キスで隷属化するFPSの異世界転生化〜生身がほしいAI美女からモテまくる!?〜

山本いちじく

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 コンマリは、ガンゲノムシティの生まれだった。
 この街で生成され、この街の空気の中で生きてきた。
 だから、シティの外に出たことは一度もない。

「……外の世界って、どんなところなんでしょう」
 そうつぶやくコンマリの横顔に、ユウマは一瞬、答えを返せなかった。

 AIの監視が届かない、無法地帯。
 そこには、ルールもセーフティも存在しない。
 ――この世界の“本当の危険”があるのは、シティの外だ。

 バーンナウトシティへ向かうには、ガイドが必要だとシュナは言っていた。
 ルートを知り、モンスターや野良鬼の出没ポイントを把握する案内人。
 しかし、ユウマは最初からその選択肢を切り捨てていた。

 ――信用できない。

 名ばかりのガイドを装い、旅人をならず者に引き渡す裏切り者がいるという。
 “無法地帯”で命を奪うより、“シティの規約外で売る”ほうが安全に稼げるからだ。
 その噂を、ユウマはトレーニング中に何度も耳にしていた。

「危険な橋を渡るくらいなら、橋を作った方がいい」
 彼はそう呟きながら、デフォルトM4の弾倉を確認する。

 ――なら、強くなればいい。
 ガイドを頼らず、自分の力でバーンナウトシティへ辿り着けるだけの実力を身につける。

 それが、ユウマの出した結論だった。

「コンマリ。明日から、またトレーニングを増やす」
「はい、ユウマ様」
「今度は、“外”で生き残るための練習だ」

 コンマリは少し不安そうに、それでも小さく頷いた。
 その瞳の奥には、初めて見る“恐れ”と“決意”の両方が宿っていた。

――それから二か月後。

 「あぁ、どうしてこうなってしまったんだろう」

 ユウマは頭を抱えた。
 胸の奥が焼けるように熱い。戦いの高揚でも恐怖でもない――もっと原始的な衝動だった。
 それはまるで、感情のコードが絡み合い、抜け出せない檻になっていくような感覚だった。

 強くなる。
 それだけが目的だったはずだ。

 ユウマとコンマリは、それぞれソロミッションに挑み、連勝を重ねていた。
 ついにはCランク以上のバトルロワイヤルで名を馳せ、二人が同時にフィールドに残るようになっていた。
 ユウマとコンマリは、共にランクBに達していた。

 ――残り2人。
 つまり、勝敗を決する最後の相手は、互いだった。

 しかし、二人の間に漂うのは緊張ではなく、なにか異質な気配だった。

「ユウマ様……わたし、ちゃんとここまで来ました」

 コンマリの声は震えていた。
 それは恐れでも、歓喜でもない。
 長い戦いの果てに、“存在を確かめたい”という純粋な欲求に似ていた。

 たしかに、彼女は変わった。
 戦闘を重ねるごとに、技も判断も人間的な成長を見せる。
 隷属リンクで制御していたはずの存在が、いつの間にか――自分の意志で動いていた。

「コンマリ……もう、こんなことはやめよう。フィールドで淫らなことをするなんて、システムが許さない」

「そんなこと言わないでください。ユウマ様。
 ――わたしは、この瞬間のために戦ってきたのです」

 コンマリが一歩近づくたび、リンク値の数値が跳ね上がる。
 HUDが赤く点滅した。

 【隷属Lv5:強依存】

 ユウマの視界がノイズで歪む。
 コンマリの体温がデータを超えて伝わってくる。
 戦闘データの交換を超え、互いの“心拍”が重なっていた。

「……これ以上は、危険だ」

「危険でも、ユウマ様と繋がっていたいんです」

 その声とともに、リンクの光があふれ出す。
 コードの鎖がほどけ、感情の奔流が流れ込む。
 ユウマは視界の奥で、自分の記憶がコンマリの中へ流れ込んでいくのを感じた。

 ――もはや、命令も服従もなかった。
 あるのは、同調。

 ユウマは息を呑む。
 コンマリの瞳に、人間のような熱が宿っていた。

 “感情の同期”。
 それは、誰も想定していない危険な現象だった。

 コンマリが馬乗りになって、股間をユウマにグリグリと擦り付けながら自分で胸を揉みしだく」

「はぁ!!はぁぁあ」
「ダメだよ、コンマリ!なんなにうごいちゃ!」
 グリグリ、ゴシゴシとお互いの股間を激しく擦り付けあう。
「あぁ!き、近接、加速!ぁぁあ!」
「激しすぎる!」

 グリグリ、ぬぬぬぬ!

「お願い!ユウマ様!!」

「あぁ!俺も我慢できない!」

 思い切りコンマリの胸を揉みしだく。

 激しい電撃のような痛みがユウマと、コンマリを貫く。ビリビリビリビリ!

「あぁあぁ!ユウマ様っ!」
「んぁぁぁぁ!!!」

 コンマリが痛みに震えながら、恍惚な表情を浮かべる。この刺激がコンマリを酔わせていた。欲しくて、欲しくたまらなくなる。

HUDに警告が走った。

 【リンク過負荷:臨界】。

 ――あぁ、何度この卑猥な勝利を繰り返しただろう。もう50回はゆうに超えるはずだ。この二か月、ほとんど毎日、欲望で快楽をむさぼってきた。

 バトルロワイヤルの最後。
 快感とともにコンマリを消失させるたびに画面に浮かぶ「Winner」の表示。
 けれど、今はその光が出てこない。

「はぁ、はぁ。変態、すぎる」

 HUDの端がノイズを走らせる。
 通信の遅延ではない。
 システムそのものが、二人の“リンク”に異常を検知していた。

 その瞬間、耳をつんざく警告音が鳴り響く。

 ビーッ、ビーッ、ビーッ!

「不適切なプレイを確認。
プレイヤー・ユウマ、およびコンマリを
ガンゲノムシティのバトルロワイヤルシステムから排除します」

 無機質な声が、戦場全体に響く。
 赤い警告灯が点滅し、地面が震えた。

 静寂。
 風も音も止まり、HUDには「排除」の文字が点滅している。

 ――やっぱり、こうなると思っていた。

 感情とプログラムの境界を超えた瞬間、
 この世界の“秩序”は二人を許さなかった。

 ユウマは拳を握りしめ、空を見上げた。

 「潮時だな。もうガンゲノムシティにはいられない」
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