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5 第4回入院(薬物療法5コース目)
同郷の勇者
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入院中に出会った思い出について。
ちょっと前に書いた感染病予防対策の影響で、入院中の生活は他の入院患者とのコミュニケーションが全くないに等しいような状況であった。まあ、同部屋の人がいつの間にか入室していつの間にか退院するって状況が良いのやら悪いのやらって感じですが。
ただ、そんな中でも入院が長期間になると、忘れがたい出会いがあったりしたものです。
入院中、カーテンの締め切った病室にずっといるのも心が滅入るときがあります。私の入院した病棟では、見舞いの方と一緒にいれるラウンジの他、病棟の階で普通の病棟エリアと緩和ケアエリアが繋がっており、普通の病棟の人も緩和ケアエリアのレクリエーション室を使うことが出来ました。結構広い部屋で、テレビやソファー、小さな本棚などあってゆっくりくつろげる部屋です。
あまり使っている人もおらず、もったいないなと思いつつ、もっぱらここで買った本を読みふけっていました。そんな中、時代劇が好きなおじいさんとよく一緒になることがありました。(テレビはBSが映るようになっており、日中のBSは時代劇の放送が多かった。)
ある日のこと、そのおじいさんと何のきっかけかは忘れてしまいましたが、話をする機会があって、ちょっと話をすると同郷(自宅から数キロ内)であることがわかり、お互いの近況を話し合うことが出来ました。
そのおじいさんは、以前ガンで入院して退院したものの、ガンが再発して再入院となったこと、再入院の治療がいまいちだったので、先生の紹介で県都の大学病院に新薬を投与できることになったので近々転院するとの話を伺った。
聞いている限りは結構深刻な状況ではないかと心のなかで思ったが、おじいさんの顔にはそこまでの悲壮感はなかった。私は「新薬ですか、タイミングいいですね。もしかしたらかなり効果が高いんじゃないですか?」などと相槌を打った。だが、抗がん剤の辛さを最近知った私としては、私よりも一回り高齢な状態で耐えれるのだろうか。私だったら再発の上、効果が上がらず転院してまでの抗がん剤治療に耐えれる自信が無いと思ってしまった。
しかし、おじいさんは治る可能性が上がって現状に光が見えたことを喜んでおり、治ったあとは農作業を再開したいと語ってくれた。心を奮い立たせているのかな・・・。などとは思いはしたが、その志の高さに、自分の心がいかに未熟でまだまだ頑張れる余地があることを実例を持って示してくれたおじいさんに自分の治療の希望すら感じていた。
おじいさんの治療結果はまだ聞いていないが、県との大学病院の薬が劇的に効いて再び健康に返り咲き、雪が溶けたらトラクターを運転して、畑に新しい種を沢山蒔いている姿が見えます。自分が敵わないような強敵にも果敢に立ち向かう姿は私にとって心の勇者でした。どこかの漫画で言ってました。「勇者とは勇気あるもの、打算無き者。相手の強さによって出したり引っ込めたりしない。」
こう言っては悲観的かもしれませんが、自分のガンが再発したとき一欠片でも強い気持ちを真似て病魔に立ち向かいたいです。
ちょっと前に書いた感染病予防対策の影響で、入院中の生活は他の入院患者とのコミュニケーションが全くないに等しいような状況であった。まあ、同部屋の人がいつの間にか入室していつの間にか退院するって状況が良いのやら悪いのやらって感じですが。
ただ、そんな中でも入院が長期間になると、忘れがたい出会いがあったりしたものです。
入院中、カーテンの締め切った病室にずっといるのも心が滅入るときがあります。私の入院した病棟では、見舞いの方と一緒にいれるラウンジの他、病棟の階で普通の病棟エリアと緩和ケアエリアが繋がっており、普通の病棟の人も緩和ケアエリアのレクリエーション室を使うことが出来ました。結構広い部屋で、テレビやソファー、小さな本棚などあってゆっくりくつろげる部屋です。
あまり使っている人もおらず、もったいないなと思いつつ、もっぱらここで買った本を読みふけっていました。そんな中、時代劇が好きなおじいさんとよく一緒になることがありました。(テレビはBSが映るようになっており、日中のBSは時代劇の放送が多かった。)
ある日のこと、そのおじいさんと何のきっかけかは忘れてしまいましたが、話をする機会があって、ちょっと話をすると同郷(自宅から数キロ内)であることがわかり、お互いの近況を話し合うことが出来ました。
そのおじいさんは、以前ガンで入院して退院したものの、ガンが再発して再入院となったこと、再入院の治療がいまいちだったので、先生の紹介で県都の大学病院に新薬を投与できることになったので近々転院するとの話を伺った。
聞いている限りは結構深刻な状況ではないかと心のなかで思ったが、おじいさんの顔にはそこまでの悲壮感はなかった。私は「新薬ですか、タイミングいいですね。もしかしたらかなり効果が高いんじゃないですか?」などと相槌を打った。だが、抗がん剤の辛さを最近知った私としては、私よりも一回り高齢な状態で耐えれるのだろうか。私だったら再発の上、効果が上がらず転院してまでの抗がん剤治療に耐えれる自信が無いと思ってしまった。
しかし、おじいさんは治る可能性が上がって現状に光が見えたことを喜んでおり、治ったあとは農作業を再開したいと語ってくれた。心を奮い立たせているのかな・・・。などとは思いはしたが、その志の高さに、自分の心がいかに未熟でまだまだ頑張れる余地があることを実例を持って示してくれたおじいさんに自分の治療の希望すら感じていた。
おじいさんの治療結果はまだ聞いていないが、県との大学病院の薬が劇的に効いて再び健康に返り咲き、雪が溶けたらトラクターを運転して、畑に新しい種を沢山蒔いている姿が見えます。自分が敵わないような強敵にも果敢に立ち向かう姿は私にとって心の勇者でした。どこかの漫画で言ってました。「勇者とは勇気あるもの、打算無き者。相手の強さによって出したり引っ込めたりしない。」
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