異世界の冒険の果てに。～ハーレムなんて当たり前！果てに至るは天帝～

異世界の街と冒険者

37話 救出完了と伯爵家

　大盗賊団頭領アーク・ドーイヤを倒したヒサは、伯爵邸に転移していた。

（理沙。伯爵令嬢の部屋はどこた？）

【えっと、三階の中央から右に三個目の部屋です。現在誰もいません。」

「よし！隠密術で忍び込むか」



　そそくさと隠密術を駆使し、早々と密かに伯爵令嬢の部屋に入り込み、ベットに伯爵令嬢を寝かした。

　伯爵令嬢が目を覚ましかけるが、やはり眠ってしまった

　ヒサは、次にリューゲルの伯爵のいる執務室に向かい、予め書いて置いた手紙を、執務室のドアの隙間に挟み込み、これで完了だと思いながら宿屋の裏手に転移した。

　裏手に着くなり［クリーン］を使い血の匂いを消し宿屋に向かった。

「おや？一人でお帰りかい？」

「あぁ、只今。ん？今日は、俺一人で出かけたが？」

「あれ？そうだったかい？ん～？覚えて無いね。それであの子らは？」

「部屋で勉強でもしてるだろうな。」

「ああ！そうだったね。ワカバちゃん字覚えたかい？」

「少しづつ覚えているよ」

「そうかい、そうかい」

「少し疲れたから寝るよ。」

「え？まだ伯爵令嬢様が見つかってないだろう？」

「直ぐには見つからんだろ。探し疲れて休みたいんだよ」

「そうかい。ゆっくり休みな」

「ありがとう」

　ケーラと、とぼけながら話し終えたヒサは、シルフィ達が眠る部屋に向かった。

　部屋に着くなりシルフィの唇にキスをした。その瞬間、朧げながらシルフィは、目を覚した。

「ん？う～ん。あれ、ヒサ様。え？えっと、うん？あっ！ヒサ様のばかっ！えい！」

　完全に目を覚したシルフィは、ヒサに気付くなり、可愛い”ばか”と言いつつヒサに抱き付きヒサの頭をぽかりと叩いた。

「ごめんな。シルフィ。ウサミとワカバを置いて二人だけ残すのが不安だったんだ」

　シルフィに謝り、シルフィの頭をを優しく撫でながらウサミとワカバを残す不安を言った。

「そうかもしれないけど、二人も大事だけどヒサ様ももっと大事なのですわ！」

　納得しきれないシルフィに優しくキスをした。

　少し長いキスを終わるとシルフィがずるいという顔をしていた。

「ヒサ様ずるいわ。もぅ。お返しですわ」

　シルフィはヒサに可愛い文句を言いながら、今度はヒサにシルフィから熱い、熱いキスをされた。

　甘々な二人は二人抱き合い寝ていた。その間ウサミとワカバは、深い眠の姫になっていた。

　30分くらい二人は甘々空間を創り出していたが、そろそろウサミとワカバを起こそうかと、二人で話していたので起こす事にした。

「ウサミ起きなさい」と言いながらウサミの額にキスをした。

　更に、

「ワカバ起きなさい」と言いながらワカバにも額にキスをした。

「ウサちゃん、ワカちゃん起きて。」

　シルフィは二人の頭を優しく撫でながら声をかける。

「うーん。ん？あれ、あれあれ？あっご主人様！ん？んーと、あっご主人様眠らせたら駄目ぴょん！」

「にゃ～ん。うにゃ。うにゃうにゃ。にゃ！ご主人様にゃ！にゃあ？眠っちゃったにゃ！にゃ？眠らされたのにゃ？」

　ウサミは、あの時眠らされた事を少し怒り、ワカバは、どうやらあの時既に寝ていたらしく、眠らせた事は、知らないらしい。


「ウサミ、ワカバごめんな。でももう大丈夫だ！」

「そうなのぴょん？もう眠らさないぴょん？」

「ワカバは、寝てたけどまた眠らせたら嫌にゃ！」

「大丈夫だ！多分…。それよりお腹空いたろ？ここで皆で食べよう！」

「はいぴょん！「はいにゃん！」」

　ウサミとワカバは、返事するなり抱き付き出した。二人は胸にぐりぐりしながら匂いを嗅いで、満足してから離れた。

　それから皆で食事をしてまったりとしていた。

　暫くすると、ウサミとワカバの首にかけられたギルドカードが点滅した。

「ん？俺は、インベントリの中かどれ。ん？伯爵令嬢が見つかったらしいな。」

　依頼完了の点滅だった。

　ヒサ達は依頼完了で、これで完全にのんびり、まったり、夕御飯までゆっくりしていた。






　その頃伯爵邸では、大騒ぎだった。

「儂のリスカは、どこにいるぅーーっ！」


　リューゲルの伯爵は、娘のリスカの事が大事で、凄く可愛がっていた。

　何者かに誘拐され、今回の目的の誘拐が、身代金目的や貴族らしき影もみえない。

　金を要求するなら、払うと思っていた。

　騎士団を全総員で捜索を遂行させ、冒険者ギルドにも権力を使ってリスカの捜索要請をした。

　捜索開始してから聞いたのは、街の外で攫われているのを見たという情報だった。

　その情報提供者は、いつの間にかいなくなっているし、苛立ちと絶望が混ざり、凄く変な感情に押し潰されそうになっていた。

　伯爵は、もう待ちきれないと騎士団のところに行こうと執務室を出ると、ドアから手紙が落ちた。

「何だこれは、何でこんなところに手紙が落ちた？うーん一応読むか、可及の手紙かもしれないな」

　可及のなら呼ぶだろうと誰かが言ったが、それは、それ、で手紙を読んだ伯爵は、急いで娘の部屋に向かった。

　リスカの部屋に着くなり、何も言わずドアを開けた。

「おお！リスカがいる！リスカがいるぞ！」

　叫びながら眠るリスカに近寄り、そして抱き付きながらリスカを抱き締めた。

　伯爵の声にメイドが駆けつけ、リスカの存在驚きながらも、伯爵夫人を呼びに行き、そして何かを準備しに行った。


　暫くして伯爵夫人も駆けつけ、リスカを抱き締めた。

　暫くしたら、リスカが目を覚した。

「お父様、私は素敵な王子様が助けて下さいました。顔も覚えていませんがきっと素敵な人でしょう」

　それを聞いた伯爵は、とても嬉しそうに答えた。

「そうか。そうか、そうか。リスカよ、良かったな。私もリスカが助かって嬉しいよ」

　王子の事は無視して伯爵は、リスカを撫でながら抱き締めた。

　伯爵夫人それを見ていると二人に近寄り二人を抱き寄った。


　この後、各騎士団に伯爵令嬢の無事を知らせ、そして冒険者ギルドに要請を取り消し、伯爵令嬢誘拐事件は幕を閉じた。







　だが、ヒサの災難は続くらしい。