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2 初回入院(薬物療法1~2コース目)
ご先祖様そっちのけ!病院にお引っ越し
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先生の診断により、血液のガン、悪性リンパ腫という病名が付き1ヶ月程度の入院生活があっさり決定した。
時は8月14日、世間ではお彼岸の中日として家族でお墓参りをしながらご先祖様を敬っているころ、私は拠点病院(車で30分のところにある血液内科がある広域病院)に入院することになった。
ご先祖のお墓に行けなかったのは残念というか、罰当たりにならないかとも考えたが、私がお墓に入るか入らないかの瀬戸際なのだ!まあ、今思えば若干気が早いというか大げさだとは思うが、当時はそうとしか考えられなかった。今も心の片隅ではちらっとそう考える日もあるのですけど。
そんなことを考えている間も時間は流れるもので、妻に連れられ自宅にかえるなり自分の病気の概要をネットで調べる。義理のお義父さんやお母さん、会社への説明する内容を考えつつ長期入院に役立ちそうなものを選定するなど、書くと冷静そうに見えるが、頭の中はハムスターよろしくくるくる空回り状態であった。
そんな心理状態の私をよそに、妻がほんとうの意味で入院に必要な着替えや生活用品の類を準備してくれ、入院当日は送ってまでしてくれた。気づいたら滞り無く入院を済ませた状態で病院の寝間着を着てベットに横になっている自分がいた。いつの間にか(というか用が済んだので)妻も自宅に戻り、ひとりぼっちの入院生活が始まったのであった。
かくして入院生活が始まったが、ベットの上でいきなり何したらいいのかわからない状態に。まあ、しばらく混乱したものの、とりあえず一眠りしてみるとある程度落ち着きを取り戻すことが出来た。入院の混乱も落ち着いた後、病室は8階、各階に自販機付きで外が一望できるラウンジとがあるので、ひとまずそこに移動し缶コーヒーを飲みながら外を眺めた。
今はお盆真っ最中。一望できる景色の中にはお寺もきっとあって、家族連れでご先祖様を拝んだり、家に帰ってきてごちそうを食べたり酒飲んだりしているんだろうなあ。去年は私もその一人だったんだよなあ・・・。などと急にセンチメンタルな気持ちになっていたが、よくよく考えれば、妻の立場にしてみれば、連れがいきなりガンになって振り回された挙げ句、彼岸の中日に入院させる羽目になったという現実に対応して準備をすべてやってくれたことのほうが大変だったろうと思い直し、普段はあまり飲まない甘めの缶コーヒーを一気の飲み干して、ぼ~っと外を眺め続けた。
結局のところ、自分がえらい目にあっている中でも、空は底抜けに青く、人はいきいきと生活している。眼下に見えるラーメン屋も車がたくさんあって、ワイワイ言いながらお客さんがラーメン食ってるんだろうなあ。などと考えてみると今の状況に違和感を感じてしまうが、あの日常を取り戻すためにもしっかり治療を受けようと感じることで、自分の心が強くなった感じがしたのは確かであった。まあ、根拠は私の心の中にあるだけであるが。
時は8月14日、世間ではお彼岸の中日として家族でお墓参りをしながらご先祖様を敬っているころ、私は拠点病院(車で30分のところにある血液内科がある広域病院)に入院することになった。
ご先祖のお墓に行けなかったのは残念というか、罰当たりにならないかとも考えたが、私がお墓に入るか入らないかの瀬戸際なのだ!まあ、今思えば若干気が早いというか大げさだとは思うが、当時はそうとしか考えられなかった。今も心の片隅ではちらっとそう考える日もあるのですけど。
そんなことを考えている間も時間は流れるもので、妻に連れられ自宅にかえるなり自分の病気の概要をネットで調べる。義理のお義父さんやお母さん、会社への説明する内容を考えつつ長期入院に役立ちそうなものを選定するなど、書くと冷静そうに見えるが、頭の中はハムスターよろしくくるくる空回り状態であった。
そんな心理状態の私をよそに、妻がほんとうの意味で入院に必要な着替えや生活用品の類を準備してくれ、入院当日は送ってまでしてくれた。気づいたら滞り無く入院を済ませた状態で病院の寝間着を着てベットに横になっている自分がいた。いつの間にか(というか用が済んだので)妻も自宅に戻り、ひとりぼっちの入院生活が始まったのであった。
かくして入院生活が始まったが、ベットの上でいきなり何したらいいのかわからない状態に。まあ、しばらく混乱したものの、とりあえず一眠りしてみるとある程度落ち着きを取り戻すことが出来た。入院の混乱も落ち着いた後、病室は8階、各階に自販機付きで外が一望できるラウンジとがあるので、ひとまずそこに移動し缶コーヒーを飲みながら外を眺めた。
今はお盆真っ最中。一望できる景色の中にはお寺もきっとあって、家族連れでご先祖様を拝んだり、家に帰ってきてごちそうを食べたり酒飲んだりしているんだろうなあ。去年は私もその一人だったんだよなあ・・・。などと急にセンチメンタルな気持ちになっていたが、よくよく考えれば、妻の立場にしてみれば、連れがいきなりガンになって振り回された挙げ句、彼岸の中日に入院させる羽目になったという現実に対応して準備をすべてやってくれたことのほうが大変だったろうと思い直し、普段はあまり飲まない甘めの缶コーヒーを一気の飲み干して、ぼ~っと外を眺め続けた。
結局のところ、自分がえらい目にあっている中でも、空は底抜けに青く、人はいきいきと生活している。眼下に見えるラーメン屋も車がたくさんあって、ワイワイ言いながらお客さんがラーメン食ってるんだろうなあ。などと考えてみると今の状況に違和感を感じてしまうが、あの日常を取り戻すためにもしっかり治療を受けようと感じることで、自分の心が強くなった感じがしたのは確かであった。まあ、根拠は私の心の中にあるだけであるが。
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