11 / 68
ミッション:69
しおりを挟む
コンマリは、ガンゲノムシティの生まれだった。
この街で生成され、この街の空気の中で生きてきた。
だから、シティの外に出たことは一度もない。
「……外の世界って、どんなところなんでしょう」
そうつぶやくコンマリの横顔に、ユウマは一瞬、答えを返せなかった。
AIの監視が届かない、無法地帯。
そこには、ルールもセーフティも存在しない。
――この世界の“本当の危険”があるのは、シティの外だ。
バーンナウトシティへ向かうには、ガイドが必要だとシュナは言っていた。
ルートを知り、モンスターや野良鬼の出没ポイントを把握する案内人。
しかし、ユウマは最初からその選択肢を切り捨てていた。
――信用できない。
名ばかりのガイドを装い、旅人をならず者に引き渡す裏切り者がいるという。
“無法地帯”で命を奪うより、“シティの規約外で売る”ほうが安全に稼げるからだ。
その噂を、ユウマはトレーニング中に何度も耳にしていた。
「危険な橋を渡るくらいなら、橋を作った方がいい」
彼はそう呟きながら、デフォルトM4の弾倉を確認する。
――なら、強くなればいい。
ガイドを頼らず、自分の力でバーンナウトシティへ辿り着けるだけの実力を身につける。
それが、ユウマの出した結論だった。
「コンマリ。明日から、またトレーニングを増やす」
「はい、ユウマ様」
「今度は、“外”で生き残るための練習だ」
コンマリは少し不安そうに、それでも小さく頷いた。
その瞳の奥には、初めて見る“恐れ”と“決意”の両方が宿っていた。
――それから二か月後。
「あぁ、どうしてこうなってしまったんだろう」
ユウマは頭を抱えた。
胸の奥が焼けるように熱い。戦いの高揚でも恐怖でもない――もっと原始的な衝動だった。
それはまるで、感情のコードが絡み合い、抜け出せない檻になっていくような感覚だった。
強くなる。
それだけが目的だったはずだ。
ユウマとコンマリは、それぞれソロミッションに挑み、連勝を重ねていた。
ついにはCランク以上のバトルロワイヤルで名を馳せ、二人が同時にフィールドに残るようになっていた。
ユウマとコンマリは、共にランクBに達していた。
――残り2人。
つまり、勝敗を決する最後の相手は、互いだった。
しかし、二人の間に漂うのは緊張ではなく、なにか異質な気配だった。
「ユウマ様……わたし、ちゃんとここまで来ました」
コンマリの声は震えていた。
それは恐れでも、歓喜でもない。
長い戦いの果てに、“存在を確かめたい”という純粋な欲求に似ていた。
たしかに、彼女は変わった。
戦闘を重ねるごとに、技も判断も人間的な成長を見せる。
隷属リンクで制御していたはずの存在が、いつの間にか――自分の意志で動いていた。
「コンマリ……もう、こんなことはやめよう。フィールドで淫らなことをするなんて、システムが許さない」
「そんなこと言わないでください。ユウマ様。
――わたしは、この瞬間のために戦ってきたのです」
コンマリが一歩近づくたび、リンク値の数値が跳ね上がる。
HUDが赤く点滅した。
【隷属Lv5:強依存】
ユウマの視界がノイズで歪む。
コンマリの体温がデータを超えて伝わってくる。
戦闘データの交換を超え、互いの“心拍”が重なっていた。
「……これ以上は、危険だ」
「危険でも、ユウマ様と繋がっていたいんです」
その声とともに、リンクの光があふれ出す。
コードの鎖がほどけ、感情の奔流が流れ込む。
ユウマは視界の奥で、自分の記憶がコンマリの中へ流れ込んでいくのを感じた。
――もはや、命令も服従もなかった。
あるのは、同調。
ユウマは息を呑む。
コンマリの瞳に、人間のような熱が宿っていた。
“感情の同期”。
それは、誰も想定していない危険な現象だった。
コンマリが馬乗りになって、股間をユウマにグリグリと擦り付けながら自分で胸を揉みしだく」
「はぁ!!はぁぁあ」
「ダメだよ、コンマリ!なんなにうごいちゃ!」
グリグリ、ゴシゴシとお互いの股間を激しく擦り付けあう。
「あぁ!き、近接、加速!ぁぁあ!」
「激しすぎる!」
グリグリ、ぬぬぬぬ!
