだった。
「まさか。今回は、ソニレテに譲った。
あんな人外の男と争う気は起きんわい。アクアウ様の加護どころか、精霊のエコ贔屓、いやアクアウ様ご自身が共闘するようでは、人類が太刀打ちするなんて不可能じゃ」
あはは。アクアウ様の寵愛甚だしいソニレテ団長はどこまで勝ち進むんだろう。
1回戦のオーダーはこんな感じだ。
【第1試合】
マツモト代表
赤い目の巨人
カリン
対
メキシコ代表
エルフの剣聖
ラムー
【第2試合】
アメダバド代表
光の魔女
ヌプルス
対
カイロ代表
風使いの人魚姫
オメンポン
【第3試合】
アレイオス代表
水と風の精霊アクアウの伴侶
ソニレテ
対
ミラノ代表
無敵の重騎士
ドッドマーク
【第4試合】
リノス代表
世界最強の魔法使い
ミピシト
対
ジューケイ代表
雷と風の精霊ゼラリスの加護
ライライ
開催都市チェンマイの地元代表は、シード権が与えられる。双剣のブギーは、街の英雄だ。
一体誰が勝ち上がっていくのか。
カリンの対戦がやっぱり一番気になる。炎犬は高所恐怖症らしく、大鵬に乗りたがらなかったから、カリン単独での挑戦だ。
カリンは、とんでもなく強くなった。マツモトではS級の巨人を倒した(しかも、仲間にした)というから、凄まじい。喧嘩の時は、先に折れた方が身のためかもしれない。
「ピッケル!」
「ヤードル!それにガンダルも!」
「どうしてここに?やった!探していたんだ!ずっと!」
ガンダルが笑顔を爆発させて、涙を浮かべながら僕を抱きしめた。
「ピッケル!無事でよかった。なんだか立派になったな!
俺たちも、ビッケルやカリン、ラカン、キーラをずっと探していたんだ。
師匠のラムー様が世界強者決定戦のメキシコ代表になってな」
「ラムーの弟子!?」
「そうだ。
俺たちは、メキシコの近くに飛ばされて、ラムー様に拾われたのさ。
チャンマイに到着してから、対戦相手がカリンだと知って、びっくりしてたところさ。
ロム万能薬の広告もあるし、もしかしたら、ピッケルにも会えるんじゃないかって思って、探していたんだ。そしたら、ヤードルがピッケルを見つけてよ!」
よかった!本当に!
「キーラは、転移魔法で自国に帰れたってさ。
ラカンは一緒じゃないの?」
「そうか。キーラは無事なんだな。
ラカンの情報は、まだ俺たちも何も。残るはラカンだけだな」
「そうか、ラカンのことはまだ分からないままか。無事だと信じているんだけど」
「まぁ、無事なのは間違いないさ。空から降ってきたくらいだ。大丈夫さ。
これだけの人が集まっているんだ、何か情報が得られないか、調べてみるぜ」
「そうだね。そうしよう。まずは、目の前のカリンの応援をしなきゃ」
「そうだな。師匠も応援したいし、カリンも応援したいし。この試合、目が離せないぜ」
観客の歓声が一際大きくなって、舞台に選手が入場したことが伝わってきた。
「うおっほん!今回、審判をするパバリ王じゃ。安全のため舞台と観客席の間にはわしがバリアを張っておる。
しかし、危険を感じたら、すくに退避するように事前にお願いしておく。それくらい激しい戦いが予想される」
審判が有名な創生のパバリ王だと分かって、会場がどよめく。
「では、第1試合、カリン対ラムーの試合を始める。準備は良いかな」
カリンとラムーが構える。
「よし、では試合開始じゃ」
会場中に試合開始のドラが鳴り響く。
注目の試合が、今始まった。
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