その温もりで抱きしめて。【時々番外投稿〜♡】

アキノナツ

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恋の奮闘

1】アターック!

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ガラッと違う雰囲気になるかな( ̄▽ ̄;)
続きま~す。よろしくお願いします。


==========
 
 
 眠る前に決めてた事を実行しようと思う。

 ダグを探す。

 目が覚めたらベッドにひとりだった。
 ゆっくり起き上がる。身体は重いけど、動けそう。明日には完全に動けそうだ。
 一緒に寝てたはずのダグを探してキョロキョロ。それほど広くないけど寝室です。

 ベッドから降りようとして下の床にクッションが幾つも転がってる。
 えーと、ここにダグ寝てたの?
 無精髭でベッドの縁で頬杖してたダグを思い出してた。
 ベッド占領しちゃったんだ…。でも、さっきも寝れたんだから一緒に寝たら良かったのに…。イチャイチャした間柄なのに。

 ダグは優しい。
 ボクがゆっくりできるように明け渡してくれたんだね。

 寝室のドアを開けるとリビングに繋がってた。
 ソファある。キッチンも、あっちは…玄関というより廊下へ続いてそうな扉がある。結構広い。ファミリータイプの…ベランダから視点の高い風景が見えるから、マンションってところですね。

「…ダグさ~ん、どこ?」

 音がしなくて不安になってきた。
 ここ防音もしっかりなんですね。外の音が入ってこない。郊外なんだろうか。

 水が流れる音が微かにして、暫くするとリビングとの仕切りの扉が開いて、ダグが入ってきた。おトイレ?

「お、起きたか。えーと…昼だな。メシにするか」
 壁の時計を見て、スエットのお腹を掻きながら、キッチンに入っていく。

 えーと、ボクは…。ハッ!

「ダグッ! ボクと付き合ってッ! 好きです」
 顔真っ赤にして叫ぶように告白ッ!
 初告白ッ!
 一世一代の告白の格好としては残念な格好でした。

 熱くなった顔を伏せる。自分の格好に更に赤くなる。
 裸足の足が目に入る。太ももまで生っ白い脚が見えてます。ダブッとしたシャツを着てる。ダグさんのシャツだと思う。

「あー……」

 ヤカンがコンロにかかる音がして、ダグの声が、どう言っていいかというような声(?)が聞こえる。

 恥ずかしいけど、返事も気になるし、ダグさんの表情も気になる。頑張って顔を恐る恐る上げてみた。

 髪を掻き回してる。ヤカンの取っ手に手が乗ったまま。ボクを見てるけど、なんとも言えない感じ。困らせてる。けど、このままバイバイしたら、今まで以上に会ってくれそうにない気がする。

 ダグさん優しいから、サクの事思い出さないようにとかなんとか思って、ボクと自然消滅的に会わない気だ。そうする気だと断言できる。だって、ダグさん優しいもんッ!

 そんなダグさんだから、ボクは好き。

 語り合って互いをゆっくり知ってからと、あのバーに初めて行った時は思っていた。当初思ってたお付き合いとは随分違う展開に流されて、ここまで来ちゃったけど。ダグとは今までお話しもいっぱいした。お付き合いをしてたと思ってるからの、もっと知りたい。

「気の迷いだ。もっと周りを見ろ」

 頭を掻いてた手が離れた。手を洗って、冷蔵庫を漁ってる。

「気の迷いじゃないもん。好きだもん。こ、恋人になって欲しいもん」

 もんもんと唇尖らせて、何が違うか言い募った。

「とりあえず、メシにしよう」

 ボクの告白は続いた。
 ご飯食べながらも。
 食後のデザートもいただきながらも。
 それをダグはのらりくらりと適当な断りの返事で受け流す。
 お腹いっぱい。

「…だから、付き合ってよ」

 お風呂で洗われながら、『好き好き』と言ってるのに、『気の迷い』の通り一遍で、ボクをポンポンワシワシとタオルで拭いて、昨日来てた服を着せてくれる。

 柔軟剤の香り。洗ってくれたみたい。乾燥機有るんですね。と感心してる間にこれまた綺麗にしてくれてるリュックを背負わされて、玄関まで誘導されてた。

「帰りたくない」
 このまま帰ったらそこで終わりです。きっとそうです。

「帰れ。明日ゆっくりして、月曜から学校な。俺も仕事だから」
 ボソボソと告げられた。

「お仕事?」
 ダグって社会人? 年上ぽいし、そっか……。オーノーッ!!!!
 ボクはダグの事を何も知らないッ! ショックッ!!!

「一応働いてる。お前もいい大学行ってるんだから、ちゃんと行って卒業しろ」
 自分の失態に呆然としてるボクに靴を履かせてる。
 チャリと何か金属の音にハタと我に返る。鍵?

「車で送ってやる」

 ダグさんも無精髭を剃って、さっぱりした服着てる。いつの間に。確かボクの支度と同時に何かしてる感じだったけど。器用なダグさんです。
 ポロシャツがパツパツだけど気にしないよ。本人も気にしてないみたいだし。ボクとしては筋肉のシルエットが見れてうっとりです。

 連れ立って玄関を出る。お出掛けッ!
 デートって感じです。ウキウキ。
 ダグが鍵を掛けてる間に表札チェック。

打田うちだ (打田工務店)』

「うちだ?」

「あー、もういいか。ウチダ グンジ。打つはダとも読むから、略してダグ。昔っからのあだ名」

「へー」
 夜というかそういう界隈のネームじゃなかったんだ。ダグさんの本名をゲット。それから、ここは会社の表記があるから、事務所でもあるのかな。家族いるんだろうか。ファミリータイプだったし…。ご家族にご挨拶した方がいいのかな。

「タクトくん、また変な事考えてるだろ。ここには俺ひとり。ご挨拶とか要らないからね」

 ハウッ!
 なぜ、いつもボクの考えてる事が分かるんですか?!

「いつも無表情なのに、変な事考えてる時は表情豊かだよ、君は」

「そうなのですか?」
 びっくりです。いつも何考えてるか分かんないと言われてるボクです。
 あれだけ会ってたサクでも分かってくれなかったのにッ!

「やっぱりボクたち付き合うべきです」

「付き合うべき、ときたか…。付き合わない。気にせず新しい出会いを探しな。あー、忠告はしておくか。危険なところへは行くなよ」

 車に乗せられて、シートベルトをしてくれた。
 自分の部屋に入って、至れり尽くせりの状態から放り出されて、一瞬何をしていいか分からなくなった。

 ボク、グンジさんところで何かした?
 ーーーーー何もしてませんッ!

 メッセージアプリをブロックされるまで、熱い告白を続けた。
 これからどうしたらいいんだろう…。




===========


ドタバタになればとは思ってるんですが、さてさてどうなるやら、自分は楽しく書いてます。楽しく読んでくれるいいなと思ってます。

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