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落ちた異世界
8話 ゴブリン無双とフラグ?
しおりを挟むヒサは、ゴブリンのいる場所へひたすら走っていた、どんどん森の景色が薄暗くなってきた。
「本当にやってしまったなぁ。まさか魔石の値段がそんなに安いとはな。俺の村では、物々交換で周りの人達が皆家族みたいだったから、金なんて必要無かった。塩を買うのにたまに誰かが買いに行っていたが、刀を売った金が結構な額だったけど、俺らの村は、人里からかなり離れているから、余り金の使い道が無かったんだよな。山奥の村だから戦火に巻き込まれないし、殆ど時給自足できていたから貧しく無かったし、金の必要性が無かったんだよな。それなのに壮吉さんは………」
と1人ぶつぶつとつぶやきながらモンスターのいる場所へ走っていたら理沙が話しかけてきた。
【ヒサ様、今から向かうところにゴブリンの上位種ジェネラルゴブリンが一体います。】
(ふーん。俺よりも強いの?)
【レベルはわからないです。今さっきマップ圏内に入った所で、まだ離れています。ヒサ様に見えなければ鑑定が機能しません。マップ検索では、モンスターの種族しか分からないのです。1km離れた場所にいます。】
(まだマップ見ながら走るのは無理だ。気持ち悪くなる。モンスターのいる方向は、今の道を走れば着くよな?)
【はい!着きます。後300mぐらいで到着します。集落にはジェネラルゴブリンはいません。更に奥地にいます。いずれマップにはなれると思います。】
(早くしないとな。6時に間にあわなくなる。おっスライム発見!あっ、魔石の自動取得しといて。後、今から行く所ゴブリンの集落なんだら?ゴブリンの自動取得もしといて!)
【魔石とゴブリンの自動取得了解です。そうですゴブリンの集落です。30匹確認してます。スライムはゴブリンの集落周辺に20匹います。また何か気になる事が有ったら報告しますね!ご武運を。】
ヒサは、スライム3匹を走りながら、そのまま刀を抜刀して薙ぎ払い、生死も確かめず、刀を持ったままゴブリンの集落へ走った。
途中、5匹のスライムを走りながら斬り伏せ、ゴブリンの集落へ走っていると、集落が見えて来て、
「おっ!集落発見!よし。突撃するか!」
ヒサは、そのままのスピードでゴブリンの集落に走って行った。
集落に着くも、そのまま走り、ゴブリンを見つけ次第斬り伏せ、ヒサのゴブリン蹂躙が始まった。
「何か薄気味悪いな此処。一応は家と言うか、小屋いうか、雨避けの家らしきものがあるんだな。こいつら風邪とかひくのかな?」
とじゃべりつつも、右薙でゴブリンの首を斬り落とした後、体に異変か起こった。
(ん?体が少し違和感があるぞ?ん?ん?(汗))
「何か体が変だよ理沙さーん!」
【うふふ。それはですね。ヒサ様の体の魔素が馴染み、魔力が循環しだしたのです。今迄ヒサ様の体は魔力を持って無く、転移後に多くの魔力を持つも体が対応せず、今迄魔力を持ってても何も使えなかったのです。普通は1日かかるのですけとね。これでヒサ様もステータスを見て発現した魔法を鑑定したら、これからは魔法が使い放題ですよ。ヒサ様なら魔法を理解出来ると思いますよ。】
理沙との会話中でもゴブリンを斬り伏せていた。ヒサの周辺にいたゴブリンをすべて斬り殺した後、少しゴブリンから距離を取り体の調子を確かめていた。
ヒサは、身体の状態を探っていると、理沙に聞いた通りヒサの体の異変が無くなり、そして魔力が循環し魔力の使い方を理解した。父さんの武術の気の使い方に似ているからだ。魔法はステータスを調べるよりも、今はゴブリンの殲滅と思い魔力を体に纏い、頷き、刀にも魔力を纏わせ魔力の色は透明で、刀に付いた血痕が消え、刀は本来の綺麗な赤がった銀色に煌めいた。
(おお!これが魔力!ふーん。体が軽いぞ!何か力が漲る!凄い!おお!俺に気付いたゴブリンがゾロゾロと来やがる)
そして魔力の扱いに少し慣れたヒサは、刀を構え直して次から次に来るゴブリンを、大きく右薙で薙ぎ払うと、近くにいたゴブリンの多数が胴体が真っ二つになり、そのまま直ぐに刀を返し、左薙で薙ぎ払うとまた多数のゴブリンが真っ二つに斬れ、その後ゴブリンは消えた。 邪魔だったゴブリンは、理沙がインベントリに順次入れていた。
刀の斬れ味にやはり驚き、少し周囲からゴブリンが減ったから、今度はヒサからゴブリンに向い、ゴブリンが攻撃をする隙も無く、すれ違えば斬りを小振りで繰り返していたら、暫くして集落のゴブリンは全滅した。
「ふぅ。終わったな。30匹以上いたんじゃないないか、後は、帰るだけか、ジェネラルゴブリンがこっちに向かって来たりしてな。」
ヒサは声に出してフラグを立ててしまった。
【はい。ジェネラルゴブリンからの援軍で増えました。あと、その、えーっと。ヒサ様。そればフラグといいます。物凄い勢いでヒサ様の方へジェネラルゴブリンが来てます。】
(プラグ?うーんと。旗?旗が立つ?あっ。さっきのジェネラルゴブリンが来るって言葉か?ふーん。来ちゃうかー。んふふ♪)
【ヒサ様嬉しそうですねー。そんなに戦いたかったんですね。】
(まあね。こっちから向かうには、時間が勿体無いけど、来るなら嬉しいフラグだね。)
“ドガーン、ドガーン”
”ドガーン”
ヒサがジェネラルゴブリンの話をしているとけたたましいを立て、ジェネラルゴブリンが迫ってきていた。
「ほーう。どうやらご乱心でいるようだな!ん?でけーな!進化すると変わるんだな。えーっと。見えたから鑑定っと」
名前 ドベるGガJ
名称 ジェネラルゴブリン
レベル 15
種族 ゴブリン種[希少種]
ユニークスキル 激昂狂乱
スキル 剣術 レベル3 豪腕 レベル3 統率 レベル3
(ん?理沙こいつ名前が有るぞ?希少種?)
【そのジェネラルゴブリンはネームドモンスターで希少種です。ユニークスキル持ちです。多分。ゴブリンキングが名前をつけたんでしょうね。でも馬鹿ですね。全体指揮なのにユニークスキルのせいで統率のスキルが、全然役に立たないですね。激昂狂乱が発動したら敵味方無しで攻撃するから、低俗の部下のへまで怒って、ユニークスキルを発動させない為、離れた場所でふんぞり返っていたのでしょう。】
(ネームドモンスターね。ユニークスキル?激昂狂乱か。鑑定っと)
《激昂狂乱》
このユニークスキルは言葉の通り怒り狂い理性を失い敵も味方も攻撃します。
ですがスキル使用時、誰もいなくなるまで常に全開で攻撃や移動が出来、疲れる事がありません。
(ふーん。離れた場所にいて部下がやられて怒っていると。援軍出したけど、戻って来なくて来たみたいだな。疲れ知らずだけど理性無しの敵味方無しか。確かに部下達と離れていたほうが良いのかもしれないな。統率者なのにこんなユニークスキル、こいつハズレ引いたな。)
ヒサがゴブリンキングを馬鹿にしてると、怒り狂うジェネラルゴブリンが、聞いてたかのように、凄い勢いでヒサに近付いてきた。
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