42 / 88
異世界の街と冒険者
39話 誘拐された二人
しおりを挟むヒサがワカバが攫われたと聞く前、ヒサ達がワイルドチキンとホーンラビットを討伐した後、ヒサはウサミとワカバを遊びに行くのを送り出した所から始まる。
「ご主人様行って来まーすぴょん!」
「ご主人様行ってきますにゃん!」
「おお!行ってこい!仲良く遊べよ!」
ヒサは友達が出来て嬉しそうなウサミとワカバを見送った。
「ワカちゃん今日は何して遊ぼうかぴょん?」
「そうだにゃ~クーアちゃん、足が悪いからにゃあ。そうにゃ!お絵描きするにゃ!」
「お絵描きぴょん?」
「そうにゃ!好きな物、好きな人、描くにゃ!」
「ぴょ!良いぴょん!とっても良いぴょん!大好きなご主人様描くぴょん!」
「にゃ!そうと決まったにゃらば!早くクーアちゃんの所に行くにゃ!」
「ぴょん!行くぴょん!早く行くぴょん!」
ウサミとワカバは、足の悪い友達クーアちゃんと遊ぶ為に、遊びを考えながらクーアちゃんの家に向かっていたが、お絵描きの内容が決まった途端にウサミは驚愕と歓喜し、それをワカバが決めたらウサミは大賛成して、急げや急げでクーアちゃんの家に急いで向かった。
「ウサミちゃん、ワカバちゃん今日も元気だね!このリンゴロンあげるよ!持ってけ!」
「ありがとうぴょん!「ありがとうにゃん!」」
シルフィの野菜大好きテリトリーは、ヒサ達は有名人でウサミとワカバが通るといつも誰かしらから、果物やお菓子を貰っている。
それと足の悪いクーアちゃんが、一人寂しくしてたのを知ってる者がたくさんいて、だった一人の家族のクーアのお姉ちゃんは、クーアを養う為に頑張って冒険者をしている事も知っているから、クーアが寂しいのを我慢してる所を見ていていて、そこで最近ウサミとワカバが遊んでくれるのを知って、とても嬉しく思っている暖かい街の人達だった。
街の人達に声をかけられ、色んな物を貰いながら貧民街の近くの家に着いた。
「クーアちゃん遊ぶぴょん!おうち入るぴょん!」
「お邪魔しますにゃん!今日も遊ぶにゃん!」
ウサミとワカバは、玄関で声をかけるが、返事を待たずそのまま入る。
勝手知ったるなんちゃらである。そもそもクーアちゃんは足が悪くて動けないので仕方がないのだ。
そしてウサミとワカバは、ズカズカと家に入りクーアちゃんのいる所に向かった。
「クーアちゃん遊びに来たぴょん!さぁ!お外に行きまぴょん!ご主人様描くぴょん!」
「にゃ!ウサちゃん!まずは、果物とか食べるにゃん!遊ぶと食べるの忘れるにゃ!」
「そうだったぴょん!ごめんねクーアちゃん!許してぴょん!」
「ニャハハ♪全然大丈夫だよ♪」
クーアちゃんそっちのけでウサミとワカバが喋りだしクーアちゃんに笑われてしまった。
どうもある程度大きくなると語尾に“にゃ”や“にゃん”を付けないみたいだ。まぁ例外はあるらしいが。
三人は世間話、否、ウサミがマシンガントークしていた。
「ご主人様がね!でっかい鶏にぼーでバシ、ドスとやってるのカッコ良かったよ!」
「その後ね!でっかい兎を今日は何時もより早く倒せてご主人様に褒められてなでなでしてもらったの!」
「今日もいっぱい頭なでなでしてくれて嬉しかったよ!」
「んーとね後は~、今日もご主人様!格好良くて素敵で優しくてね!幸せなの!」
今日のウサミの出来事をヒサの事を中心に話していた。
因みにウサミが言った”ぼー”とは木刀の事で、ヒサはまだウサミとワカバでは逃げる前に倒せないので、木刀で弱らせていた。
ウサミのマシンガントークが治まり、聞いてたクーアが答えた。
「す、凄いのね、ウサちゃんのご主人様は!あ、憧れるわ!羨ましいわ!私も冒険したい!あっ!な、な、何でもないよ!」
ウサミの興奮して“ぴょん”も語尾を付けずに話す話をクーアちゃんが聞き、ヒサの凄さを知るよりも、ウサミとワカバの冒険話しを聞き。いつもいつか冒険者になりたいと憧れていて、羨ましくなり、いつもは言わない願望を口にした。
クーアの話を聞いたウサミとワカバは、
「気にしなくもいいにゃ!夢や希望は、捨てたら駄目にゃ!いつか足治るにゃ!」
「そ、そ、そうだぴょん!ご主人様なら治せるよ、きっとぴょん!」
ワカバはともかくウサミがフォローする珍しい光景が見えた。
「ありがとう!ウサちゃん、ワカちゃん!嬉しいよ!」
気遣ってくれたウサミとワカバに少し涙目になりながらお礼と感謝を言った。
「クーアちゃん、うーん、クーちゃん!これからクーちゃんね!お外にお絵描きに行くぴょん!」
「そうだにゃ!でっかい夢や、好きな事や、好きな物描くにゃ!きっと元気になるにゃ!」
「う、うん!お絵描きにする!」
ウサミとワカバの提案にクーアちゃん改めクーちゃんが賛成し、でっかい絵を書く為外で書く事にしたらしい。
一番力が有るウサミがクーちゃんをお姫様抱っこをして家の外に出た。
ウサミは優しくクーちゃんを地面におろし、三人はお絵描きをした。
ウサミは、宣言通りウサミなりに格好良いヒサを描いた。
ワカバはヒサとワカバが楽しくしている所を描いていた。
クーちゃんは、やっぱりお姉ちゃんを目標なのか、憧れているのか、それともクーちゃん自身の考えで冒険者になりたいのか知らないが、その思いを絵にしていた。
自分の冒険者の恰好をした冒険者の絵だった。
「ワカちゃん、クーちゃん、おトイレ行って来るぴょん。クーちゃん借りるぴょん」
三人は、満足しながら描いていたが、ウサミがトイレに行きたくなり、クーちゃんの家にワカバとクーちゃんに言ってからクーちゃんの家のトイレに入った。
そしてウサミがトイレに行っている間の事だった。
「はぁ。チックショ!あのヒサってガキのせいで騎士に摑まって、何とか知り合いのパーシリ様に助けてもらったが、もう冒険者になれねぇし、表にも出れねぇ!糞がっ!」
「落ち着いてくださいケトーガさん!ん?あの猫獣人、ヒサって言うガキの連れている奴じゃ無いですか?ケトーガさん!」
「ン?そうだな!フフン!やつを捕まえよう!そしてパーシリ男爵様に献上しよう!あの珍しい髪の猫獣人とあの普通の猫獣人を連れてけば、何かを優遇してくれるかもな」
「そっすね!やったりましょ!」
「おう!お前は、あの普通の猫獣人捕まえて気絶させろ!」
「俺は、あの珍しい猫獣人を捕まえる!」
「分かりました!ケトーガさん!」
「よしいくぞ!」
「はいっす」
ケトーガとその下っ端は、ワカバとクーちゃんを捕まえてバーシリ男爵に献上される事になった。
静かにケトーガと下っ端は、ワカバとクーちゃんに近付き捕まえた。
「何するにゃ!離せ!離すにゃ!ぐぅっ!」
「離して!離してよ!ぐぅっ!」
ケトーガと下っ端がお互い、ワカバとクーちゃんを捕まえて腹を殴り気絶させた。
「よし!ずらかるぞ!」
「はい!ケトーガさん!」
ケトーガと下っ端はそそくさとこの場を立ち去った。
それからスッキリしたウサミがワカバとクーちゃんのもとに戻るとワカバとクーちゃんがいなかった。
「スッキリしたぴょん。え?はしたない?何で蒼守?もっとおしとやかに?うーん。分かったぴょん。ワカちゃん、クーちゃん、お待たせぴょん!んー?何処に行ったぴょん?ワカちゃーん!クーちゃーん!何処にいるのー!」
ウサミがトイレから外に出ると蒼守にガミガミ言われるが、余り気にせずワカバとクーちゃんを呼ぶが、いなかった。
二人を探すがいなかった為少し離れた近所に来た。
「おじさん!ワカちゃんとクーちゃん見なかったぴょん?」
「ん~。見てないな!どうしたんだい?」
「ワカちゃんとクーちゃんがいなくなったの!」
「ほんとかい?みんなに俺は聞いてくる!ウサミちゃんは、余り動かないでくれ!」
「分かったぴょん!」
クーちゃんの知り合いのおじさんがみんなに聞きに行ってしまったあとウサミは待っていると。
「あら!ウサちゃん!どうしたのこんな所にいて?帰らないの?アレッ?ワカちゃんは?」
冒険者の依頼が終わって帰ってきた、クーちゃんのお姉ちゃん、ニアにウサミは話しかけられた。
「んとね!ワカちゃんとクーちゃんがいなくなっちゃったぴょん!おじさんにみんなに聞いてくるって言ったぴょん!ウサミ待ってるぴょん!」
「何ですって!いついなくなったの?」
「さっきぴょん!クーちゃんのお家のおトイレにウサミが言ってる間にいなくなっちゃったぴょん!えーん!」
「だ、大丈夫よ!まだそんなに遠くに行って無いはずよ!私も探すから安心して!」
ニアはウサミを慰めてからワカバとクーちゃんを探しに行った。
そして一部始終聞いて見ていた蒼守がウサミに予想を言った。
『ウサちゃん!どうやらワカバとクーちゃんは、攫われたと思う。だからね。早くヒサ様に相談した方が良いわ!』
「え?ほんとに?攫われたなんて!うん!ご主人様なら絶対何とかしてくれる!早く行かなきゃ!」
ウサミは蒼守から言われて納得したらヒサにワカバとクーちゃんが攫われた事を言う事にした。
そして素早く速くヒサがいるであろう宿屋に走った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる