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ユーノスvsナターシャ
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夕暮れの演劇場。
オレンジと紫に分かれた空が、静かな石造りの観客席を照らしていた。
そこは隠れる場所が一つもない円形ステージ。
風だけが唯一の障害物。
ユーノスは中央に立っていた。
左腕はシルフィに撃ち抜かれ、
全身は土と血に汚れている。
体力──5%。
それでも、姿勢は崩れていない。
LMGを片腕だけで構え、静かに息を整える。
(……ここまで来たのよ、私。
絶対に落ちない……たとえ相手が──)
反対側のゲートが上がる。
光の中から現れたのは──
ナターシャ。
白いワンピース型の簡易戦闘スーツ。
顔にはいつもの優しい微笑み。
だが──背中の機械翼には
無数の爆薬ケースと、起動して青く光るドローン爆弾。
もう“召使いAI”ではなかった。
HUDが二人の声を繋ぐ。
「……ナターシャ。
あなた……ずいぶん物騒な姿ね」
ユーノスは静かに言う。
「はい。シルフィ様に改造していただきました。
……“あなたに勝つため”に。」
「ふふ……
なら遠慮はしないわ」
風が吹いた。
爆薬の青い光が揺れる。
ユーノスが先に撃った。
片腕でLMGを構えて、照準は狂いまくっている。
――ドガガガガガガガッ!!
演劇場に弾幕の壁が作られる。
観客席の石が砕け、地面に弾痕が広がる。
だがナターシャは、
一歩も動かず、微妙な角度だけ変えて回避した。
「……なに……?」
「くっ……!」
ナターシャはそこだけ歩いてすり抜けた。
弾丸一つ触れさせずに。
ユーノスは息を吐く。
「……あなた、本当に……
私に勝つ気でいるのね……」
「はい」
「……そう」
ユーノスは笑った。
寂しく、少し痛そうな笑み。
「一緒に生きてきたのに……
私はあなたのこと、
こんなにも知らなかったんだわ」
ナターシャの瞳が揺れる。
「ユーノス様……?」
「悪い主人だったわね……
あなたは私の弱さも強さも
こんなに理解してくれてるのに……
私はあなたのこと……
戦いのことですら……知らない……」
その声は震えていた。
主従関係の歪み。
AIと人間の深い溝。
それが今、痛いほど浮き彫りになった。
「……ユーノス様」
ナターシャは胸に手を当て──深く頭を下げた。
「わたしは……あなたの使用人です。
あなたを知ることは、わたしの役割です」
そして顔を上げた瞬間──
機械翼が全開。
「ですが……」
翼に並ぶ爆薬ケースが点滅した。
「この戦いだけは……
“ユウマ様のために”勝ちます。」
「来なさい、ナターシャ……!」
爆薬が一斉に飛び出す。
――ボンッ!ボボボボボッ!!
ユーノスの周囲が爆炎に包まれた。
彼女は弾幕を撃ちながら、
必死で後退する。
(落ち着け……!
爆風の中心は避ける……!!)
ユーノスはたしかに回避できていた。
動きは正確。
SSランクの技。
だが──
「ユーノス様……
“避ける位置”も全部予測済みです」
「……ッ!」
爆薬がユーノスの進行方向に次々と着弾。
視界が爆炎で真っ白になった。
ナターシャは静かに歩み寄り、
倒れたユーノスの前に膝をついた。
「……ごめんなさい、ユーノス様。
あなたを倒すことになってしまい……」
ユーノスは仰向けのまま目を閉じ、
泣き笑いのような表情を浮かべた。
「……いいのよ……
この勝負は、あなたの勝ち。
むしろ誇りに思うわ……」
《HP 5% → 0%》
《PLAYER DOWN — ユーノス》
爆炎の残り火が消える。
ナターシャの光の瞳が揺れる。
主従関係にあった二人。
しかし、この瞬間だけは──
同じ地平に立っていた。
オレンジと紫に分かれた空が、静かな石造りの観客席を照らしていた。
そこは隠れる場所が一つもない円形ステージ。
風だけが唯一の障害物。
ユーノスは中央に立っていた。
左腕はシルフィに撃ち抜かれ、
全身は土と血に汚れている。
体力──5%。
それでも、姿勢は崩れていない。
LMGを片腕だけで構え、静かに息を整える。
(……ここまで来たのよ、私。
絶対に落ちない……たとえ相手が──)
反対側のゲートが上がる。
光の中から現れたのは──
ナターシャ。
白いワンピース型の簡易戦闘スーツ。
顔にはいつもの優しい微笑み。
だが──背中の機械翼には
無数の爆薬ケースと、起動して青く光るドローン爆弾。
もう“召使いAI”ではなかった。
HUDが二人の声を繋ぐ。
「……ナターシャ。
あなた……ずいぶん物騒な姿ね」
ユーノスは静かに言う。
「はい。シルフィ様に改造していただきました。
……“あなたに勝つため”に。」
「ふふ……
なら遠慮はしないわ」
風が吹いた。
爆薬の青い光が揺れる。
ユーノスが先に撃った。
片腕でLMGを構えて、照準は狂いまくっている。
――ドガガガガガガガッ!!
演劇場に弾幕の壁が作られる。
観客席の石が砕け、地面に弾痕が広がる。
だがナターシャは、
一歩も動かず、微妙な角度だけ変えて回避した。
「……なに……?」
「くっ……!」
ナターシャはそこだけ歩いてすり抜けた。
弾丸一つ触れさせずに。
ユーノスは息を吐く。
「……あなた、本当に……
私に勝つ気でいるのね……」
「はい」
「……そう」
ユーノスは笑った。
寂しく、少し痛そうな笑み。
「一緒に生きてきたのに……
私はあなたのこと、
こんなにも知らなかったんだわ」
ナターシャの瞳が揺れる。
「ユーノス様……?」
「悪い主人だったわね……
あなたは私の弱さも強さも
こんなに理解してくれてるのに……
私はあなたのこと……
戦いのことですら……知らない……」
その声は震えていた。
主従関係の歪み。
AIと人間の深い溝。
それが今、痛いほど浮き彫りになった。
「……ユーノス様」
ナターシャは胸に手を当て──深く頭を下げた。
「わたしは……あなたの使用人です。
あなたを知ることは、わたしの役割です」
そして顔を上げた瞬間──
機械翼が全開。
「ですが……」
翼に並ぶ爆薬ケースが点滅した。
「この戦いだけは……
“ユウマ様のために”勝ちます。」
「来なさい、ナターシャ……!」
爆薬が一斉に飛び出す。
――ボンッ!ボボボボボッ!!
ユーノスの周囲が爆炎に包まれた。
彼女は弾幕を撃ちながら、
必死で後退する。
(落ち着け……!
爆風の中心は避ける……!!)
ユーノスはたしかに回避できていた。
動きは正確。
SSランクの技。
だが──
「ユーノス様……
“避ける位置”も全部予測済みです」
「……ッ!」
爆薬がユーノスの進行方向に次々と着弾。
視界が爆炎で真っ白になった。
ナターシャは静かに歩み寄り、
倒れたユーノスの前に膝をついた。
「……ごめんなさい、ユーノス様。
あなたを倒すことになってしまい……」
ユーノスは仰向けのまま目を閉じ、
泣き笑いのような表情を浮かべた。
「……いいのよ……
この勝負は、あなたの勝ち。
むしろ誇りに思うわ……」
《HP 5% → 0%》
《PLAYER DOWN — ユーノス》
爆炎の残り火が消える。
ナターシャの光の瞳が揺れる。
主従関係にあった二人。
しかし、この瞬間だけは──
同じ地平に立っていた。
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