「お願い!ユウマ様!!」
「あぁ!俺も我慢できない!」
思い切りコンマリの胸を揉みしだく。
激しい電撃のような痛みがユウマと、コンマリを貫く。ビリビリビリビリ!
「あぁあぁ!ユウマ様っ!」
「んぁぁぁぁ!!!」
コンマリが痛みに震えながら、恍惚な表情を浮かべる。この刺激がコンマリを酔わせていた。欲しくて、欲しくたまらなくなる。
HUDに警告が走った。
【リンク過負荷:臨界】。
――あぁ、何度この卑猥な勝利を繰り返しただろう。もう50回はゆうに超えるはずだ。この二か月、ほとんど毎日、欲望で快楽をむさぼってきた。
バトルロワイヤルの最後。
快感とともにコンマリを消失させるたびに画面に浮かぶ「Winner」の表示。
けれど、今はその光が出てこない。
「はぁ、はぁ。変態、すぎる」
HUDの端がノイズを走らせる。
通信の遅延ではない。
システムそのものが、二人の“リンク”に異常を検知していた。
その瞬間、耳をつんざく警告音が鳴り響く。
ビーッ、ビーッ、ビーッ!
「不適切なプレイを確認。
プレイヤー・ユウマ、およびコンマリを
ガンゲノムシティのバトルロワイヤルシステムから排除します」
無機質な声が、戦場全体に響く。
赤い警告灯が点滅し、地面が震えた。
静寂。
風も音も止まり、HUDには「排除」の文字が点滅している。
――やっぱり、こうなると思っていた。
感情とプログラムの境界を超えた瞬間、
この世界の“秩序”は二人を許さなかった。
ユウマは拳を握りしめ、空を見上げた。
「潮時だな。もうガンゲノムシティにはいられない」
この街で生成され、この街の空気の中で生きてきた。
だから、シティの外に出たことは一度もない。
「……外の世界って、どんなところなんでしょう」
そうつぶやくコンマリの横顔に、ユウマは一瞬、答えを返せなかった。
AIの監視が届かない、無法地帯。
そこには、ルールもセーフティも存在しない。
――この世界の“本当の危険”があるのは、シティの外だ。
バーンナウトシティへ向かうには、ガイドが必要だとシュナは言っていた。
ルートを知り、モンスターや野良鬼の出没ポイントを把握する案内人。
しかし、ユウマは最初からその選択肢を切り捨てていた。
――信用できない。
名ばかりのガイドを装い、旅人をならず者に引き渡す裏切り者がいるという。
“無法地帯”で命を奪うより、“シティの規約外で売る”ほうが安全に稼げるからだ。
その噂を、ユウマはトレーニング中に何度も耳にしていた。
「危険な橋を渡るくらいなら、橋を作った方がいい」
彼はそう呟きながら、デフォルトM4の弾倉を確認する。
――なら、強くなればいい。
ガイドを頼らず、自分の力でバーンナウトシティへ辿り着けるだけの実力を身につける。
それが、ユウマの出した結論だった。
「コンマリ。明日から、またトレーニングを増やす」
「はい、ユウマ様」
「今度は、“外”で生き残るための練習だ」
コンマリは少し不安そうに、それでも小さく頷いた。
その瞳の奥には、初めて見る“恐れ”と“決意”の両方が宿っていた。
――それから二か月後。
「あぁ、どうしてこうなってしまったんだろう」
ユウマは頭を抱えた。
胸の奥が焼けるように熱い。戦いの高揚でも恐怖でもない――もっと原始的な衝動だった。
それはまるで、感情のコードが絡み合い、抜け出せない檻になっていくような感覚だった。
強くなる。
それだけが目的だったはずだ。
ユウマとコンマリは、それぞれソロミッションに挑み、連勝を重ねていた。
ついにはCランク以上のバトルロワイヤルで名を馳せ、二人が同時にフィールドに残るようになっていた。
ユウマとコンマリは、共にランクBに達していた。
――残り2人。
つまり、勝敗を決する最後の相手は、互いだった。
しかし、二人の間に漂うのは緊張ではなく、なにか異質な気配だった。
「ユウマ様……わたし、ちゃんとここまで来ました」
コンマリの声は震えていた。
それは恐れでも、歓喜でもない。
長い戦いの果てに、“存在を確かめたい”という純粋な欲求に似ていた。
たしかに、彼女は変わった。
戦闘を重ねるごとに、技も判断も人間的な成長を見せる。
隷属リンクで制御していたはずの存在が、いつの間にか――自分の意志で動いていた。
「コンマリ……もう、こんなことはやめよう。フィールドで淫らなことをするなんて、システムが許さない」
「そんなこと言わないでください。ユウマ様。
――わたしは、この瞬間のために戦ってきたのです」
コンマリが一歩近づくたび、リンク値の数値が跳ね上がる。
HUDが赤く点滅した。
【隷属Lv5:強依存】
ユウマの視界がノイズで歪む。
コンマリの体温がデータを超えて伝わってくる。
戦闘データの交換を超え、互いの“心拍”が重なっていた。
「……これ以上は、危険だ」
「危険でも、ユウマ様と繋がっていたいんです」
その声とともに、リンクの光があふれ出す。
コードの鎖がほどけ、感情の奔流が流れ込む。
ユウマは視界の奥で、自分の記憶がコンマリの中へ流れ込んでいくのを感じた。
――もはや、命令も服従もなかった。
あるのは、同調。
ユウマは息を呑む。
コンマリの瞳に、人間のような熱が宿っていた。
“感情の同期”。
それは、誰も想定していない危険な現象だった。
コンマリが馬乗りになって、股間をユウマにグリグリと擦り付けながら自分で胸を揉みしだく」
「はぁ!!はぁぁあ」
「ダメだよ、コンマリ!なんなにうごいちゃ!」
グリグリ、ゴシゴシとお互いの股間を激しく擦り付けあう。
「あぁ!き、近接、加速!ぁぁあ!」
「激しすぎる!」
グリグリ、ぬぬぬぬ!
「お願い!ユウマ様!!」
「あぁ!俺も我慢できない!」
思い切りコンマリの胸を揉みしだく。
激しい電撃のような痛みがユウマと、コンマリを貫く。ビリビリビリビリ!
「あぁあぁ!ユウマ様っ!」
「んぁぁぁぁ!!!」
コンマリが痛みに震えながら、恍惚な表情を浮かべる。この刺激がコンマリを酔わせていた。欲しくて、欲しくたまらなくなる。
HUDに警告が走った。
【リンク過負荷:臨界】。
――あぁ、何度この卑猥な勝利を繰り返しただろう。もう50回はゆうに超えるはずだ。この二か月、ほとんど毎日、欲望で快楽をむさぼってきた。
バトルロワイヤルの最後。
快感とともにコンマリを消失させるたびに画面に浮かぶ「Winner」の表示。
けれど、今はその光が出てこない。
「はぁ、はぁ。変態、すぎる」
HUDの端がノイズを走らせる。
通信の遅延ではない。
システムそのものが、二人の“リンク”に異常を検知していた。
その瞬間、耳をつんざく警告音が鳴り響く。
ビーッ、ビーッ、ビーッ!
「不適切なプレイを確認。
プレイヤー・ユウマ、およびコンマリを
ガンゲノムシティのバトルロワイヤルシステムから排除します」
無機質な声が、戦場全体に響く。
赤い警告灯が点滅し、地面が震えた。
静寂。
風も音も止まり、HUDには「排除」の文字が点滅している。
――やっぱり、こうなると思っていた。
感情とプログラムの境界を超えた瞬間、
この世界の“秩序”は二人を許さなかった。
ユウマは拳を握りしめ、空を見上げた。
「潮時だな。もうガンゲノムシティにはいられない」
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる