子供が巣立って寂しいおっさん、喉の調子の悪さに首をひねっていたら首にガンが見つかりまして、どうしゅよう・・・。

４ 第３回入院（薬物療法４コース目）

元気に走った先のゴールが病院！？

　「抗がん剤治療中に体力向上を頑張った話」であった通り、結局３８℃を超える熱が続いてしまいギブアップ。翌日、予約無しで病院に行き、先生に高熱を相談（運動したのは伏せた）したらその場で入院が決定、結果、予定していた第４回入院予定日の１週間前から入院する羽目に陥りました。

　この段階で入院２週間は決定・・・頭ぽかーんです。さらに状態は改善しないまま入院後５日程度熱が下がらず、結局、予定していた薬物治療４コース目の予定日も熱が下がっていないため薬物療法を１週間延長することが決定。なんということでしょう！１週間の入院のはずが３週間の入院生活になってしまいました。（馬鹿）
　気持ち的にしょんぼりマックスでした。妻は、家で熱出されて心配するよりは病院のほうが安心とのことでしたが、仕事の方は２週間余計に穴を開けることになり、同僚に予定外の迷惑をかけることとなってしまったのが残念でした。

　輪を掛けて、熱と同時期に発生した蕁麻疹も引かず体力はますます低下。味覚障害も本格的に塩味が分からなくなり食欲もまるっきり無くなってしまいました。３週間も入院したのに、この時はろくに本も読めず朝昼晩通して、３８～９度をふらふらしつつ、ずーっと浅い眠りをさまよっていました。
　まあ、中島みゆきさんの歌（浅い眠り）のように愛があるようなものではなく、実際の浅い眠りでは自分の心情がどうも反映されるようで、ふわふわしたなかで見た夢は、子供が小さい頃に一緒に遊んだとか、妻と付き合っていた頃のアパートで過ごした時のこととか、友達と焼肉した時の夢とか、昔の楽しい頃の思い出ばかりの夢を多く見ていました。起きるとベットに寝てることを確認するたびに「精神的にまいっているのかな。」「やはりもう戻らない家族の日々は思い出すとちょっとつらいなあ。」などと考えてしまいます。

　もう手に入れることができない夢を見る、そして起きた後の現実を認識する度に、もう手に入れることができない人生の寂しさを痛烈に感じますが、何度も夢を見る段階で「だれでもこうやって人生を懐かしむものなのか。」と少しづつ受け入れるよう頑張ってみました。退院後も定期的に見るんですけどね、当時はあまり実感できなかったあたりまえにあった眩しい日常がいかに楽しい日々だったのか。今は寂しさにだいぶ慣れてきましたけど。