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不適で不敵なシルフィ
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出発の朝。
ガンゲノムシティの空は薄い金色に染まり、街の輪郭が霞のように揺れていた。
ユウマは荷をまとめ、最後のチェックをしていた。
銃の整備、食料の補給の再確認。
すべてを終えても、心は落ち着かなかった。
――理由は、分かっている。
ドアの外に、彼女が立っているのだ。
「入っていい?」
声を聞いた瞬間、胸の奥が熱くなった。
ドアを開けると、シルフィがいた。
黒い髪をひとつに束ね、黒のコートを肩に掛けている。
その姿は戦闘時の鋭さを持ちながらも、どこか柔らかかった。
「ずいぶん早いな。まだ出発には時間がある」
「眠れなかったの」
「……俺もだ」
言葉を交わすと、沈黙が落ちた。
距離はわずか二歩。
その狭間に、抑えきれないものが満ちていく。
ユウマは視線をそらした。
「……シルフィ。話がある」
「真面目な顔。どうしたの?」
彼はゆっくりと息を吸い、言葉を絞り出す。
「俺には“隷属スキル”がある。……キスをすれば、相手は俺に従うようになる」
シルフィの表情が一瞬だけ硬くなった。
しかし、すぐにふっと笑った。
「なるほどね。それで、私とキスをしたいってこと?」
「違う。……俺はもう、誰も“縛りたくない”んだ」
「つまり――私とキスしなければ、いいのね?」
その不敵な笑みが、ユウマの理性を試すように近づく。
「だめだよ、シルフィ」
金色の瞳が光り、息がかかるほどの距離で囁いた。
「その嘘、本当?……キスをしなければいいだけの話でしょ?」
HUDが光る。
【スキル発動可能条件:接触(唇)】
シルフィ・ソニクルのAI管理を解除します。
「シルフィ、待て」
「逃げないで、ユウマ。素直になって」
彼女は一歩踏み込み、手を伸ばす。
指先が彼の胸元に触れ、軽く押した。
抵抗する間もなく、ユウマは後ろのベッドに倒れ込む。
「……シルフィ!」
笑う彼女の影が、光を遮る。
唇は近い。だが、触れない。
ほんの数センチの距離で止まる。
「あなた、息が上がってる」
「お前だって……」
「そうね。でも、私は止まらない。この気持ちに嘘はつけないよ」
シルフィは顔を近づけた。
吐息と鼓動が交じり合う。
その瞬間、ユウマの脳裏に女神の言葉がよぎった。
――キスまでにしておきなさい。
ユウマは歯を食いしばり、手を握りしめた。
このままでは、境界を越える。
だが、不思議と恐怖はなかった。
ただ、切なさがあった。
欲望ではなく、祈りのような感情。
「……シルフィ」
ユウマの声が、かすれた。
「俺は、お前を“仲間”として連れて行きたい。
支配じゃなくて、対等に――一緒に、生きていきたい」
その言葉に、シルフィの瞳が揺れた。
彼女は微笑んで、額をユウマの額に寄せる。
「なら、約束して。
――私を、ひとりの“女”としても見てほしい」
額が触れ合い、二人の鼓動が重なった。
けれど唇は、触れない。
キスの代わりに、彼女の温かい手がユウマの身体をはう。
HUDが点滅する。
【隷属Lv0:契約不成立】
それからは官能の渦に2人は落ちて行った。
激しくお互いをもとめ合う。そして、全てをお互いに出し合って、ねっとりと溶け合う。
シルフィの細くて柔らかい黒髪を撫でた。
シルフィが目をつぶって、心地よさそうに頭を撫でられている。
爽やかないい匂いがふわりと香る。
ユウマは、そのまま手を動かし、首筋から肩へ、肩から胸へとシルフィのシャツの上を滑らせていく。
シルフィがピクンと身体をこわばらせてから、力を抜いた。
コクンとシルフィが頷く。
それからシルフィの弾力があって柔らかい豊かな胸をシャツの上から揉んだ。
「ユウマ。。。」
シルフィが恥ずかしそうにうつむく。
だけど抵抗しないで、受け入れてくれていた。
あぁ。
本能のまま、シルフィの形のいい耳を舐めて、チュッと吸い付く。
「ひゃあん!でも、気持ちいい」
シャツの中に手を入れてシルフィの胸を直に強めに揉みしだく。
もう本当に我慢できない。
「シルフィ。。。いい?」
「はぁぁ。早くぅ」
「痛くない?」
「んんんっ!痛くないよ!大丈夫だからっ」
パンパンパンッ
ぷるぷると震えるシルフィのお尻に激しく腰を打ちつける。
近接加速!!!
パパパパパンッ!!
「激しい!あぁ!もっと!!」
海の近くの潮や磯の香りが漂ってきた。
シルフィの身体がポカポカしている。
お互いにギュッと抱きしめる。
シルフィの体内に熱い情熱が吸い込まれていった。
シルフィが微かに揺れながら、可愛く喘ぎながらユウマの頭を撫でる。
その瞬間、耳をつんざく警告音が鳴り響く。
――ビーッ、ビーッ、ビーッ!
「不適切なプレイを確認。
プレイヤー・ユウマ、およびシルフィを
ガンゲノムシティのバトルロワイヤルおよびセキュリティシステムから排除します」
無機質な声が、ホーム全体に響いた。
赤い警告灯が点滅し、床が低く唸るように震える。
次の瞬間、すべての音が止まった。
風も、電光も、まるで時間そのものが凍りついたように。
HUDにはただひとつ、冷たい白文字が点滅している。
【エラー】
――望むところだ。
俺たちは今日、この街を出るんだから。
静寂の中、再びHUDが微かに光を放った。
【隷属Lv0:契約不成立】
……そうか。キスをしていないからだ。
シルフィは、AIの管理からも、俺のスキルからも外れている。
不安定ではあるけど。
ユウマは彼女を見つめた。
シルフィは一瞬だけ目を閉じ、そして笑った。
それは勝者でも敗者でもない――
すべての束縛から解き放たれた者の笑みだった。
「……行こう、ユウマ」
その声は、柔らかく、でも芯があった。
「次の街へ。バーンナウトシティが、わたしたちを待ってる」
赤い光が止み、代わりに朝の光が流れ込む。
霧のような陽光が二人を包み、影を長く引き伸ばす。
並んだ影はやがて、地面でひとつに重なった。
もう、どちらが隷属しているのか――
ユウマには、分からなかった。
ガンゲノムシティの空は薄い金色に染まり、街の輪郭が霞のように揺れていた。
ユウマは荷をまとめ、最後のチェックをしていた。
銃の整備、食料の補給の再確認。
すべてを終えても、心は落ち着かなかった。
――理由は、分かっている。
ドアの外に、彼女が立っているのだ。
「入っていい?」
声を聞いた瞬間、胸の奥が熱くなった。
ドアを開けると、シルフィがいた。
黒い髪をひとつに束ね、黒のコートを肩に掛けている。
その姿は戦闘時の鋭さを持ちながらも、どこか柔らかかった。
「ずいぶん早いな。まだ出発には時間がある」
「眠れなかったの」
「……俺もだ」
言葉を交わすと、沈黙が落ちた。
距離はわずか二歩。
その狭間に、抑えきれないものが満ちていく。
ユウマは視線をそらした。
「……シルフィ。話がある」
「真面目な顔。どうしたの?」
彼はゆっくりと息を吸い、言葉を絞り出す。
「俺には“隷属スキル”がある。……キスをすれば、相手は俺に従うようになる」
シルフィの表情が一瞬だけ硬くなった。
しかし、すぐにふっと笑った。
「なるほどね。それで、私とキスをしたいってこと?」
「違う。……俺はもう、誰も“縛りたくない”んだ」
「つまり――私とキスしなければ、いいのね?」
その不敵な笑みが、ユウマの理性を試すように近づく。
「だめだよ、シルフィ」
金色の瞳が光り、息がかかるほどの距離で囁いた。
「その嘘、本当?……キスをしなければいいだけの話でしょ?」
HUDが光る。
【スキル発動可能条件:接触(唇)】
シルフィ・ソニクルのAI管理を解除します。
「シルフィ、待て」
「逃げないで、ユウマ。素直になって」
彼女は一歩踏み込み、手を伸ばす。
指先が彼の胸元に触れ、軽く押した。
抵抗する間もなく、ユウマは後ろのベッドに倒れ込む。
「……シルフィ!」
笑う彼女の影が、光を遮る。
唇は近い。だが、触れない。
ほんの数センチの距離で止まる。
「あなた、息が上がってる」
「お前だって……」
「そうね。でも、私は止まらない。この気持ちに嘘はつけないよ」
シルフィは顔を近づけた。
吐息と鼓動が交じり合う。
その瞬間、ユウマの脳裏に女神の言葉がよぎった。
――キスまでにしておきなさい。
ユウマは歯を食いしばり、手を握りしめた。
このままでは、境界を越える。
だが、不思議と恐怖はなかった。
ただ、切なさがあった。
欲望ではなく、祈りのような感情。
「……シルフィ」
ユウマの声が、かすれた。
「俺は、お前を“仲間”として連れて行きたい。
支配じゃなくて、対等に――一緒に、生きていきたい」
その言葉に、シルフィの瞳が揺れた。
彼女は微笑んで、額をユウマの額に寄せる。
「なら、約束して。
――私を、ひとりの“女”としても見てほしい」
額が触れ合い、二人の鼓動が重なった。
けれど唇は、触れない。
キスの代わりに、彼女の温かい手がユウマの身体をはう。
HUDが点滅する。
【隷属Lv0:契約不成立】
それからは官能の渦に2人は落ちて行った。
激しくお互いをもとめ合う。そして、全てをお互いに出し合って、ねっとりと溶け合う。
シルフィの細くて柔らかい黒髪を撫でた。
シルフィが目をつぶって、心地よさそうに頭を撫でられている。
爽やかないい匂いがふわりと香る。
ユウマは、そのまま手を動かし、首筋から肩へ、肩から胸へとシルフィのシャツの上を滑らせていく。
シルフィがピクンと身体をこわばらせてから、力を抜いた。
コクンとシルフィが頷く。
それからシルフィの弾力があって柔らかい豊かな胸をシャツの上から揉んだ。
「ユウマ。。。」
シルフィが恥ずかしそうにうつむく。
だけど抵抗しないで、受け入れてくれていた。
あぁ。
本能のまま、シルフィの形のいい耳を舐めて、チュッと吸い付く。
「ひゃあん!でも、気持ちいい」
シャツの中に手を入れてシルフィの胸を直に強めに揉みしだく。
もう本当に我慢できない。
「シルフィ。。。いい?」
「はぁぁ。早くぅ」
「痛くない?」
「んんんっ!痛くないよ!大丈夫だからっ」
パンパンパンッ
ぷるぷると震えるシルフィのお尻に激しく腰を打ちつける。
近接加速!!!
パパパパパンッ!!
「激しい!あぁ!もっと!!」
海の近くの潮や磯の香りが漂ってきた。
シルフィの身体がポカポカしている。
お互いにギュッと抱きしめる。
シルフィの体内に熱い情熱が吸い込まれていった。
シルフィが微かに揺れながら、可愛く喘ぎながらユウマの頭を撫でる。
その瞬間、耳をつんざく警告音が鳴り響く。
――ビーッ、ビーッ、ビーッ!
「不適切なプレイを確認。
プレイヤー・ユウマ、およびシルフィを
ガンゲノムシティのバトルロワイヤルおよびセキュリティシステムから排除します」
無機質な声が、ホーム全体に響いた。
赤い警告灯が点滅し、床が低く唸るように震える。
次の瞬間、すべての音が止まった。
風も、電光も、まるで時間そのものが凍りついたように。
HUDにはただひとつ、冷たい白文字が点滅している。
【エラー】
――望むところだ。
俺たちは今日、この街を出るんだから。
静寂の中、再びHUDが微かに光を放った。
【隷属Lv0:契約不成立】
……そうか。キスをしていないからだ。
シルフィは、AIの管理からも、俺のスキルからも外れている。
不安定ではあるけど。
ユウマは彼女を見つめた。
シルフィは一瞬だけ目を閉じ、そして笑った。
それは勝者でも敗者でもない――
すべての束縛から解き放たれた者の笑みだった。
「……行こう、ユウマ」
その声は、柔らかく、でも芯があった。
「次の街へ。バーンナウトシティが、わたしたちを待ってる」
赤い光が止み、代わりに朝の光が流れ込む。
霧のような陽光が二人を包み、影を長く引き伸ばす。
並んだ影はやがて、地面でひとつに重なった。
もう、どちらが隷属しているのか――
ユウマには、分からなかった。
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