香りに包まれて

アキノナツ

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出会い

5:どうするんだ? (※)

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少し進展。
痴漢表現ありますm(_ _)m


ーーーーーーーーー


会議資料を準備しながら、考えてしまう。

このところ仕事での頭の稼働率が落ちると、休息よりもプライベートの事を考えてしまう。

コレからどうするのか……。

映画の感想を言い合うのは楽しかった。
酒も美味しく、堂島どうじまさんの趣味はいい。いいだけあって、自分に合わせてると思うところもあって……。

ま、そこは、男女でも付き合うとなると当たり前かぁ~。
いいさ。うん、そこはいいさ。

あれだ、そう、アレだよ。

キスはこの前にアレで一応済んだ。

その先って、、、身体だよなぁ。繋げたくなるよなぁ。
堂島さんもどう思ってるんだろうな。

ボクは…、『別に』と言うと、カドが立つなぁ~。
困ったなぁ。

堂島さんを、例えばだよ。女性としよう。

で、ベッドに転がして……いや違うな。
そうそう、脱がしてみようか。。。

触る?
モミモミ?

……なんか、ピンと来ないなぁ~

枯れたのかなぁ~。

ーーーーー本人に相談してみようか。
そもそも、堂島さんは、ボクとどうなりたいのだろう。お付き合いも続行してるし、このまま進めたいんだろうな。
訊くのが一番早い解決法ではある……が!

デリカシーないような気がする。

アラーム音で意識が資料の山に向く。

カゴに入れて、会議室に運ぶとしよう。



「堂島さんよぉ~、訊き難いんだけどね。訊いちゃうけどね」
電話の向こうで『どうぞ、遠慮なく』と爽やかボイスで言ってる。

平日は、会えた時は夕食を外で食べておしゃべりして交際を深めてる。
会えない時は、数十分程電話をする。

「このまま交際が続いてだよ。やはり、先があるよね? どうしたいと思ってる?」

何かが落ちた音がした。

沈黙。

おーい!と言いたいが、ここは待とう。
ボクだって、考えて答えが出ない事だ。そう簡単に答えが返ってくるとは思ってないが、何故、沈黙?

『すいません。お茶を溢してしまって…』
どうやら後始末をしていただけらしい。

「で、どうしたい? ボクは、考えてみたんだが、どうもピンと来なくて、堂島さんはどうなのかとね?」
寝酒の缶ビールを呷る。

『以前、ホテルに誘いました』
「そうだったねぇ~」
あの時はびっくりした。

『そういう事です』
「ん?」
手の中の缶をクニクニ。

「……つまり、、、」
歯切れが悪いなぁ。

「繋がりたいって思うんだね」
『つ、繋がりッ…』
なんだか慌ててる…。

「そうなると、どうしたらいいのかなぁ。そもそも、男同士ってどうするんだい? どちらかが男役か女役になるのかな? ボクは、どっちになるんだい?」
ぐびっと呷ったら、無くなった。空か。
流しに置く。

『キミは…。呑んでる?』
「あー、少し。小さい缶ビールを一本空けた」
『そっか。俺は、晶を抱きたいと思ってる』
「そうなんだ。分かった」

沈黙が暫く続いてしまった。

「お休み。また明日」
『えっ?! あ…』
喋らないので、切ったが、悪かったのか?
ま、いいかぁ~。
ふぁぁあ…眠い。




『抱きたいと思ってる』
そっかぁ。
尻揉まれるのかなぁ~。
ちんこ触られるのかぁ~。
あの擦り付けられてたモノを入れるのかぁ~。

今までの痴漢行為を思い出してみた。
気分が悪い。

んー、ピンと来ないなぁ~。

「そばかす君は、何か悩み事かい?」
同じ背が高い男だが。
「そうやって、人が気にしてる事を抉るのは、いい趣味じゃないですよ」
ヘラヘラ笑ってやがる。

「メールの文面がいい感じに纏まらなくてね」
「どれどれ。ーーーーここにコレ入れ込んで、ここは箇条書きでココにしたら、スッキリしないか?」
確かにいい感じになるな。だとすると、こうした方が、顧客側から見易いな。
こうしよう。

「ありがとう。纏まった。缶コーヒーかな?」
「だな」

今日は定時で上がれそうだ。



電車でキュウキュウになりながら帰宅。
暫くなかったが、尻を揉まれ…てるな。

面倒臭い。好きにしろ。

ん? コレって何か感じるものなのか?

およよ? ボクって不感症?!

ピッタリ後ろに張り付かれていた。
鼻息が気持ち悪い。

コレは不味くないか?
堂島さんとそういう事になった時、何も感じないとかあるかも?
マグロでいいか訊いておくか?

そもそも、堂島さんでその気になるかなぁ。
ん? その気?

堂島さん、明日は定時かなぁ。
明日は金曜だ。
じっくり相談するにはいいだろう。

「降ります」



メッセージアプリで『金曜、会って相談したい』旨を送って、家事を済ませてると、電話があった。

堂島さんだ。

「はいはい~。側垣そばがきです」
『今いいですか?』
「いいよぉ~」
電話片手に細々と片付けをする。
『相談って…』
「あー、電話ではなんとなく話し辛いかなぁと」
ん? コレは、違うな。
はっきり言った方がいいか。ざっくり過ぎて、心配させたな。
顧客でもある事だ。

「別れ話じゃないから。セックスの話だから。そういう事なんで、電話切るね」
両手で作業したくなったので、電話を切った。

なんだか電話向こうがガタガタしてたが、、、ま、いいかぁ。明日会うし。



「個室って、なんだか高級感あるね」
いつもなら行き当たりばったりで行くので、カウンターだったり、テーブル席が多いのだが、今回は予約を取ってくれた。

「料理が揃ったら、ゆっくり話が出来ます。俺の部屋でも良かったんですけど、暴走しそうで…」

なんだか期待させてしまったようだ。
「期待させたようで、気まずいんだが、ただの相談なんだ」

あー、困らせてる。

料理が並んで、襖が閉まった。

「そっちに行っていいかな?」
「あ、どうぞ」
堂島さんに隣にグラスを持って移動。

「この前さ。痴漢に遭ってね」
ギッと見られた。
「あー、大丈夫だから。でね。ボク不感症じゃなかろうかと思い至ってね」
なんか固まったなぁ。グラスを傾ける。

「晶くん、その至るまでの話をしてくれ」

確かに!



「分かりました。どうするかというより、どうしていくかの方がいいみたいですね。ーーーー嫌われてというか、俺との事が嫌悪されてないみたいで嬉しいです」

間近に見るイケメンにクラクラした。
推しが目の前です。
グラス片手にぽやんと見ていた。

「キスしていいですか?」
キスか?
「いいよ」
唇が触れた。
まつ毛長いな。
今日もコロンの香りがいい。

「目は閉じて貰えると…」
困り顔。
大人しく目を閉じた。

唇が重なってるが、柔らかいのが、モニュモニュしてる。
してるなぁ~。

チュッチュと吸われてるね。
吸われてます。。。

こっからどうする?
どうしたらいいんでしょうね……。

堂島 総一朗どうじま そういちろう、申し訳ない。
ボクはどうやら、ファッション以外にもダメなものがあったようだ。
コレは誰かに任せる訳にはいかない。

どうするんだ、側垣 晶そばがき あきら



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さぁ、どうする!
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